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『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第三章 バグの脅威編

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第20話 予兆

 翌朝。俺たちは予定通りにチェックポイントへと向う。


 メイドに連れられ王宮の地下を奥へと進み、そして巨大な扉の前にたどり着いた。


 扉には大きな魔法陣のようなものが描かれている。


「この先にチェックポイントがあります」


 案内人はそう言って扉を開けると、その奥に巨大な青紫色に輝く宝石のようなものが現れた。


 その石は浮いており、下に複雑な紋様の魔法陣が淡く光っている。


「おぉ~、雰囲気あるなぁ~」


「宝石みた~い!」


「綺麗ですね~」


 初めて見る古代と近代の混合技術に、俺たちは感動した。


 そして、チェックポイントの前まで来ると、メイドが説明を始める。


「それでは登録を始めます。登録の方法は簡単で、チェックポイントの前にあるこの石板に10秒ほど手を置いていただくだけです」


 説明が終わると、


「最初はどなたから登録されますか?」


 と尋ね、みんなはそれぞれ意見をまとめた。


「あたしやりた~い」


「そうだな、俺は最後でいい」


「では、私は2番目ですね」


 順番が決まり、ミリアから登録に向かう。


「ここに手を置いてください」


 ミリアが石板に手を置くと、当たり前のようにステータス画面のようなウィンドウが現れ、登録中の文字とプログレスバーが表示されている。


 そしてプログレスバーがいっぱいになると、登録完了の文字が表示された。


「これで登録は完了となります」


「やった〜!」


「次はカタルシア様ですね。どうぞこちらへ」


 ミリアの登録が完了し、次にカタルシアが登録をする。


「近代技術の最高峰を目の当たりにすると、なんだか緊張しますね」


 カタルシアはそう言いながら、すぐに登録を済ませた。


 2人共テンポよく登録を終え、いよいよ俺の番が回ってきた。


「最後は俺だな」


 俺はそう言って石版に手を置く。しかし、ここで予想外のことが起こった。


 表示された画面には登録済みの文字。


「あれ、テンコ様は既に登録済みになっておりますね」


「なッ!?」


(しまった! こうなることを想定してなかった!)


 俺は近代技術という言葉に油断して、ベースが古代魔法であることが頭から抜けていたのだ。


「あれ、え、こ、これは……」


 俺が予想外の自体にキョドっていると、


「失礼しました。以前登録した際に、一緒に登録したのを忘れていました」


 と、マヨがフォローしてくれた。


 俺は心の中でナイス!と呟く。


「そうでしたか。こちらの確認不足で――」


「いえいえ、忘れていたこちらに非があるわ。とにかく、今日はありがとうございました」


 マヨはボロが出ないうちに話を切り上げると、その場を後にした。




 王宮を離れると、俺たちはこの街の冒険者ギルドへ向かった。


「そういえば、チェックポイントって登録済みのものしか使えないんだよな。だとしたら、ミルキーウェイのを使うには戻らないと行けないのか?」


 道中、俺は気になっていたことを質問する。


「いや、その必要はないわよ。姉妹国同士はどれか1つでも登録すれば、その全てで登録完了になるの。だから、私たちはここからミルキーウェイに飛べるし、もう1つの従属国『アンドロメダ魔王国』にも行けるわ」


「なるほど、そういうシステムなのかぁ。ますます便利だなぁ」


「アンドロメダもいい所ですよね。いつかみんなで行ってみたいです!」


(ミルキーウェイにマゼランにアンドロメダ……どうやらこの帝国全体が宇宙モチーフのようだな)


 そんな話をしていると、すぐに冒険者ギルドに着いた。


 ガチャッと扉を開け、中に入る。


「おぉ~、すごい量の依頼だな」


 中に入ると、俺は掲示板に貼られた大量の依頼書に驚く。


「まぁ、大森林が近くにあるし、ベガではそこまで問題になっていないけれど、接する集落や街での魔物の被害も大きいのよ」


 マヨはそう言うと依頼書を一つ手に取り、


「依頼は少し軽めのにしましょうか。今日は移動もあったし」


 と、提案してきた。


「どれどれ、『郊外の森林に出没するワイルドドッグの討伐』……なるほど、報酬も悪くないし、ちょうどいいかもな」


「ワイルドドッグは、最初にあったブラッドウルフより少し強いくらいだから、いい運動にはなるわよ。」


 俺たちは依頼を受理し、街を出て目的の場所へ向かった。




「そろそろ縄張りに入ったはずよ」


 森に入ってしばらくすると、マヨがそう告げた。


 ワイルドドッグは大型犬ほどの大きさで、集団で行動することが多いらしく、知能は低いが数が揃うと厄介な魔物みたいだ。


「あっ、何か足音が聞こえるよ」


 森を進んでいると、ミリアが小声で言う。


「何匹いるかわからないから、慎重にいきましょう」


「そうですね」


 俺たちが警戒していると、魔物気配を感じた。もうすぐそこまで来ているらしい。


「ガルルル――」


 そして気配と唸り声が段々近づいてきて、ついに黒褐色の毛並みをしたワイルドドッグが姿を現した。


 鋭い牙を剥き、こちらを睨みつけている。


「よし、行くぞ!」


 俺たちはすぐに戦闘に入った。魔物はザッと十数匹はいるようだ。


「耐久強化魔法をかけます!」


 カタルシアが魔法でバフをかけ、俺たちは群れへと突っ込んでいく。


〔ライトニングソード〕〔魔獣の爪〕〔ウォータースラッシュ〕


「私も援護します!」〔ロックバレット〕


 俺たちは流れ作業のように魔物を倒し、カタルシアも石の弾丸で援護している。


 そして、見事な連携であっという間に魔物を倒してしまった。


「ふぅ、ちょっと物足りなかったわね」


「お前、割と野蛮だなぁ」


「よ~し、コイツらから資源を剥ぎ取ろう!」


「ミリアまで口が悪くなって……」


 倒し終えると、みんなは資源を回収し始める。


 俺は、はぁ~っとため息を付いて、資源集めを手伝いに行った。




「なんか光る宝石みたいなのあった~!」


「あぁ、それは魔結晶ね。魔物の体内で魔力が凝縮され、それが骨や筋繊維と結合して固形化したものよ。結構珍しいくて、高く売れるかも」


「そんなものもあるのか。」


 俺たちは資源を集め、最近手に入れた俺のスキル〔インベントリ〕に収納する。


 青黒く渦巻く穴に、俺たちは資源を放り込んでいく。


「結構いっぱいあるなぁ。大型犬16匹分の資源が、インベントリに入り切れるのか?」


 そんなことを言いつつ、俺たちが順調に資源を回収していると、突如として異変が起こった。


「……ん?」


 なんと未解体の魔物数匹から、ビリビリとグリッチが発せられ始めたのだ。


 そして、間もなく奥から別のワイルドドッグが数匹現れた。こちらもグリッチのようなものを纏っている。


「な、なんだ!?」


「なんだか……様子がおかしいわ」


 俺たちが戦闘態勢に入った次の瞬間、


「ガ……ガガ……」


 と、ノイズのような声を発し、体がカクつくように跳ね、まるでコマ送りのような動きでこちらへ突進してきた。


 理性のない虚ろな目、ただ壊れて暴走した機械のような突進。


(この感じ……なんだ……)


 俺の胸の奥がざわつく。俺は不思議な感覚に囚われ、魔物の攻撃の手前でボーッと突っ立っていた。


「テンコ!」


「ッ!?」〔ライトニングソード〕


 だがマヨの声で我に返った俺は、反射的に剣を振るい、魔物の動きを止める。


 しかし確実に斬ったはずなのに、一瞬映像が乱れるようにブレた。よく見ると、傷はついていない。


「……回復、じゃない。もしかして、これは…バグの……予兆?」


 マヨの声が震える。その恐ろしいセリフに、俺もカタルシアも固まってしまった。


「嘘だろ……まだ全然対処できる状況じゃないぞ……」


「来るわよ! 全員構え――」


 マヨの警告が終わるより早く、グリッチを纏ったワイルドドッグが一斉に飛びかかってきた。


 動きは異常に不規則で、まるでラグくなったゲームの敵が、カクつきながら瞬間移動しているかのようだ。


「くっ、当たらねぇ!」


 俺の剣は軌道を読めず、空を切る。


「拘束魔法が効きません!」


 カタルシアが援護をするも、全く効き目がない。


「ここはあたしが……」〈魔獣の爪〉


「ミリア!? 危険よ!!」


 そこで魔物を止めるべくミリアが飛び出すも、魔物に触れた瞬間、バチィッ!!っと弾かれてしまった。


「きゃぁ!?」


「大丈夫か!?」


「痛ぁ〜い」


 弾き飛ばされたミリアは受け身がとれず、ズサーッと地面に倒れてこんでしまった。


 その後も攻撃を避けながら、反撃するもイマイチ効果がない。


「くそっ! どうやったら倒せるんだ? マヨはなんか知らないのか? 俺の解析は【Error】としか表示されねぇ」


「私は学校に行ってないから知らないわ。そもそもバグと戦って生き残った人が少ないから、対処法も広くは知られてないのよ」


(学校……?)


「と、とにかく逃げるぞ!」


 そんなやり取りをしていると、俺は木の根に足を引っかけて、体勢を崩してしまった。


「しまっ――」


 そんな俺に魔物は躊躇なく飛びかかってくる。


 俺がもうダメだと思った次の瞬間、


 ――ズドンッ!!


 という爆音と共に、ワイルドドッグの一体が吹き飛んだ。


「遅れて悪い! 加勢する!」


 俺たちの前に現れたのは、剣を構えた屈強な男と、槍を持つスラッとした寡黙な男、そして後方で魔法陣を展開する美麗な女の3人組だった。


「エラーだ、気を抜くな!」


 剣士の男が前に出て、突進を真正面から受け止める。


「耐性強化魔法をかけるわ!」


「よしっ! いくぞ!」


 女の声と同時に、剣士と槍士は一斉に駆け出す。


 そして、呆気なく全ての魔物を倒してしまった。


 魔物は悲鳴も上げず、少しノイズを発しながら静かに崩れ落ちた。


「……助かった、ありがとう」


 俺が息を整えながら言うと、剣士の男は軽く笑って、


「大したことねぇよ! それより、早く街に戻ろう。話はそれからだ」


 と言った。


 俺たちはその男の言う通り、ひとまず街へと向かう。


 これから俺たちにどのような運命が待ち受けているのか、この時は考えたくもなかった。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


と思ったら、ぜひ☆☆☆☆☆評価、感想で応援お願いします。


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〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


マヨ:大魔ミルキーウェイ神皇国の第一皇女。性格は真面目だが、皇女として過ごしてきた反動で素が出る場面もある。意外と間が抜けている。


ミリア:獣人の少女。とても活発で食いしん坊。強い。


カタルシア:紫髪のエルフの少女。人間で言う14歳くらいの見た目。とても誠実で真面目。

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