表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第三章 バグの脅威編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/55

第21話 緊急会議

「それで……あなたたちは何者なんですか?」


 馬車に乗り街に戻っている途中、俺は助けてくれた3人組に正体を尋ねる。


 すると、剣士の男が口を開いた。


「あぁ、オレたちは王国騎士団だ」


「お、王国騎士団?」


「正式には『マゼラン王国特別精鋭騎士団』。オレはその団長をやってる」


「え、だ、団長さん……?」


 その自己紹介を聞いて、俺が驚いていると、


「団長って……ぐ、グラディウスさんですか!?」


 と、マヨが声を上げた。


「おぉ、マヨ様、憶えてくださっていたんですね」


「鎧姿しか見たことなかったから気づかなかったわ」


 どうやらマヨは、この団長のことを知っているらしい。


「どんな人なの?」


「グラディウスさんは、『聖なる武神』の二つ名で知られる帝国最強の剣士。十数年前、帝国の同盟国が戦争にあった際にその国を救った英雄よ」


「よしてくださいよ、英雄だなんてぇ。もったいないお言葉です」


 グラディウスはマヨの紹介を聞いて、まんざらでもない様子。


「そ、そんなにすごい人なんだ。それで、他の2人は……」


「俺は副団長のソールだ」


 俺が視線を向けると、それに応えるように槍士の男が短く話す。


 それに続き、


「私は副団長兼『伝導騎士部隊』の隊長を務めているフリールよ」


 と、魔法使いの女も自己紹介をした。


「そ、そんなすごい人たちがなぜこんなところに……?」


 自己紹介を聞いた俺は恐る恐る尋ねる。だが、本当はなんとなく察しがついていた。


「それは――」


 グラディウスが、少し表情を引き締めて話し始める。


「見ての通り、つい先程バグの予兆が確認された。それについての緊急会議の招集がかかり、君たちを探しに来たってわけだ」


「ちょうどマヨ様も来ていることだし、王様からマヨ様にも会議に出て欲しいと伝言を預かっております」


「なるほど……それで探しに来たら、たまたま俺たちがピンチだったと言うわけですか」


 俺は納得したようにうなずく。そして、やはりあの暴走がバグの予兆だとわかり、馬車内の空気が一気に重くなった。


「まさか、冒険を初めてから3週間足らずで……」


(初日のフラグを回収したな……)


 俺は初日のマヨの発言を思い出し、心の中でそう呟く。


 それから、グラディウスは話を続ける。


「今回の予兆発生は異常だ。ちゃんとした記録が残っているここ3000年の歴史を振り返っても、バグ発生から次の発生まで、最低3、400年は間隔があった。


 しかし、今回の発生は前回からたった130年ほどしか経っていない」


 グラディウスの真剣な表情が、今回の事態の深刻さを物語っている。


「バグ……まさか生きて立ち会うことになるとはね。長年調査は進められているけれど、原因は不明。既存の魔法理論では説明がつかない現象ばかりで、もうお手上げよ」


 それからフリールも続き、ハァーッとため息を着く。


 そんな中、ソールが静かに口を開いた。


「唯一わかっているのは、バグ発生時に現れるエラーとゴーストの倒し方だけだ」


「倒し方……? あぁ、気になってたんです! 俺たちではダメージを与えられなかった魔物を、どうやって一撃で倒してのか」


 ソールの言葉に、俺は少し食い気味に質問する。


 ソールは少し間を置き、ゆっくりと話し始めた。


「さっきのアレは通称エラーと呼ばれ、ゴーストと同じく実体がないが干渉はできるという、とても厄介な敵だ。だが、そんな奴らにも弱点がある。それは、『コア』と呼ばれるヤツらにとっての心臓だ。そこだけは実体があり、破壊することで倒すことができる」


(なるほど。つまり、当たり判定が小さいだけで無敵ではないのか)


 ゴーストは無敵ではないと知り、俺は少しだけ心が軽くなった。




 さて、そんなことを話していると、街に戻ってきた。


 王宮に着くと、そこにはたくさんの馬車が並んでいる。


「さぁ、詳しい話は王宮で話しましょう」


 フリールがそう言うと、みんなは馬車を降りて王宮の会議室に向かった。


 王宮内は、どこか重い空気が流れている。


 やがて、俺たちは王宮の地下の奥深くにたどり着く。


 重厚な扉を2つ抜けた先にある会議室は、張り詰めた空気に包まれていた。


 円卓を囲むように、マゼラン王国の重臣、王国騎士団の上級騎士、伝導士たちがずらりと立っている。


 そして、椅子には既に3人ほど座って待っていた。


「遅くなって申し訳ありません」


 グラディウスはそう言うと、円卓の椅子に座り、ソールとフリールもそれに続く。


 俺たちからはマヨが代表として椅子に座り、会議が始まった。


「改めて集まってくれて感謝する」


 中央の少し高く設えられた椅子に座っていた国王ライトが、静かに口を開いた。


「今回の議題は、皆さんご存知の通りバグの予兆発生についてです」


 その言葉に、重臣たちの表情が一斉に引き締まる。


「本日未明、この王国を含めた6ヶ国でバグの予兆が確認されました」


 そう言って、ライトは視線をグラディウスへ向ける。


「詳細をグラディウス騎士団長、お願いします」


「はっ」


 ライトの右隣に座っていたグラディウスは立ち上がると、引き締まった声で報告を始めた。


「この度、王都ベガ南西部で、団員が最初のエラー出現を確認しました」


「被害はあったのか?」


 ライトの左隣に座っていた、第一王子らしき人物が問う。


「市街地への被害は無し。小規模な交戦は発生したが、拡大は防ぎました。


 エラーについての詳細は、記録の通り内部に実体化した中核部位を持ち、破壊すれば消滅します。ですが位置は極めて不安定で、高度な魔力探知能力を持っていないと把握が困難です」


「なるほど。報告ご苦労だった」


 それを聞いて、ライトは眉をひそめる。


 グラディウスが話終わり席に着くと、ソールとグラディウスの間に座っていた黒装束の男が、スっと手を挙げた。


「どうした? クロウ」


 王子がその男に視線を向ける。


 黒装束の男――クロウは、立ち上がると低い声で話し始めた。


「今回のバグ発生は、かなり危険です。その理由は、このミルキーウェイ皇国の衰退がウワサされている今、帝国が被害を受けたとなれば、その隙を狙って敵国が攻めてくる恐れがあるからです」


「なるほど……確かにそれは盲点だった」


 クロウの鋭い指摘に、ライトは真剣な表情で手を顔の前に組んだ。


 クロウは続ける。


「現在、我々『影騎士部隊』が各国の動向を伺っておりますが、今のところ不審な動きは見られません。ですが、これは時間の問題かと」


「これは予想以上の緊急事態ですね」


 クロウの話を聞き、フリールはそう言って視線を伏せた。


 そしてしばしの沈黙の後、マヨが口を開く。


「周期の短縮についてはどうお考えでしょうか?」


 その問いに、ライトは重くうなずく。


「記録上、バグの発生間隔は最低300年。だが、今回は前回から約130年しか経っていない」


「明らかに異常だね」


「前提のない初めての状況……今後何が起きるかわからないわね」


 マヨの言葉に、会議室の空気がさらに張り詰めた。


「最も警戒すべきはアレスの発生だな。記録によると過去に二度発生しており、一度目は魔神王の一柱がいると言われている、ビーステリア帝国の軍隊によって倒されたが、二度目は2ヶ国が滅んでいる」


「考えたくもないですね」


 王子の言葉に、ソールがため息をついた。




 それから会議は続き、今回の報告を一通り確認した後、


「――今日の会議は、ひとまずここまでとしよう。情報はまだ不足している。憶測で動けば、無用な混乱を招くだけだ。明日、正式に帝国の代表と合同で協議会を開く」


 と、ライトが告げる。


「帝国直々、ということですか」


 王子が確認するように言うと、ライトはうなずいた。


「うむ。バグの可能性、これは一国だけで抱える問題ではない」


 その言葉に、重臣たちも黙って同意を示す。


「本日集まった者たちは、各自持ち場に戻り、警戒を強めてほしい。騎士団は王都周辺の巡回を倍に、伝導士たちは探知網の再構築を急ぐのだ」


「「はっ」」


 それを合図に、会議は解散となり、重臣や騎士たちが次々と重い足取りで部屋を後にしていく。


 俺たちもその流れに従いながら、胸の奥に広がる嫌な予感を押し殺していた。


(バグ……何もわからなかった。なんの力もない俺は、どう立ち回ればいいんだ……)


 話を聞けば聞くほど、事態は想像以上に大きい。


 会議室を出る直前、グラディウスがこちらを見て小さく笑った。


「巻き込まれたな、少年」


「……そうみたいですね」


 俺はそう言って、どこかぎこちなく笑い返す。


 心に大きな不安を抱えたまま、俺は静かに王宮の廊下を進んでいった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


ブックマークがいただけると、大変励みになります。



〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


マヨ:大魔ミルキーウェイ神皇国の第一皇女。性格は真面目だが、皇女として過ごしてきた反動で素が出る場面もある。意外と間が抜けている。


ミリア:獣人の少女。とても活発で食いしん坊。強い。


カタルシア:紫髪のエルフの少女。人間で言う14歳くらいの見た目。とても誠実で真面目。


ライト:マゼラン王国の国王。優しく真面目な性格をしている。


グラディウス:帝国の英雄と言われる剣士の男。マゼラン王国騎士団の団長。身長178cm。


ソール:寡黙な性格の槍士の男。マゼラン王国騎士団の副団長。身長174cm。


フリール:お姉さん気質な魔法使いの女。マゼラン王国騎士団副団長兼伝導士部隊隊長。身長171cm。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ