↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第九章 覚醒者育成学院・天神聖書編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
71/77

第71話 複雑なクエスト

 俺たちは、焔葬《えんそう》の遺跡にゆっくりと足を踏み入れる。


 壁のルーンは相変わらず淡く光り、空気中に漂う神力の気配も変わらない。


 やがて、しばらく歩いたとこので前回同様別の場所に転移させられた。


「……やっぱり飛ばされたか」


 俺は周囲を見回す。


「転移の直前までなんの力も感じなかったので、恐らく一定距離歩いたら強制転移とかそんな仕様ですね」


 隣では、カタルシアがメガネを触りながらそう言った。


「それにしても……前回とは違う場所だな」


 俺は壁に手を当てる。


 前回とは明らかに異なる石造りの通路だ。天井が低く、分岐も少なく、炎の灯りの数も減っている。


「でも、やることは変わらない。慎重に行こう」


 だが、俺は冷静にそう言って、先頭に立った。


 そうして、俺たちはダンジョンの奥へと進んでいく。


 飛ばされた先でも、魔物の気配はほとんどない。時折、小さな炎の精霊が姿を見せる程度で、レベルも低く、特に苦戦することもなかった。


 マヨが魔剣で軽く斬り払うと、精霊はあっさりと霧散する。


「やっぱり、この剣は使いやすいわ」


「もう使いこなせているの凄いですね。やっぱり相性がいいんでしょうか」


「マヨねぇ、かっこいい!」


 そんないつもの雰囲気のまま、俺たちはダンジョンの奥を目指す。


 そうして通路を進むこと十数分。やがて、視界が開けた。


 円形に広がった空間。壁には古びた炎の紋様が刻まれ、中央には大きな岩の塊が鎮座している。


 そして、俺たちが近づくと、


 ――ゴゴゴ……!


 と、岩が立ち上がり、全身に炎を纏い始めた。


 赤黒い炎が装甲のように表面を覆い、2つの赤く光る目が俺たちを見据える。


 4mほどの大きさのゴーレムだ。


「……来たか」


 俺は即座に〔解析〕を発動する。


「フレイムゴーレム、レベルは前回同様35。コイツが今回の中ボスか」


 想定通りの中ボス戦。俺たちは冷静に戦闘態勢に入った。


 すると、


「ここは私に任せて」


 と、マヨが静かに前に出た。


 手に持つ〔魔剣・アクエリアス〕の刀身が淡く青く輝き始める。


「……わかった。今こそ特訓の成果を見せる時だな!」


 それを見た俺は、笑みを浮かべてそう言った。


 マヨはその言葉に微笑むと、剣を構える。


 やがて、フレイムゴーレムが重い足取りで一歩踏み出し、炎の腕を振り上げると、マヨは動じず魔力を魔剣に流し込んだ。


 刀身から水が溢れ出し、刃を覆う。


「水魔法――」〔ウォータースラッシュ〕


 そして、魔剣を一振。


 その瞬間、以前とは比べ物にならない規模の水の斬撃が、ゴーレムの右腕を砕いた。


 ――ジュォォォォッ!!


 炎と水が激しくぶつかり、大量の水蒸気が噴き上がる。


 ゴーレムの体が大きくのけぞり、炎が急速に弱まっていく。


「まだよ」


 だが、マヨは止まらない。さらに一歩踏み込み、魔剣を大きく振り抜いた。


〔水簾《すいれん》一閃〕


 青く輝く斬撃が、ゴーレムの胴体を横に断ち切る。


 ――ザシュッ!!


 ゴーレムの炎が完全に消え、岩の体が崩れて地面に散った。


 広い空間に静寂が戻る。


「……終わりね」


 マヨが剣を下ろし、軽く息を吐く。


「おぉ〜、思ったよりあっさりだな」


 戦いが終わると、俺はそう呟きながら崩れたゴーレムの残骸を見た。


「すごい! マヨねぇ、一瞬で倒しちゃった!」


「この調子だったら、私たちの出番はいらないかもですね!」


 それに続きミリアが目を輝かせ、カタルシアも感心した様子でうなずく。


「あ、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいわ」


 マヨはその言葉を聞いて、少し頬を赤らめながら答えた。


 そんな3人を横目に、俺は周囲を見回す。


 すると、空間の奥に、さらに下へと続く長い階段が口を開けているのが見えた。


「よし、このまま先に進もう。ボス部屋は近いはずだ」


 俺がそう言うと、みんなは再び気を引き締める。


 こうして、俺たちは崩れたゴーレムを後にし、長い階段を降りていった。




 長い階段を降りしばらく歩いていると、目の前に見覚えのある重厚な扉が現れた。


 頭上には巨大な縦穴が口を開けている。前回浮遊する足場を渡りながら降りてきた場所だ。


「……やっとついたな」


 俺たちは扉の前で立ち止まる。


 そして、軽く深呼吸をして、


「よし、行くぞ」


 と、俺は扉に手をかけ、ゆっくりと押し開けた。


 ――ギギィ……バタン!


 俺たちが中に入ると、背後で扉が重く閉ざされた。両サイドの石柱に赤い炎が一斉に灯り、空間が赤く染まっていく。


「来るわよ」


 マヨが魔剣を構える。


 同時に玉座の上で炎が渦を巻き、やがて巨大な人型の姿を形成した。


 ダンジョンボス、炎の守護者(フレイムガーディアン)が、再び俺たちの前に姿を現す。


「〔解析〕!」


 俺は即座に〔解析〕の応用技を発動し、ボスの頭上にHPバーを表示させた。名前とレベルと共に、赤いゲージがはっきりと浮かび上がる。


 目標を視覚的に確認するために編み出した技。これだけで、かなりの精神的余裕が生まれる。


「よし、後はあのバーが空になるまで攻撃するのみだ!」


「了解よ。行くわ!」


 俺が合図を出すと、マヨが先陣を切って駆け出す。


 魔剣が青く輝き、刀身から水が溢れ出す。


「バフをかけます!」〔強化魔法〕


「水魔法――」〔ウォータースラッシュ〕


 マヨが技を放つと、巨大な水の斬撃がボスの右腕を直撃した。


 ――ジュオォォッ!!


 前回とは違い、水は一瞬で蒸発せず、炎を削り取るように食い込んでいく。


「効いてる……!」


 マヨの目が一瞬輝いた。


「ウオォォォォ!!!」


 だが、ボスは怯むことなく咆哮を上げ、巨大な炎の剣を振り下ろす。


「防護結界!」


「俺も手伝う!」


 それを、カタルシアと俺が即座に防護結界を展開し、衝撃を受け止めた。


「ミリア、牽制を頼む!」


「任せて!」〔魔獣の咆哮〕


 その隙に、ミリアが遠距離から衝撃波を繰り出し、ボスの動きを乱す。


「よし、今だ! 雷魔法――」〔EMP(イーエムピー)〕


 それに続き、俺は雷のオーラを一気に解放した。


 青い光の波が広がり、ボスの体の炎が激しく揺らぐ。それに加え、動きも鈍くなった。


「水魔法、最大出力――」〔溟海の荒津波(タイダルウェーブ)〕


 そこへマヨの追撃が襲いかかる。絶え間ない連携攻撃。


 ボスのHPが目に見えて削れていっている。

 

「グオォォォォ!!」


 しかし、相手はレベル50のバケモノ。


 ボスは激昂し、無数の火球を放った。


 結界がひび割れ、熱波が内部に侵入してくる。


「まだだ! マヨ、カタルシア! これでMPを回復しろ!」


 それを見て、俺は〔インベントリ〕からマナポーションを2本取り出して、マヨとカタルシアに渡した。


 準備は万全。2人は即座にMPを回復させ、カタルシアは結界の再構築とバフの再付与、マヨは再び大技の準備をする。


〔ライトニングソード〕


〔魔獣の爪〕


 その間、俺は雷を纏い、ミリアと共に火球を打ち払った。


 練り上げた連携。炎と水が激しくぶつかり合い、空間が水蒸気で白く霞む。


 HPバーは着実に削れていく。


 激しい戦い。何度か攻撃を喰らいながらも、巧みな連携で優勢に持ち込んだ。


 ――そして、残り20%。


「あと少しよ!」


 マヨが息を整えながら叫ぶ。


 ボスは最後の力を振り絞り、全身の炎を剣に集中させた。


 やがて、巨大な炎の斬撃が放たれる。


「みんな、下がれ!」〔EMP〕


 俺は全力で攻撃を減衰させた後、〔ライトニングシールド〕を展開し正面から受け止めた。


 衝撃で両腕を伝うが、なんとか耐える。


「今だ、マヨ!」


「ええ!」


 マヨは一瞬の隙を逃さず、魔剣を大きく振り上げた。


「剣術、水魔法、混合。最大出力――」〔水簾格子斬り〕


 やがて、格子状の水の斬撃が、炎の守護者の全身を貫く。


 ――ジュオォォォォッ!!


「グオォォォォッ!!!」


 ボスの咆哮が空間に響き渡る。


 そして、炎が一気に消え去り、巨大な体が光の粒子となって崩れていった。


 HPバーが完全に0になる。


「……倒したか」


 俺は息を整えながら、ゆっくりと呟いた。


「やった……! やったわね!」


 マヨが膝に手をつき、安堵の息を吐く。


「やったー! 倒したー!」


「本当に……よく耐えました」


 ミリアとカタルシアも、疲労と達成感を滲ませた表情でうなずいた。


 そんな中、ボスが消滅した玉座の奥で、新たに一枚の扉が姿を現す。


「……ここからが本番だな」


 俺は扉に手をかけ、慎重に開けた。


 中は小さな部屋だった。中央に簡素な祭壇があり、その上に鍵型のアイテムが静かに浮かんでいる。


「これ、は……」


 俺はそれに手をかざし、〔解析〕を発動した。



【火神の鍵】


『炎の残滓』が収められた宝物庫の扉を開けるための鍵。



 ウィンドウに表示された文字を見て、俺は小さく息を吐いた。


「……やっぱり、そう簡単には終わらないか。でも――」


 俺はそこまで言うと、笑みを浮かべる。


「このダンジョンは大当たりだったな! この鍵は、炎の残滓ゲットの為には欠かせないものだ」


「そうね。こんなに早く、天神聖書に近づくなんてツイてるわ」


「次は、今度こそ炎の残滓をゲットしましょう!」


「おぉー!」


 俺たちは、改めて炎の残滓獲得に向けて気合を入れる。


 伝説のアイテムへの道は、まだ続くのだった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


ブックマークがいただけると、大変励みになります。



〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


マヨ:大魔ミルキーウェイ神皇国の第一皇女。性格は真面目だが、皇女として過ごしてきた反動で素が出る場面もある。意外と間が抜けている。


ミリア:獣人の少女。とても活発で食いしん坊。強い。


カタルシア:紫髪のエルフの少女。人間で言う14歳くらいの見た目。とても誠実で真面目。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。