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3匹目:『黒猫』と、鬼



『黒猫』を出ること約五分………

広い商店街のような場所についた。

ここは小さいながらもいろいろな物が揃う通りだ。


このあたりが鬼の出現場所と聞いていたが…………?



「静か……………」



夕暮れ時のこの辺り周辺は人の出入りは非常に少ない。


まるでゴーストタウンのように。


「でも管理局の奴はここだっていってたぞ?」


「この辺りの結界ってどこまでだったっけ?」


「確か・・・」


バイクを降りて、通りを歩く。

10メートル先まで歩いたところで、リョウは歩みを止めた。

どうやらそこが結界の端らしい。街や通り、及び人間の多く集まる場所には結界が張ってある。

これは、鬼から避ける為なのだが、結界の範囲はその御札による。



あまり人目につかないような物陰などの場所に貼ってある一枚の細長い紙…………それが御札だ。

線をグネグネ曲げたような理解不能な文字や絵などが描かれている、怪しい紙切れ…………。


だが、ただのカミキレと思うなかれ。

大昔の有名な陰陽師たちが、ありったけの力を注いで作られたそれは、一枚でもとんでもない力を持っている。

街一つをまるまる包み込んでしまうその力は、鬼の進入を防ぎ、人々を守っている。


祓い屋は結界の際を感覚的に知ることができるのだ。

というよりも、それが分かるから祓い屋ができる。


“普通の”人には結界がどこまであるか、なんて分からないし、中には祓い屋にしか見えない鬼なんてのもいる。


先天的に何かを視たり、感じたりすることができる力を持った者だけが祓い屋になることができる。そんな人間は滅多に生まれてこない。また、その素質を持って生まれたとしてもそれが開花するかもしれないししないかもしれない。そこはもう“運”に頼るしかない。

これが、祓い屋の人口が極端に少ない理由だ。


当然この四人にもその力がある。


だがごく希に、視る力感じる力に加えて

「祓う力」を持つ者が生まれてくることがあるらしい。

その力の所有者は御祓い道具を使わずとも鬼を祓うことができる……………とか。

そんな存在が本当にいるのか?と、疑問視されているが。



「結界の範囲がそこまでだからたぶん近くにはいるはずなんだけどな」


とりあえずバイクを降りてリョウのいるところまで行く三人。

その時、突然地面から黒い影のようなものが浮かび上がった。


四人

「!」


影は地面からぬけだし、徐々に形を成していく。

巨大な黒い人形の頭部らしき場所からニョキニョキの二本の大きな角が生えてきた。

腕が長く伸びてきて、鋭くとがった長い指先が作られる。

仕上げに、顔面にギラギラの赤い目玉が三つ。


あっという間に鬼ができあがった。

その鬼は大きな手をグーにして四人に向けて殴りかかろうとしたが、両者の間の空間に、まるで見えない壁があるかのように空中で拳が止められ、妨げられた。


「結界があるからそこまでしか届かないよ〜だ」


あっかんべーをするリョウ。


「結界の中は安全とはいえこれじゃ(結界の)外に出られないからな、悪く思うなよ」


そう言って背中のバスターソードを手に取る。

昴も、腰に着けられた左右両方のホルダーから銃を引き抜く。


「そういえば、晩ご飯まだでしたね」


「今その質問かよ」


笑いながらナギサは槍を頭上でぐるぐる回した。

腰に差した刀の柄を持ったままリョウが言った。


「俺パスタが食べたい!」


「まぁシゴト終わってからゆっくり考えようぜ」


そう言って、四人は一斉に走り出した。

やっと鬼退治です。

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