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『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第九章 覚醒者育成学院・天神聖書編

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第68話 天神聖書獲得計画

 焔葬の遺跡攻略失敗の翌日から、俺たちはレベル上げに勤しんでいた。


「行くわよ」


 ダンジョンでは、マヨが剣を構え先頭に立つ。ミリアも両腕に魔力を纏わせ、すぐに並んだ。


 俺は雷のオーラを纏い、牽制に回る。


「バフをかけます」


 そして、カタルシアが後方から静かに詠唱を始める。


 俺たちは、連携の練度も上げながら戦った。


「次はブラッドウルフが10体強か……いいね。早くレベルが上がりそうだ」


 レベル上げでは、まず火属性と相性のいいマヨが、優先的にレベルを上げるため率先して敵を倒し、俺たちがサポートする。


 講義で聞いた話では、バフをかけた相手が魔物を倒すと、バフ役にも通常の半分程度の経験値が入るらしいので、カタルシアも無駄なく経験値を稼げる仕組みだ。


「テンコ、後ろお願い!」


「オッケー!」


 俺は主に後方から雷を飛ばし、群がってくる個体を処理する。


 戦闘はテンポよく進んだ。倒した魔物からは魔石や素材を回収し、インベントリに次々と収納していく。


「順調ね。この調子なら、夏休み中には目標に届きそう」


 マヨが息を整えながら言う。


「やっぱりダンジョンは楽しいね!」


 ミリアは尻尾を振って満足そうだ。


 俺たちは戦利品を回収しながら、ダンジョンを探索していった。




 翌日。俺たちは、今度は魔物退治に向かった。


「『山の麓の集落に現れるブラックベアの討伐』……か。レベル30程度の大物らしいぞ」


「レベル上げにはうってつけの敵ね」


 そんな会話をしながら、魔物の被害に悩む集落に到着すると、早速調査を開始する。


「ここに足跡がありますね。魔力の残滓から、近くにいそうです」


 カタルシアが地面に残る大きな足跡を指差し、静かに分析する。


 足跡は明らかに熊のものだが、普通の熊とは桁違いの大きさと深さだ。


「慎重に行こう」


 そんな風に警戒しながら進んでいると、茂みが大きく揺れた。


「グルルルル……」


 やがて、低いうなり声と共に、黒い巨体が3体、同時に姿を現した。


 体長は3メートル近く。全身を黒い剛毛で覆い、赤い目でこちらを睨みつけている。


「コイツがブラックベアか」


「作戦通り行きましょう」


 そして、マヨの合図と共に戦闘が始まった。


 カタルシアが後方で両手を掲げ、バフを俺たち3人にかける。


 俺は一歩前に出て、雷のオーラを集中させた。


「雷魔法――」〔雷光〕


 ――バリバリ!!


 雷に打たれたブラックベアたちが、一斉に動きを止めた。


「グオォォォ!!」


 全身が痙攣し、スタン状態に入る。


 その隙に、。


「そこだ!」〔魔獣の爪〕


 と、ミリアが先頭のブラックベアの脇腹に深く切り裂いた。


 続けてマヨが間合いを詰め、


「水魔法――」〔激流突き〕


 と、技を放つ。


 ルミナスで見せた、魔法と剣技の混合技。水を纏った突きが、スタン中のブラックベアの急所を正確に捉える。


 ――ザシュッ!!


「ガアァァァ!!」


 ブラックベアは大きな断末魔と共に大きくのけぞり、そのまま地面に崩れ落ちた。


「1体倒したわ!」


 マヨが素早く後退する。


 しかし、スタンの効果が切れた残る2体が、激昂したように咆哮を上げた。


「ガアァァァッ!!」


 巨体を躍らせ、俺たちに向かって突進してくる。


「下がってください! 結界を張ります!」


 それに対し、カタルシアが即座に両手を前に突き出し、透明な防護結界を展開した。


 ――ドゴォォン!!


 ブラックベアの前脚が結界に激突する。衝撃で結界が大きく揺れる。


 だが、マヨは余裕の表情で、


「水魔法、最大出力――」〔溟海の荒津波(タイダルウェーブ)〕


 と、残りの2体もあっさり倒してしまった。


 山に静寂が戻る。


「ふぅ、倒したわね」


 マヨが剣を振り、水滴を払う。


「完璧な連携だったな」


「これで集落も安心ですね」


 そんな会話をしながら、俺たちは倒したブラックベアの魔石と素材を回収し、集落へと引き返すのだった。


 こうして俺たちは、ひたすらダンジョン探索や魔物退治を続けた。


 レベルは着実に上がり、資金もそれなりに貯まっていった。




 数日後。俺たちは王都の装備屋を訪れる。


 店内にはさまざまな防具や武器が並び、冒険者たちが品定めをしている。


 俺たちがカウンターに近づくと、40歳くらいの店主の男が顔を上げた。


「いらっしゃい。何をお探しで」


「火属性に耐性のある装備を探しているんですけど……これよりも良いものはありますか?」

 

 マヨはそう言いながら、自分が着ていた防具を軽く示した。


 俺とマヨとミリアで最初に行ったダンジョンにいた、ドラゴンのウロコで作られた軽装だ。


 それを見た店主の目が、大きく見開かれる。


「こ、これは――竜鱗《ドラゴンスケール》!? しかも"黒"だと!? 一体これをどこで……」


「ミルキーウェイ皇国のダンジョンでたまたま拾ったんですよ」


 驚く店主に、マヨは自然な調子で誤魔化した。


 ミルキーウェイの装備屋でも同じようなやり取りがあったので、ボロは出ない。


「……なるほど、ミルキーウェイか。あそこは竜の起源が眠るとされている地。ダンジョンのアイテムにドラゴンのウロコがあってもおかしくないか」


 店主はマヨの説明に納得して腕を組み、感心したように防具を眺める。


 そして、


「こんなに良いものを持っているんだから、これにひと工夫加えた方が得策だな」


 と、続けた。


「と、言いますと?」


 俺が聞き返すと、店主は説明を始める。


「そのドラゴンのウロコは、元々火属性に強い素材だ。そこに特殊な魔法印を刻印すれば、十分に上級アイテムになる。むしろ、今まで特殊効果も付けずに、普通のプレートとして使っていたのが勿体ないレベルだな」


「装備に特殊効果を付与する……か。確かに、考えてもみなかったわ。それ、お願いできますか?」


 店主の説明を受け、マヨは装備の強化をお願いした。


 それを聞いた店主は、


「もちろん、任せてくれ。こんな上物を手掛けるのは久しぶりだ。少々時間がかかるが、なるべく早く仕上げるよ」


 と、少し興奮気味に言う。


 そうして、マヨとミリアは店主に防具を預けることにした。


 一方、カタルシアは新しく火属性耐性のあるローブを選んでいた。


「テンコさん。これ、どう思いますか?」


「う〜ん。人前で大した解析はできないけど、かなりカタルシアに合ってると思うよ。見た目も青系統の色で、似合うと思う」


「ありがとうございます。じゃあ、これにしますね」


 カタルシアが購入したのは、薄手で動きやすく、深い青色の生地のローブだった。


 特殊効果に火属性への耐性と、魔導補助、魔力出力上昇が付いているかなりの優れもので、尚且つ手頃な価格。


 それからしばらくして、防具の刻印が完成する。


 完成した防具を受け取ると、マヨとミリアはすぐに着用して感触を確かめる。


「特殊効果は、熱耐性と火属性攻撃への30%のダメージ軽減だ」


「すごいわ。夏なのに、これを着ただけでスーッとする……かなり熱耐性が効いているのね」


「これで炎の攻撃も少しは防げるね!」


 防具を着用して、マヨとミリアはご満悦だ。


「兄ちゃんは、何も買わなくていいのかい?」


 そんな中、店主は俺にそう尋ねてくる。


「あ、あぁ、俺はいいんですよ」


(素で全属性耐性に加えて、耐久力とHPも桁違いだから要りません、とは言えないな)


 俺は苦笑いしながら誤魔化し、そのまま店を出た。


 外に出た俺たちは、休む暇もなく次の魔物退治の依頼を受けるため、ギルドへと足を向ける。


「よし、装備も揃えたことだし……午後の魔物退治と行きますか!」


「「おぉー!!」」


 レベル上げと装備強化。再挑戦に向けた準備は、着実に進んでいた。




 それから月日が流れ、9月1日。新学期が始まる日。


 夏休みが終わり、学院に再び活気が戻る。


 朝の教室に足を踏み入れると、見慣れた顔ぶれがすでに席に着いていた。


「よぉ、テンコ! 久しぶりだな!」


 大きな声とともに、ライオスが手を上げて近づいてくる。後ろにはアルトとカイスの姿もあった。


「おう、ライオス。久しぶり」


「連絡がほとんどつかなかったから、心配してたんだぞ。夏休み中、何してたんだ?」


 ライオスが肩を叩きながら聞いてくる。


「ちょっと、レベル上げしてたんだ。結構がっつり」


 俺は少し考えてから、自然に答えた。


「ははっ! さすがだな。休み明け早々、気が抜けてない感じがするぜ!」


「まぁ、テンコって皇女一行の冒険者だし、当然と言えば当然か」


 相変わらず暑苦しいライオスの横で、アルトも納得したようにうなずく。


「僕も訓練はしてたけど、テンコほどじゃないだろうな」


「オレは山登りに行ったぜ!」


「俺は実家の手伝いをさせられたよ……」


「みんな、それぞれ有意義に過ごしてたんだな」


 軽い会話が続き、教室はいつもの空気に戻っていく。




 そして放課後。みんなが帰る準備をしているところ、俺はライオスたちのところへ歩み寄った。


「なぁ、ライオス。ちょっと自主練に付き合ってくれないか?」


「自主練?」


 ライオスが目を丸くする。


「あぁ。休み中に、ちょうど相性の悪い火属性の攻略をしてたんだ。アルトもカイスも、もしよかったら」


 俺がそう言うと、3人は顔を見合わせ、すぐににやりと笑った。


「いいぜ! ちょうど体が疼いてたところだ! それに、オレも休暇でパワーアップしてるからな!」


「俺も付き合うよ」


「僕も、自分の成長を見てみたいな」


 こうして、俺たちは学院の実技訓練場へと向かった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


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〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


マヨ:大魔ミルキーウェイ神皇国の第一皇女。性格は真面目だが、皇女として過ごしてきた反動で素が出る場面もある。意外と間が抜けている。


ミリア:獣人の少女。とても活発で食いしん坊。強い。


カタルシア:紫髪のエルフの少女。人間で言う14歳くらいの見た目。とても誠実で真面目。


ライオス:テンコのクラスメイトで、前期選抜首席の実力者。暑苦しいが、見た目に反して魔法使い。


アルト:テンコのクラスメイトで、ライオスの友達。風魔法使いらしい。


カイス:テンコのクラスメイトで、ライオスの友達。スキルの模倣は加護。

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