16.冒険と生活の日々、サキ・マリ・アッキー
16話と17話は対なので、続けて投稿します
自分のパソから本文をcopyコマンドで写してきて、それをプレビューで見直して行替えと読み仮名入れを修正し
何度か読み直して表現をチェックしてから投稿する手順を踏んでいるので、1回の投稿に1時間近くかかる場合もあります
すっかり遠慮のない仲となった5人は、信頼というのとは少し違うかもしれないが、協力して当面の問題を乗り切って行こうという気持ちになった。
まず最初は、それしか考えられなくなっているアッキーを何とか受付嬢にたどり着かせ、冒険者登録できるようにしようということに。
限られた予算の中だ。いきなりポーションを売って稼ごうと思っても、街門で持ち物をチェックされているから、どこに持っていたのだ、盗んだのか、となりかねない。
マッサが自分のリュックに入れていたグレイのつなぎをアッキーに貸すことにした。3連休で実家に帰っていて、リュックに入っていたらしい。
作業着をちょっとダサいと思ったアッキーだったが、資金不足だ。仕方がない。
サキが預かっていた剣と盾、胸当て、皮手袋に膝下丈のブーツを装備すれば、冒険者に見えなくもない。剣と盾に拘って高いのを選んだのだろう、胸当てとブーツは飾り気のない革製だ。
サキによれば、さらに兜を選んでいたそうで、ここで止めなければ転移の費用がなくなっていたらしい。
危なかった。
ランダムで絶海の孤島とか、密林のど真ん中に飛ばされていたら、ジ・エンドだったろう。
サキは役柄上大き目のバッグを持っていても不自然ではなかったから、着替えた服と靴を入れたボストンバッグを持っていた。ストレッチパンツ、Tシャツ、長め丈のジップアップパーカーにスニーカーに着替えてきた。容量大き目のザックを背負って杖の一本も持てば、不自然ではない程度の荷物運び兼補助職に見える。
紺のロングドレスはすごく似合っていたのだが、化粧とヘア、そして体の動かし方を真似て役柄を作っていたらしかった。結っていた髪をほどきゴムでひとまとめにすれば、日本ならどこを歩いていてもこれと言って目立つところがない女性だった。
サキによれば、日常的な個性が強くない方が役柄を表現しやすいとか。
マリは、ピンクのフリフリワンピで堂々と公共交通を使って広場まで来たそうだ。照れたら負けよ! とのこと。
職業は魔法使いで、魔法少女を目指してポイント交換したものの、対物理・対魔法反射効果の付いた銀色のマント、かわいい系に拘ったピンクの宝玉が付いた魔法杖・魔法効果増幅機能付き、このふたつで850ポイントをつかってサキに止められ、魔法使いの職能と、防御魔法、風と氷結の攻撃魔法しか交換できていない。
残念無念だったとのことで、金貨を溜めてポイント交換してもらうのよ~と気合を入れている。
どこがアッキーと違うの? と突っ込みたいところだが、そこはそれ似た者同士? ちょうどいい四文字単語に、同族嫌悪、とか言うのもあるし、なんだったら同病相憐むでもそう違っていないかも。
装備が整うや否や突進するアッキー、待ちなさい!と言いながら追いかけるマリ。頭を抱えるサキが後ろから走って行く。
3人組は何とか無事に冒険者登録を済ませ、次の日から乗合馬車で20分ほどの所にある迷宮にトライすることになったのだった。
登録チーム名は、同じ広場から来たコスプレイヤーにすぐわかるように、フォッシャーズ、となった。もちろんアッキーは大反対で、アポカリスとかラストリゾートとか喚いていたのだが、金貨の力でねじ伏せられた!
「まずは、1階で魔法の練習よ、アッキーはスライム倒してなさい!」
サキの説教を食らっている。冒険者登録でさんざん迷惑をかけて受付嬢に離席・放置されそうになったアッキーは、大人しくうんうん言いながら首を上下させている。
フォッシャーズの冒険と探索の物語は、別編で語られます
ただ、彼らの冒険者としての日々は比較的短く、マッサの生き方に影響されて、ファッションとデザインの世界に回帰します




