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『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第七章 覚醒者育成学院・青春編

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第52話 夢の学園生活

 学園生活2日目。今日は初めての授業がある日。


 記念すべき第一回目の授業は、『魔法基礎論』の講義だ。


「おぉ、たくさんいるなぁ」


 俺は、初日に仲良くなったライオスたちと講義室に入る。


 講義室は広く、既に100人以上が集まっていた。


 周りを見渡すと、マヨたちもいる。講義は魔法系と加護系、戦士とタンクのようにそれぞれ分野によって履修が異なるのだった。なのでカイスはいない。


「ここには低級から天星級までの魔導生得者が集まっているからな。ここにいる奴らは、全員ライバルだぜ!」


 ライオスはどこか興奮気味だ。


 それから適当な席に着き、授業が始まった。


 教授は紺色のローブを纏った、いかにも魔法使いらしい格好のおばさんだ。


「はじめまして。魔法基礎論の講師を担当します、『マステ・ペリトゥス』と申します」


 教授は一礼すると、講義を開始する。


「それでは、さっそく講義を始めたいと思います。まずは魔法理論の基礎の基礎。天恵七属性とその性質についてお話します」


 チョークを手に取り、大きな上下式黒板に文字を書いていく。


「皆さんご存知の通り、魔法には大きく7つの属性があります。五大元素と呼ばれる火、水、地、空、雷。超越元素と呼ばれる光と闇。この七属性が、全ての魔法の根幹にあります」


 俺は話を聞きながら、メモをとる。


「そして、この七属性よりそれぞれ派生したものを、派生属性と言います。七属性の中で、1番派生属性が多いのは地属性。植物、岩、土、火山……地属性の適性がある魔導士は、手数の多さが強みとなります。一方で、雷属性は派生がなく、単純に威力と速度に特化した属性ですね」


 教授は、黒板に属性ごとの派生例を次々と書き連ねながら、淡々と説明を続けた。


(カタルシアが地属性の魔導士だよな……確かに、カタルシアは手数が多くて強いな)


 俺がそんなことを考えていると、ライオスが隣で俺にニヤリと笑いかけてくる。


「お前は雷だったよな? 雷って、闇や光並に希少なんだろ? かっこいいよなぁ! オレは炎魔法だぜ? 量産型だ」


 俺は軽く肩をすくめて小声で返した。


「火や水はメジャーだって言うけど、結局魔法はどれも映えるよな」


 教授は黒板の端に『無属性魔法』と書き加えながら、話を進める。


「魔法には無属性魔法と呼ばれるものがあります。これは勘違いされやすいのですが、決して属性がない訳ではありません。無属性魔法は、どの属性の人でも使えるように改良された魔法であり、一般的に回復魔法や防御魔法、結界魔法、転移魔法があります。


 これらは回復なら光属性、結界や転移なら空属性のように、その属性魔法に適性のある者の特権だったのですが、時代が進み、魔導生得者なら誰でも扱える基礎魔法となったのです。詳しくは魔法史の講義で習うでしょう」


 教授ははチョークを置くと、魔法で黒板の文字を少し大きく投影させた。


「では、一旦おさらいをしましょう。天恵七属性には――」


 俺はノートに属性の名前と特徴を書きながら、内心で色んなことを考えていた。


(属性か……なんかRPGみたいだな。確か神聖魔法も同じなんだっけ? マヨは俺の〔創造者クリエイター〕と〔破壊者デストロイヤー〕の能力を、光と闇属性みたいっていってたなぁ……その辺よくわからんが、授業が面白いと感じたのは初めてだ)


 その後も講義は順調に進み、90分の1コマ目が終了した。




 それから2コマ目の『魔法史』の授業も終わり、昼休みに入った。


 講義室を出ると、ライオスがすぐに俺の肩を叩いてきた。


「よし、テンコ! 腹減っただろ? 食堂行こうぜ! 今日のスペシャルメニュー、絶対旨いからな!」


「まあ、いいけど……」


 俺がそう返すと、講義室の前で待っていたカイスも合流した。


「僕も行くよ。ライオスが言うスペシャルって、だいたい肉料理だよな」


 そうして4人で学院の中央食堂へと向かう。食堂はすでに多くの生徒で賑わっていて、トレイを持って並ぶ列ができていた。


 俺たちは適当に並び、今日の定食、グリル肉と野菜の盛り合わせにパンとスープを選んで席を探した。


 窓際の4人掛けのテーブルに座ると、ライオスが早速フォークとナイフを握って食べ始めた。


「うめぇ! やっぱりこの学院の飯は最高だぜ。テンコ、お前どう思う?」


 俺は一口食べてから、素直にうなずいた。


「うん、美味しいよ!」


 それから少し間をおいて、


「そういえば、ライオスたち前期組はもう食べたことあるんだったな。気になってたんだけど、なんで前期後期に分かれてるんだ? 前期が成績優秀者とか?」


 と、質問をした。


 アルトがスープを飲みながら、軽く笑う。


「いやいや、むしろ逆だよ。知らなかったのかい? この学院ならではの風習で、最初に通常の選抜を行った後に、難易度を上げてより精度の高い試験を行うんだ。だから、むしろ後期組の方がエリートで、受けるのは各国の王族や貴族が多いんだ。


 まぁ、この制度の始まりは、6月に5歳の誕生日を迎える第一王子が学院に入れるようにした、王族のわがままだったらしいんだけど、今は『スキル天授の儀』を済ませないといけない。つまり、1月1日以降に5歳を迎えたら来年まで受けられないようになって、風習だけが残っちゃったって感じだね。本当はもうちょっと複雑らしいんだけど……」


「なるほど……この学院って、5歳から入れるんだな。よくわかんないけど、なんかすごいんだな」


 俺はそう言いながら、スープを一口飲んだ。


「スキルに覚醒するのが漏れなく5歳までだからね。この学院には5~9歳までの子たちが通う初等部もあるんだよ」


(あれ? だったらミリアはダメじゃね? 確か誕生日は秋だったよな……マヨの仕業か)


 どうやら9歳のミリアが正規学部に入れたのは、マヨが色々裏工作したかららしい。俺は苦笑いしながら野菜を口に運んだ。


「そうだ! だからオレよりも、後期選抜三席のお前のほうがすごいまであるぞ!」


 ライオスは豪快に笑いながら、肉を大きくかじる。そして、


「それより、お前さっきの講義で魔神王の話を聞いてどう思った?」


 と、俺に聞いてきた。


 俺は一瞬手を止める。


「どう思ったとは?」


「いやぁ、お前ミルキーウェイ出身だって言ってただろ? 詳しいのかと思ってさ」


 俺は少し考え込み、やがて口を開いた。


「正直、よくわからないんだよねぇ。魔法や加護を生み出したのは、世界を『維持』する竜天神だって話も今日初めて知ったし……本当に……よく、わからないんだよ」


 俺は言葉に詰まり、少し視線を落とすも、すぐに笑みを浮かべて話題を変えた。


「ぶっちゃけ歴史は苦手でさ。1コマ目の理論の方が、よっぽど面白かったよ」


 アルトがうなずきながらパンに手を伸ばす。


「そうだよな。俺も強さに直結する理論の方が好きだ。俺は空属性のハズレ派生系って言われてる風だけど満足してるし、研究と拡張を重ね、強くなっていくのが楽しいんだ。雷みたいに派生少ない属性は、純粋に威力で勝負できるのがいいよな」


 それを聞いてカイスは、


「いいよなぁ魔法は。強くなる手段がレベル上げ以外にあって……」


 と、少し嫉妬するように話した。


「いやそんなことないぞ! 加護系の能力は、レベル関係なくぶっ壊れな性能しているじゃないか! お前のスキルも、格上にだって通用する優れものだぞ!」


 それを聞いて、ライオスが身を乗り出してくる。


 続けて、俺に視線を向けた。


「なあテンコ。次の実技の授業、一緒に組もうぜ! 模擬戦で見たけど、お前近近接系だろ? 俺も近接だから、組んだら最強だぜ!」


「いや、近接は普通サポート系と組むんじゃ……」


 俺が苦笑すると、アルトがからかうように笑った。


「その通りだな。近接×近接なんて、いかにもライオスらしい脳筋構成だ」


 周りのテーブルからは他の生徒たちの笑い声や、講義の話題で盛り上がる声が聞こえてくる。食堂全体が活気に満ちていて、なんだか少し懐かしいような雰囲気だった。


 俺はスープを飲みながら、軽く息を吐いた。


「はあ……朝から講義2つで頭いっぱいなのに、昼もこんなに賑やかか。学園生活って、思ったより体力使うな」


 ライオスが大声で笑う。


「何いってんだ! これからが本番だぜ! 午後も頑張るぞ!」


 そんな会話をしながら、俺たちは昼食を楽しんだ。




 昼休み中盤。昼食を食べ終えた俺たちは、構内を散策していた。


「いやぁ、広いねこの学院。迷子になりそうだ」


 俺はキョロキョロと周りを見ながら歩く。周りには様々な種族がいて、想像通りの異世界の学園といった雰囲気が滲み出ていた。


「ここはフォルティス四学院の中でも特にデカいからな。当然だ!」


 ライオスは胸を張って答える。


「なんでお前が威張ってんだよ……」


 アルトはそんなライオスを横目に、ハハッと苦笑いした。


 それからしばらく歩いていると、大きな広間にでた。地面には赤いカーペットが敷かれている。


「ここは多目的スペースだね……」


 カイスがそう呟く。


 その広間の壁には、一枚の大きな絵画が飾ってあった。


 赤い貴族衣装を纏った、若くたくましい男性の肖像画だ。


「これは?」


「これはこの学院の創設者。『ホーン・メル・フォルティス』大公だよ」


 俺はその肖像画を見て、首をかしげる。


「あれ? なんか、どっかで見たような……誰だっけ?」


 そして、


「あっ、思い出した! グラディウス団長だ!」


 と、少し大きな声を上げた。


 それを聞いて、ライオスが大きくうなずいた。


「そう! この方は、帝国の英雄グラディウス・スト―フルの親戚に当たるんだ! まさかお前、グラディウスさんに会ったことあるんだな! あの人はフォルティスでも有名で、憧れている人が多いんだよ! オレもそのうちの1人だ!」


 ライオスにアルトも続く。


「確か、グラディウスさんの叔父の伯父のお父さんがホーン大公だったよね」


「だいぶ遠いな……」


「グラディウスさんは生ける伝説だ。ちなみにこの学院の卒業生でもあるんだよ」


 その話を聞いて、俺は目を丸くする。帝国最強とは聞いていたものの、そこまですごい人物だとは微塵も思っていなかったからだ。


「そうだったのか……知らなかったよ」


 みんなの反応を見ていると、その偉大さがひしひしと伝わってきた。


「僕たちも、いつか英雄と呼ばれるようになりたいな!」


「おう! オレたちならやれるぞ!」


 カイスの言葉に、みんなは同意する。


「ということで、まずは午後の実技で特訓だ!!」


「「おー!!」」


 やがて昼休みも終わりに近づき、俺たちは教室へと戻っていった。


(みんなとご飯食べたり、話したり……目標を共有して共に歩んだり……あぁ、これが青春かぁ)


 道中。俺はそんなことを考える。


(これが俺の求めていた、夢の学園生活だ!!)


 ついに幕を開けた学園生活は、さらなる刺激と共に俺を歓迎した。


 この学園生活を経て、どのように世界が変わるかは、これからのお楽しみ。新たなストーリーに、俺は静かに胸を高鳴らせていた。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


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〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


ライオス:テンコのクラスメイトで、前期選抜首席の実力者。暑苦しいが、見た目に反して魔法使い。


アルト:テンコのクラスメイトで、ライオスの友達。風魔法使いらしい。


カイス:テンコのクラスメイトで、ライオスの友達。スキルの模倣は加護。

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