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第11話 接触

 家族が増えた。


 アイン達が同族の群れを連れてお願いに来た。

 どうやら軽く戦ってボスになったようだが、栄養的な面で体が一回りも大きいアイン達は当然勝利したという流れだと思う。

 仕方がないので受け入れる。

 アイン達にはすさまじくお世話になっているからな。

 犬たちのエリアをせっせと広げていく。

 手順としては慣れたもので、堀によって外枠を決めて、防壁を建てて、柵と扉を作る。

 そのほか排せつ物の処理場を作ったり餌場、小屋などを創れば完成だ。


 サラっと説明したけど半年かかったよ。ははは。

 

 しかし、犬の群れ合計18匹が仲間に加わったことで森での狩りは狩猟というか狩漁になった。

 点で獲物を探す今までの狩りから、面で探索できるようになった。

 もちろん根絶やしにしてしまわないように教育する必要が出たが、生け捕りも含めて畜産エリアも大幅な拡張が必要になってそちらも同時に行った。

 

「もう、村か小さな町ぐらいの面積はあるよな……」


 索敵や周囲の探索にミケルとカイルが行く必要が無くなったために、開拓、建設の手伝いをしてもらうことにより、飛躍的にスピードが上がる。

 体は小さくとも軍用マシンである二人は重機のように働いてくれる。

 なぜ今まで情報収集に回ってもらっていたかというと、未知の場所での情報は何よりも重要な生命線だからだ。

 

「パワーがあっても戦いには出せないからな……」


 その一方で今の状態で戦闘をするのは危険だ。

 破壊されて修復できるのかどうかが不確かだ、最悪一部が破壊されてしまえば形態を維持できずに崩壊するかもしれない。

 開墾建築は出来るが、戦闘時には周囲の状況把握と可能であれば援護射撃を安全な場所で行ってもらうしかない。子犬子猫の姿でも簡単に使える投石機も作った、照準を合わせて紐を切るだけでセットされた石が打ち出される仕組みだ。発射回数は一回だけだが、セットしなおせば何度も使える。それを防壁に複数個所設置してある。

 古代の武器の情報はデータベース上にいろいろとあったのでそれを参考に防御力、攻撃力を高めている。

 こうして時間が経てば立つほど巨大化城塞化していく拠点。


 この星に来て1年と半分ほどが過ぎた頃、俺は初めて、俺の常識から外れた生物と出会うことになる。

 その日は子ができて子育てに大忙しのアインたちは拠点待機して、二匹の犬と狩りに出たときに出会った。


「よし! 仕留めた! それじゃぁ……」


 その日も幸運なことに獲物を見つけることができてクロスボウで仕留めることができた。

 ついてきている犬達に獲物を持ってくるように指示を飛ばそうとしたその瞬間、獲物のそばの草むらが揺れたために警戒態勢を取る。

 犬たちもなにかの気配に気づいたらしく、身をかがめて警戒している。


「……他の肉食獣か……? ……!? なんだ……あれは……?」


 ガサガサと草むらから出てきたのは、子供……いや、ガリガリに痩せた小人といえばいいのか?

 眼の前で絶命している森ブタ(豚によく似た草食の動物、美味)に蹴りを入れたりしている。

 ボロ布、たぶん草を編んだものか皮を剥いでそのまま身につけているような粗末な服に、木の棒とかを加工もせずに持っている。顔つきは人間よりも目が大きく、犬歯が発達している。頭の天辺付近にしか髪の毛が生えておらず、無造作にボサボサだ。耳が尖っているのが特徴的に見えた。


「みんな気配は消していろよ、様子を見る」


 小声で指示を出す。

 かなり原始的な生活様式のようだが、知的生物とはできる限り敵対したくない。

 そのまま様子を見ていると、ブタが絶命していることがわかるとどうやら涙を流して喜んでいた。

 そのまま生き血をすすっている小人もいた。

 小説とか童話に出てくるホビットとかもしくはゴブリンか……肌の色は緑とか異質な色ではないし、ホビットと仮名をつけておく。

 ホビットたちはそのままブタをみんなで引きずりながら移動していく。


「尾行するぞ」


 俺はそのままホビットたちの後を追っていく。

 十分な距離を取りながら、それにしてもブタの血をこぼしながら進んでいくホビット、他の肉食獣に感づかれても知らないぞ……


「村……なんだろうな……」


 結構な距離を歩いてたどり着いたのは集落と言っていい集団だった。

 彼らがブタを引きずって村に訪れると同じような小人が枝と葉を組んだだけの粗末な建物からわらわらと出てきてどうやらものすごく喜んでいるみたいだ。

 ホビットたちは皆ガリガリに痩せている。栄養状態は非常に悪そうだ……そこに獲物が湧いて出れば喜びようもわかる。

 それからしばらくホビットを見学していたが、ブタの解体もめちゃくちゃ、石で適当に切り裂いて生のまま食べたり、たまに枝で突き刺して火で炙って食べているが……

 

「ううむ、文化的ではないなぁ……対応を誤ると敵対するよなぁ……」


 できれば知的生命体とは友好関係を結びたい。

 とりあえず日が傾きかけたので今日は猟を切り上げることにして監視をやめる。

 拠点からは直線距離で5キロほどか……

 対応を考えないとなぁ……あとでミケルを監視にまわして細かな文化とかを調べていこう……


「……友好関係の鍵は、食事だろうな……」


 ホビットたちの体格、特にあの痩せ方は慢性的な栄養不足を予想させる。

 それに食事の質、生でブタを食べるほどの技術なら、もしかしたらうまいことできるんじゃないだろうか……いろいろと作戦を立てて対応を考える。

 

「忙しくなってきそうだ……」


 食料の備蓄量とにらめっこしながら今後の計画を考えていく、食糧自給はすでに十分に可能になっている状態だが、正直一人で行える限界を超えている。

 ミケル、カイルと犬たちは非常によく働いてくれているが、それでも、もしも人形のホビットたちが仲間になって協力できれば……


「あんまり楽観的には考えないようにしよう、敵対した場合のプランも立てておかないと……」


 俺は、僅かな希望は持ちつつも、現実的な計画を立てていくのであった。


 

 

もう、ストックありません。

ごめんなさい。

つづきがんばってかきます。

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