16:特訓
「クケエエエエ~!!」
ドバ!
「ぐえ!」
リンデルが私の風魔法で吹き飛んでいく。
現在私は森に出るビッグオストリッチを倒す特訓を、リンデルと孤児達に積ませている。
そこは例の王都近辺の平原で、リンデルの他に冒険者志望の、アイデンくんとソラルくんもいる。
「どうしたのリンデル! そんなのじゃあ風の刃にあたって、あっという間に命を落すよ!」
ビッグオストリッチはダチョウのような魔物で、風魔法の風の刃で攻撃してくるのだ。
「つってもよ~! 見えねえものは避けようがないぜ!」
リンデルが寝ころびながらも弱音を吐く。
確かにビッグオストリッチの風の刃は、目視不可能な危険な刃だ。
しかしそれをなんとかしない限り、ビッグオストリッチを倒すことなどできないのだ。
「そうだね。リンデルは魔力の質は私と同じだから、魔力感知が使えると思うんだけど・・・」
リンデルの周囲には、すでに薄っすらと魔力が放出されていて、魔力感知を使える状態にはなっているはずなのだ。
なのになぜ魔力感知が使えないのか?
魔力はイメージだと聞いたことがある。
もしかしたらリンデルは、自分の周囲に放出されている魔力が、イメージ出来ていないのかもしれない。
クマさんが私に魔力感知を教えるときにはどうしただろうか?
確か魔力を周囲に薄っすらと広げるようにと、言っていたような気がする。
これは仮説にすぎないが、もしかしたら私も、あの時すでに今のリンデルと同じように魔力を薄っすらと周囲に拡散することは、出来ていたのかもしれない。
「リンデル、まず魔力を薄っすらと周囲に拡散させるといいよ」
「こうか?」
リンデルは私が言うがままに、イメージしたようだ。
「だいたい出来た気がする・・・」
すでにリンデルは魔力を薄っすらと拡散出来ていたわけだし、今度はそれをイメージで掴み取れるようになったに違いないのだ。
「リンデル、目を閉じて、その薄っすらと広げた魔力で、私の魔力を感じ取ってみて・・・」
「お、おう・・・」
するとリンデルは目を閉じて集中しだした。
「う~ん・・・もやっとだが・・・巨大な何かを感じるな?」
ん? どういうことだ?
私の時には人の動きがまるで見えているように、感じたはずだ。
なぜリンデルにはもやっとしか感じられないのだろうか?
「嬢ちゃん・・・自分は特殊だって、自覚した方がいいぜ。リンデルも修行すれば、嬢ちゃんのように魔力感知が使えるようになるかもしれねえが、今は無理だろう。なぜならリンデルには、嬢ちゃんのような聖獣の加護がないからな・・・」
なんと私の魔力感知の正確さは、聖獣の加護のおかげらしい。
「でもこれで魔力は見えるようにはなったぜ!」
リンデルは自信に満ち溢れた表情でそう言った。
「吹き飛ばすような風発動!!」
ブワ~!!
「げっ! 急にやんなよリンネ!」
と言いつつその風の魔力が見えているようで、リンデルは大きく飛んで、吹き飛ばすような風を躱した。
どうやら本当に魔力が見えるようになったようだ。
「リンデルの場合は、魔力視と併用すれば、もっと上手く魔力感知が使えるかもな?」
「お、おう。魔力視か・・・。確か目に身体強化を使うやつだよな?」
魔力視は身体強化とは違う気がするのだが、そのイメージで上手くいくのなら、それでいいような気もする。
「ああ駄目だ!」
「上手くいかねえ!」
アイデンくんとソラルくんも魔力視が上手くいかず、苦戦しているようだ。
「吹き飛ばすような風発動!!」
ブワ~!!
「ぐあ!!」「リンネ容赦ねえ!!」
そんな2人を風魔法で吹き飛ばす。
「さあ立った立った! これが見えないと次に進めないよ!」
「リンネ隙あり!!」
そんな私に、リンデルが後ろから木剣で襲い掛かる。
「吹き飛ばすような風発動!!」
ブワ~!!
「ごふ!!」
そんなリンデルに、背中を見せたままで、風魔法を発動させて吹き飛ばす。
「攻撃に転じるときは、同時に隙が生まれるんだよ」
「ちくしょう! 後ろにも目があんのかよ!? そんなの無茶苦茶だろ~!」
そんな私の攻撃に、再び弱音を吐いて転がるリンデル。
「あ! ちょっと今の風魔法見えたかも!?」
「俺もだ! 少し見えたような気がする!」
ほほう?
どうやらアイデンくんとソラルくんにも、風魔法が見えてきたようだ。
もしかしたら魔力視が、徐々に成功し始めているのかもしれないね。
「吹き飛ばすような風発動!!」
ブワ~!!
「ぎゃ!」「ぶは!」
私の風魔法を受けて、そんな2人が地面を転がる。
風魔法が見えたのは、2人の気のせいだったようだ。
「いや。今のは見えていても、避けられるか微妙なタイミングだったぜ嬢ちゃん」
どうやらクマさんによると、今のは避けられないタイミングだったようだ。
だが現実の戦闘はそう甘くはないのだ。
そのタイミングで避けられないでは、すまないこともあるのだ。
「吹き飛ばすような風発動!!」
ブワ~!!
「ぎゃあ! なんでオイラまで!」
こうして訓練は毎日のように続けられ、1ヶ月後にはなんとか3人は、風魔法を避けられるようにまでなっていた。
【★クマさん重大事件です!】↓
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