24
色々手順をミスってしまい、急遽工事後のupを考えていた続きをupすることにしました。
色々お見苦しい点が有り申し訳ありません。
「ふむ? ロックはあれだな……」
収穫祭の夜、遺跡に集まった私達はクライスに反応して開いた石造りのドアを潜ると
師匠は扉の右端をみて呟くように言った。
「カイは……風か」
「お判りになるのですか?」
師匠の呟きにクロエが驚いたように師匠を見ると
「何だ、アイシャは判らなかったのか? 修行不足だぞ?」
「返す言葉も無いですね、確かに、師匠に言われてやっと気がつきました……」
修行不足を目の当たりにして軽く反省しつつその仕掛けに目をやると
「僕には気の質すら良く判らないんだけど……」
私の後ろでクライスがため息混じりに呟いた
「成る程、此処の体質は想像以上と言うことか、私の頃の剣術師の修行は光以外の気も認識くらいは出来る位には教えてたんだが……」
扉の仕掛け、それは風の魔力と何かを組み合わせたように見える、師匠によると混ざっているのはカイ自身の血。
自らも術士であるシラーとクロエはその仕掛けを判っていたが、自らに魔力の無い剣術師である私達には見落としがちな点で、けれど流石に師匠の感覚は桁が違う。
「少し下がっていろ」
師匠はそう言って私達を下がらせると、剣を構え
「……ふんっ」
気合いと共に軽く扉を剣でなぞると
ガンッ!!!
目の前の扉が音を立てて閉まり
「……っ」
真っ暗になった室内に、シラーが光球を飛ばしてくれて漸く辺りが見回せる
「師匠! 扉を閉めるならそう言って下さい、それに扉、これ開くんですか?」
この師匠は腕も能力もずば抜けてはいるが、いかんせん大雑把で、昔から一緒に行動すると何故か理不尽な苦労をしたのを思い出しそう言うと
「あ~、ロックだけのつもりだったんだがな、やっぱ閉まるか」
「え…? では、あの?」
師匠の発言に軽く顔色が悪くなったクライス
「大丈夫だ、最悪出ることは問題ない、師匠ならこの位の扉は切れる……ただ、師匠? まさか出る方法くらいは考えてロック壊したんですよね」
「当たり前だ、ここにこれだけ優秀な術士が二人も居るんだ、術で開く扉なら、風じゃ無くてもコントロールは可能なはずだ」
「又、そういう大雑把な……」
「大丈夫だ、アイシャ、グエィン師がロックを壊したときに壊れる魔術の流れが見えた、元々これは力に反応する扉なんだろう、それにカイが自分の血でロックを掛けた」
「ほう、中々優秀だ」
シラーが扉を指でたどりながら冷静に分析をすると満足そうな師匠。
そういえば、この人はそうやって人を試す人の悪いところがあった
「確かに、この内部で確認作業をするのでしたら扉は閉めておいた方が良いでしょう、術の構造が判れば私でもロックを作る事は可能です、大丈夫ですよアイシャ」
クロエにも重ねてそう言われて、ちらりと横目で師匠を見ると面白そうな顔をしてうなずいている様子に、どうやらお眼鏡にかなったようだと息をつく。
「では、クライス、この像に光を打ち込んでみてくれないか?」
「え?僕で良いんですか?」
「術士が直接注入するのはやめた方が良いと聞いているしな」
この実験の前日、再度シラーの部屋で打ち合わせをした。
目的はルーニアと師匠の顔合わせと、カイの私物から得た情報についてだったから、私に渡された情報は少なかった。
けれども、今この遺跡は力を注がれて居ないために飢餓状態であり、術士が直接力を入れると暴走の危険があると言うことで、身に魔力を持たない剣術師が介した方が良いという話は私の耳にも入っていた。、
遺跡内部のホールには、六体の円陣を組む見慣れぬ神々と中心にたたずむ女神と思われる彫刻が並んでおり、その入り口にほど近い像を指されてクライスはそれに対峙すると、静かに剣を抜き、像の土台に向けて剣を突き立て魔を退治するときのように光を注ぎ込む。 クライスの補充はエストや師匠と同じく剣を持つ右手。
通常剣術師は、手か瞳か髪に光が溜まる人間が多いといわれ、その理由は明らかでは無い、私も彼らのように瞳や手であればこの様に伸ばす必要も無いのだがなと考えていると
「ふむ……中々純度が高い、悪くないな」
隣で師匠が呟くように言うのに
「クライスも若手ではトップクラスと言われていますからね」
そう、付け加えると
「成る程、そして私の弟子は、長いこと下級クラスに燻っていた上に、他人にポイントを流されてた…と、友人には恵まれていたようで何よりだ、クライス、それくらいで良いだろう」
師匠はさらりと早耳な所を披露して、次の彫刻へと移る。
一体誰がと思ったけれど、考えれば此処には師匠を慕う人間は多い、少し挨拶に回るだけで幾らでも私の噂など入るだろうとため息をついていると
「アイシャ、隣の闇、入れるか?」
そう言われて慌てて師匠の指す彫刻に足を向けた
「ふむ…、使い方は忘れてないみたいだな」
師匠に言われてほっと息をつく
「忘れるのは嫌でしたからね、そのせいで采配に疎まれてポイントの横流しされましたが」
「ほぉ、疎まれた原因は、それだけではないんじゃないか? なんて話も聞いて居るがな?」
……本当に誰がこう師匠に余計なことを言っているんだろう。




