↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第九章 覚醒者育成学院・天神聖書編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
69/77

第69話 自主練

 放課後。俺たちは、校庭の端にある実技訓練場に来ていた。


「よし、まずは軽く身体を動かしていくぞ!」


 ライオスが先頭に立って号令をかける。


 俺たちは円陣を作り、まずは基本の魔力循環と関節の柔軟運動から始めた。


 カイスが神力《しんりょく》を細かくコントロールしながらストレッチをし、アルトは魔力の出力調整を行っている。


 俺もその輪に加わり、ゆっくりと魔力を身体に流していく。


(……魔力操作がだいぶ上達したなぁ)


 そんなことを考えながら、みんなが軽い汗が浮かぶ程度まで身体を温めたところで、ライオスがにやりと笑った。


「よし、ウォームアップはここまで! 本番だ! 2対2の模擬戦をやるぞ!」


「チーム分けは……近接の俺とライオスが分かれて、中、遠距離が得意なアルトがライオス、主に近、中距離が専門のカイスが俺とだな」


「それでいこう!」


 チームが決まり、俺たちは少し作戦会議をした後、訓練場の中央に立つ。


 カイスは眼鏡を軽く押し上げながら、静かに微笑んだ。


「よろしく、テンコ」


「あぁ、頼む」


 やがて、簡易結界を張って安全を確保した後、ライオスが大きく息を吸った。


「いくぞー! 始め!」


 合図と同時に、ライオスが猛然と突っ込んできた。


「行くぞ!」〔紅蓮の拳(クリムゾンフィスト)〕


 ライオスの右腕に炎が集中し、一気に解放される。


 一直線に突進してくるその攻撃は、十分な迫力だった。


「テンコ!」


「任せて!」


 俺は素早く前に出て、両手を突き出す。


 そして、〔ライトニングシールド〕を生成し、ライオスの攻撃を受け止めた。


「くっ……重いな!」


 俺が歯を食いしばる中、カイスは横に回り込んでライオスに接近した。


「行くぞ、ライオス!」〔模倣《イミテーション》:炎〕


 軽く身体を強化し、炎属性を手に纏わせて掌底を放つ。


 ――ボン!


「ぐわぁ!」


 炎が爆ぜ、ライオスがよろめく。


 繊細な神力操作。そして、見たものを"1回につき1度だけ"再現できるスキル。


 戦闘タイプには見えないが、実は4人の中で最も戦闘が得意な男。それがカイスだ。


 だが、ライオスも決して負けてはいない。


「まだまだァ!!」


 ライオスは炎を爆発させ、同時にその推進力を使って後退し、間合いを取った。


「アルト! 今だ!」


「了解!」


 続けて、アルトが後方から魔法を放つ。


 風を操る属性で、俺たちの足元に突風を巻き起こし、バランスを崩そうとしてくる。


「この程度!」


 俺は跳躍して風を回避し、そのままアルトに向かって突進した。


 だが、アルトは冷静に技を発動させる。


「風魔法」〔旋風斬《カマイタチ》〕


 次の瞬間。強烈な風が、刃のごとく襲いかかった。


「まずい! 防護結界!」


 俺は素早く結界を張り、カイスは後ろへ下がり攻撃を回避した。


 ライオスはそれに乗じて前線を上げてくる。


「おらァ!!」〔魔炎爆弾《フレイムボム》〕


 ――ボォン!


 ライオスの放った炎の球は一気に爆ぜ、爆音が轟く。


「ハハッ、良い攻撃だな。出力が以前より上がってる」


 その攻撃を見て、俺は笑いながらライオスにそう言った。


「そうだろ!」


 ライオスは得意げな表情。


「でも、俺も負けないぜ!」


 俺はそう言うと、雷のオーラを一気に開放し加速した。


「いくぞ!」〔瞬雷〕


 ――バリッ!!


 稲妻の斬撃が、ライオスを襲う。


「うおっ!?」


 ライオスがとっさに防御したが防ぎきれず、衝撃で後ろに下がった。


 その隙にカイスがアルトへ回り込み、


〔模倣《イミテーション》:旋風斬《カマイタチ》〕


 と、アルトと同じ技を再現して突風を返した。


「くっ……器用だな!」


 アルトが結界で防ぎながら後退する。


 激しい攻防が続く。


 ライオスの炎は以前より出力が高く、アルトの風魔法も精密さを増していた。


 だが、俺とカイスの連携も負けていない。


「雷魔法――」〔天裁きの雨(サンダーレイン)〕


〔模倣《イミテーション》:魔炎爆弾《フレイムボム》〕


 無数の雷が降り注ぎ、避けた先にカイスの追撃が来る。


「くっ、なんつう魔力量だ。相変わらずデタラメだぜ!」〔獄炎破弾《ヘルクラスター》〕


 だが、ライオスも負けじと反撃する。


 空から無数の火球が襲いかかる。一つ一つが〔魔炎爆弾《フレイムボム》〕並の威力だ。


「僕に任せて!」〔模倣《イミテーション》:大地創成《テラジェネシス》〕


 その攻撃を、カイスは大地の壁で身を覆い防ぐ。


「それは、先生が体育のとき使っていた魔法……! ストックしていたのか!」


 それを見たライオスは、目を見開いた。


「僕は3つまでストックできるからね。こういうときのために、隠し玉は常にあるものだよ」


 カイスはメガネを触りながら、得意げに言った。


 そして――


「じゃあ、そろそろ終わりかな」


 俺はそう言いながら決め顔をすると、


「魔法陣展開」


 と、唱える。


 その瞬間、ライオスとアルトの足元に、巨大な黄色の魔法陣が展開された。


「なっ!? まさか、戦いながらこの術式を組み立てていたのか!?」


 それを見たアルトは、驚愕する。


「最近編み出した技で、まだ扱いきれなくてね。だから範囲を絞らせてもらったよ」


 俺はそう言いながら、両手を前に突き出した。


 それに呼応するように、魔法陣が光り始める。


「まずいな。にげ――」


「逃さないよ」〔模倣《イミテーション》:植縛〕


 ライオスたちは慌てて逃げようとするが、ツル植物が絡みつき、これを阻止する。


「いくぞ。雷魔法――〔EMP(イーエムピー)〕!」


 次の瞬間、無音の衝撃が訓練場を駆け抜けた。


 青い光の波が広がり、ライオスとアルトの体が同時に強張る。


「いーえむぴー? スタン攻撃か? それにしては威力が弱い……」


 だが、思ったより害はなく、アルトは困惑する


「ハハハ、失敗したかテンコ! 残念だったな!」


 そうして、ライオスが反撃しようとしたその時だった。


 ――ボボッ!!


 技を発動しようと手のひらに発生させた炎が、不自然に消える。


 「なにっ!? 魔力がうまく練れない……魔力の流れが……乱れてる……!」


「ライオス、俺もだ。なんだこの現象は?」


 ライオスの炎が消えかかり、アルトの風も制御不能になる。


 その不可解な現象に、2人は混乱した。


 その隙に、俺はトドメを刺す。


「これで終わりだ!」〔雷撃砲《ライトニングブラスター》〕


 ――ズドォォン!!


 俺の両手から放たれた白雷のビームは、ライオスたちを襲う。


「ぐぁぁぁ!!」


 ライオスたちは全身が感電し、その場にひざまずいた。


「はぁ、はぁ……ハハハ、やっぱ敵わねぇな!」


 やがて、ライオスはその場に大の字に寝転がり、笑った。


「さっきの技は……一体……?」


 アルトは未だ混乱している。


 俺は、ライオスたちの元へ歩み寄ると、ゆっくりと口を開いた。


「今の技は、俺が相性の悪い敵と戦うために編み出した技だ。俺の〔雷光〕を拡張した技で、天賦力がおよぶ"場"や"回路"を一時的に乱す効果がある……って言ってもわかんないか。要するに、相手の天賦力に干渉して大きなデバフをかける技ってところかな」


 元世界の知識を応用した技。理屈ではなく、何となくできそうというイメージを実現した技だった。


「……よくわかんないけど、やっぱすごいなお前」


 それを聞いて、アルトは感心したように言う。


「まぁ、その理不尽さが魔法使いの良いところでもあるね」


 カイスは眼鏡を直しながら、静かに微笑んだ。


「今日はいい練習になったな。ライオスたちは、付き合ってくれてありがとな」


「こっちこそ、いい経験ができたぜ! 次は負けねえからな!」


 こうして、4人の自主練は和やかな雰囲気のまま終わったのだった。




 夜。俺はいつものようにマヨたちの部屋に顔を出した。


 ミリアがベッドの上でごろごろしながらお菓子を食べており、カタルシアは机で講義の復習をしている。


 マヨはソファに座って、お茶を淹れていた。


 俺はカップを受け取り、ソファに座る。


「今日は久しぶりの学校だったけど、いつも通りだったな」


「そうね。身体が冒険モードになってたけど、意外と切り替えられたわ」


 そんな他愛ないやり取りをして、マヨが本題に入る。


「それで、焔葬の遺跡の再挑戦の話なんだけど、明後日の土曜日に行こうと思うの。明日は最終調整に充てましょう」


 マヨの提案に、カタルシアがペンを置いて顔を上げる。


「賛成です。レベルも装備も整ってきましたし、あと一日あれば万全の状態で臨めます」


「やったー! また冒険だね!」


 ミリアが目を輝かせて飛び起き、尻尾を振った。


「そうだな。もう行けそうか。4人のレベル状況は、俺が46、マヨが33、ミリアが38、カタルシアが40か。よくよく見たら、ミリア、お前年不相応なレベルしてるよな」


 俺はみんなのステータスを確認しながら、そう呟く。


「ミリアちゃんは獣人ですし、レベル30くらいはすぐにいきますよ。まぁ、レベルが上がるにつれ必要経験値が指数的に上がるので、30から40はその倍の時間かかりますけどね」


 それに対し、カタルシアがそう答えた。


「まぁいいか。じゃあ、明日は最終確認ってことでいいな」


 俺はその説明に納得すると、話を切り替えそうまとめた。


「ええ。明日の放課後、街にある訓練場に行きましょう」


 マヨは満足そうに微笑む。


 こうして、炎の残滓獲得に向けた再挑戦の日程が正式に決まった。


 あと2日。俺たちは、レベル50のボスに再び挑む準備を整えるのだった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


ブックマークがいただけると、大変励みになります。



〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


マヨ:大魔ミルキーウェイ神皇国の第一皇女。性格は真面目だが、皇女として過ごしてきた反動で素が出る場面もある。意外と間が抜けている。


ミリア:獣人の少女。とても活発で食いしん坊。強い。


カタルシア:紫髪のエルフの少女。人間で言う14歳くらいの見た目。とても誠実で真面目。


ライオス:テンコのクラスメイトで、前期選抜首席の実力者。暑苦しいが、見た目に反して魔法使い。


アルト:テンコのクラスメイトで、ライオスの友達。風魔法使いらしい。


カイス:テンコのクラスメイトで、ライオスの友達。スキルの模倣は加護。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。