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マルニチ  作者: 竹たけし
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DAY 1

N県にある町田高校の偏差値は丁度半分くらい。

 おはようございます。俺は吉村樹(よしむらいつき)、15歳です。今日4月6日は、俺が通うことになる町田高校(まちだこうこう)の入学式です。

 これから俺の友達いっぱいの学生生活が始まるんだ。

 

 俺はワクワクしながら校門をくぐり抜ける。その時俺と同時に校門をくぐった奴と目があった…。そいつは端正な顔立ちの奴だった。しかしなぜかパジャマで来ていた。俺は「絶対ヤバい奴だ」と考え、軽く会釈をしてそいつから距離を置くように早歩きで教室へ向かう。

 

 教室に入ると何人かがこちらを少しみて視線をもどす。オリエンテーションの時に一回会ったことある連中だがなんだか新鮮だ。

 俺は自分の席についた。一クラス40人で俺の名簿は37番で窓側の後ろから4番目だなかなかいい席だよな。

 しばらくしてある男が入ってきた。その時クラス中の視線が彼に集まる。まさにその男はさっき校門で目があったパジャマ男だった。パジャマ男は視線を特に気にすることなく席についた。よりによって俺の後の席だった。

 オリエンテーションで会ったことあるはずなのに初めて見るような感覚だった。一応気になって話しかけてみた。

「よぉ、俺は吉村樹、君の名前なんて言うの?」

少しの間が開きパジャマ男が口を開いた。

「あ…、俺は四隅遊(よすみゆう)…。」

「ああ、四隅くんか…、てかなんでパジャマなの?」

よし!気になることを聞けたぞ!!

「ん?…ああ、なんか間違えて来ちゃった」

こいつマジかよ現実でパジャマ着替え忘れで来るやついるのかよ…。

「あ…はは、そうなんだ…。」

「…」

「…」

てか全く会話が続かん…中学までのボッチ生活の弊害が…。

「二人は何で見つめ合ってるの?」

隣席の女子生徒が声をかけてきた。

「え…?」

突然で何を話したらいいのか分からなく言葉が出なかった。

「ああ、私の名前は木間梨央(きまりお)、よろしく」

「ああ…木間さんよろしくお願いします。吉村です。」

女子と話すのなんて何年ぶりか…。

「あっ吉村くん、まだ時間あるよね?」

「えっ?ああ、まだ10分あるよ」

「そうか、それはよかった。」

そう言うと木間さんは鞄から銃を取り出した。

「はっ!?」

と俺は思わず口に出してしまった。

「ん?どうしたの?」

木間は特に何も無いかのように俺に聞いてきた。

「いやいや、銃ですか??」

「うん、銃だよ」

「ハンドガン??」

「うん!ハンドガン、手入れしようと思って。いざという時に使えないと困るからね。」

ハンドガン持ってくる女子高生がいるのかよ?てか使うの!?

「そうなんだ…、四隅くんはどう思う?」

俺は自分がおかしいのかと思って四隅に意見を求めた。

「ん?俺に聞いているのか?」

「このクラスに四隅はお前以外にいるのか?」

「いや、多分いない…。てか俺って君たちの会話に入ってたの?」

「……ああ、そのつもりだったが…?」

確かになんかぼーっとして会話に入って来ないなと思っていたら四隅くんとの会話は終わっていた様だった。人と話すのって難しいな…。

「で、彼女がハンドガンを持ってるのかをどう思うかだったっけ?」

質問にはちゃんと答えてくれるようで四隅くんが木間さんを呼び差しながら俺に聞いてきた。

「うん」

「ただの護身用でしょ?普通じゃない?」

「…は?」

予想外の意見で俺は、また「…は?」と言う言葉が口から出てしまった。

「いやいや、普通のことじゃなくない?」

「いや、普通だろ。……いやすまん、吉村くんってどこに住んでるの?」

なぜか四隅くんは俺がどこに住んでいるのかを聞いてきた。

「え?どうして?」

「吉村くんここらへんの人じゃないでしょ?」

「ああ、なんで分かったの?」

確かに俺はここらへんの人間ではないが、それはまだ誰にも言っていないてか言う人がいないはずなのになぜわかったんだ!!もしや彼はエスパー?

「いや、ハンドガンで驚いていたから」

「えっ…?ハンドガンじゃ驚かないの?」

「ああ、慣れてる」

「え……。」

慣れてるってなに??ハンドガンになれる?ここどんだけ治安悪いの?てかここ本当に日本?

「てか、吉村くんはどこに住んでるの?」

「え?」

「だってここらへんの人じゃないんでしょ?」

「まぁ…」

「気になるもん」

さっきまで案内興味なさそうだったのに俺がよそ者と分かったの途端、興味津々に…?

「ああ、俺は清海(せいかい)に住んでるよ」

「清海か!!」

「うん、清海!!」

「へ〜そんな遠いところから来てるんだ吉村くん」

木間さんがハンドガンを拭きながら言ってきた。

「ああ、確かに電車で1時間くらいだね」

「そうか、それは大変だな…。てかなんでわざわざ町田とかいう治安悪い地区に進学したんだ?」

「それは…」

俺が中学までボッチで中学の同級生が誰もいないところに進学するためにここを選んだなんて言えない。てか言いたくない!!

「それは?」

「それは…非日常を味わえそうだから!!」

あっ…終わった……。つい咄嗟(とっさ)に俺が一番嫌いなことを理由にしてしまった。

「へぇー、すげーな吉村くん、非日常を味わいたいからってわざわざこんな場所に進学するなんて」

「あはは…」

「俺は吉村、君を気に入った!友達になろう!」

「あ、ああ…」

なぜだか分からんがなんか気に入られて入学式が始まる前に友達が出来てしまった。


 教室のドアが開き、ある生徒が入ってきた…。その人物はまさかの黒い帽子、黒いローブに身を包んだいかにもヤバそうな奴だった。そいつは俺の列の一番前に着席した。

「おいおい、なんだあれ?」

「あ?いや魔法使いじゃない?」

「は?この地区、魔法使いもいるのか?」

「いや、初めて見た」

「初めての反応か…?それ」

「ああ」

「…」

「よし、終わった!」

横から声がしたのでみたらどうやら木間さんのハンドガンの手入れが終わったようだ。

「終わったんですね」

「うん終わったよ、触ってみる?」

そう言い木間さんはハンドガンを差し出してきた。

「いや、今磨いたばかりですよね?さすがにそれを触るのは…」

「確かにそうか、ごめんごめん」

そう言いガンホルダーにハンドガンをしまった。

「ガンホルダーにいれるんですね〜」

は??ガンホルダー?そんなものつけてたこの人?

「うん、このメーカーすごくいいんだよね〜。落とすこともないし、すぐ出して使うことも出来るし」

「へ〜そうなんね…。」

てか使う時あるのか!?本当に物騒なんだな…。


 また教室のドアが開き、女子生徒が入ってきた。今度の人は他の奴らとは違い、特に変な格好もしてなく、武器も持っていないようなTHE・平凡な人だった。

「ちゃんと普通の人もいるんですね」

「いや、私も普通だよ」

と木間さんが腕を組みながら言ってきた。

「あはは…」

「なにその反応!?」

「まぁ、確かに普通の人かもな全国基準では。」

と四隅が言った瞬間、入ってきた女子生徒に外から虫が飛んできた。

「あっ」

「なあ吉村、あの女子は虫がいけるタイプの子かな?」

「さあ」

女子生徒は向かってくる虫に向かって手を向けた、するとその手が変形してサブマシンガンになった。

「は?」

「そうきたか」

すると女子生徒は虫向かってサブマシンガンを乱射し始めた。マガジンが切れるまで撃ち尽くした頃には、もう虫も見えなくなっていて壁にも銃痕がのこっていた。

「やべ、まぁいっか」

と女子生徒はつぶやきながら席についた。


 しばらくして教室のドアが開き先生らしき人物が入ってきた。

「おはよう、私はお前らの担任の山下玲(やましたれい)だ、よろしく。あと制服じゃないお前ら今日は入学式だぞ、どうすんだ?」

山下先生は黒いローブの奴と四隅に視線を送る。

「先生、これが僕の制服です」

黒ローブの奴が先生に言った。

「ああ、そうか…。で、お前は?」

と言い四隅を見る。

「あ、寝ぼけてパジャマ着てきました」

「は…?寝ぼけパジャマ着てきた?」

山下先生は呆れた目で四隅に言った。まぁ当たり前だよな…。

「毎年いるんだよお前みたいなやつ…。まぁ、そのおかげで一応予備の制服はあるからそれを着て参加しろ」

こんなのが毎年いるのかよ…。

「ありがとうございます。」

「あと、黒ローブ、お前もだ」

「はぁ??僕の制服はこれだけだ!!」

「はいはい、分かった分かった。今回は学ランのコスプレをしてくれよ」

「なぁ、四隅くん」

俺が小声で四隅へつぶやくとなぜか自信満々な顔で四隅は言った。

(ゆう)でいいぞ!」

せっかく小声で話しかけたのに四隅は大声で返事しやがった。

「おい四隅、今私が話してるぞ。」

「すいません」

「まぁいい、ところでこの銃痕誰がやった?」

先程の銃痕を指差して言った。しばらくしてクラス中の視線がサブマシンガン女へ向く。

「お前か?」

先生が尋ねるとサブマシンガン女は「何だそれ?」って顔をした。

「知らないのか…。まぁいい、とにかく今日は入学式だ。私たちは3組だから3番目に入場する。分かったな?じゃあ、行くぞ」

そうして俺たちは体育館へ向かった。


 体育館へ入場し順に席についた。しばらくして全新入生が入場し入学式が始まり校長の話など先生紹介なども着実に進んでいっていた。

「なぁ、四隅」

「遊だ」

「ああ…すまん、遊」

「どうした?樹」

「さっきのサブマシンガン女は何なんだ?」

「俺がわかると思うか?」

「うん」

「さすがにロボット?人造人間?どれかは知らないが腕をサブマシンガンに変形させて乱射する奴は俺も初めて見たぞ」

「まぁ…」

そりゃそうだよな…。

「次は新入生の代表あいさつです。新入生代表、機志田真奈(きしだまな)さんお願いします。」

と司会進行の先生が言った。

ステージに上がった奴をみて俺は驚いた。いや多分クラスの奴は大半が驚いた。まさかのサブマシンガン女が新入生代表のあいさつをしているのだ。

「私たち新入生一同は……………」

俺は横にいる四隅の方を見た。すると四隅もこちらにみてきてた。考えてることは多分一緒なんだろう。

「確か、この高校の新入生代表の選び方は入試の順位何だよな?」

「ああ」

「てことは、あいつが入試で1位だったんだな…」

「ああ、らしいな」


「………全力で取り組むことを誓います。」

機志田真奈ことサブマシンガン女の新入生挨拶が終わった。

「志田さんありがとうございました。つぎは歓迎のことばです。在校生代表、真治幸正(しんじゆきまさ)さんお願いします。」

「はい」

と言う声を出してから男子生徒がステージへ上がる。

男子生徒の雰囲気に皆が何を言うのかと固唾を飲んだ。

「新入生の皆さんご入学おめでとうございます……。以上、在校生代表、真治でした。」

そう言い在校生代表の生徒はステージを降りていった。正直短すぎて多分新入生一同、驚いていると思う。

「真治さんありがとうございます。次は校歌斉唱です。」


「緑の大地〜♪」


 校歌斉唱、閉会の言葉も終わり次は新入生退場だ。

「新入生退場、在校生拍手をお願いします。」

「なぁ樹、拍手で送られるのもいいもんだな」

「お前卒業するのか?」

「は?」

「えっ?」

なんか話が噛み合わなかった。

「まぁ、行くぞ」

そうして俺たちは体育館を後にし教室へ戻った。そして次の登校日などの事の説明を聞きその日の学校は終わった。

「おーい樹、帰ろうぜ!」

と言い四隅が寄ってきた。

「俺、電車だぞ?」

「おう、気にするな!駅までついて行く。」

「ああ…」


 チャリに乗り、帰ってるときに見たことある姿が目に入った。

「あっ、サブマシンガン女」

「ん?誰ですか?」

「同じクラスの四隅遊だ。横のやつは親友の吉村樹だ」

「は?いつ親友に…。」

「あ?さっきだよー!」

「さっきっていつだよ」

「さっきはさっきだよ〜」

「仲いんだね」

と俺と四隅が話していると、サブマ女が言った。

「そうか…?」

「うん」

「てか、サブマシンガン女もこっちなのか?」

「おい、誰がサブマシンガン女だ。私にも機志田真奈(きしだまな)と言う名前がある。」

確かにさっきの代表挨拶で言ってた様な…。

「ああ、ごめん機志田さん」

「てかさ、家こっちなの?」

「いや私、駅から通ってるの」

「そうなのか!じゃあ帰り道は同じだな!てことで道同じだから一緒に帰ろうぜ!」

「おい、四隅」

「てことで」ってどう言う事だよ!てか絶対ヤバい奴を誘うなよ!!

「間違えるな〜?遊だぜ!」

「はぁ…。」

「良いのか私も一緒に帰って?」

「えっ?」

「良いのか」ってまさかこの言い方、こいつもボッチだったのか?

「なんで?別に良いよな、樹?」

「まぁ…」

さすがにこの状況で無理なんて言えるかよ…。

「本当にこんな私でもいいのか?」

と右手をサブマシンガンに変形させながら言った。

「その形態はちょっと…」

「まぁ、いんじゃね?」

「別に見た目なんて関係ないだろ、なぁ樹?」

「あ、ああ…。」

さすがにそれはちょっと…。

「じゃあ、帰ろうぜ」

「おう…。」


 こうして俺の高校生活は一応、友達はできたものの平凡とは大きくかけ離れた様なものになってしまった……。叫びたい「カムバーク平凡!!!」と……。




彼らの身長

吉村樹 168cm

四隅遊 171cm

木間梨央 162cm

ローブの生徒 161cm

機志田真奈 170cm

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