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獣人世界で引き取られた僕の人生が、なんだかおかしい方向に進んでいる  作者: たのしい暮らし
第1章 人間と白獅子

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6/10

第6話 人間、図書室で学ぶ

 制服が届いた翌朝、ルカスは朝食を終えるなり図書室に直行した。


 試験まで、まだ数日ある。その間にできることをしておきたかった。


 教材を脇に抱えて、窓際の机に座る。


 まず一冊手に取って、解析をかけてみた。


『解析』


【解析】

 ▶ 題名:魔法概論・入門編

 ▶ 内容:魔法の基礎理論、魔素と魔力の関係、属性分類、スキルの概要

 ▶ 対象:初学者向け


(内容の概要まで出るのか)


 次々と解析をかけながら読み進めると、難しいはずの内容がするすると入ってくる。


(便利すぎる……)


 魔法概論を読み終えると、魔法史を手に取った。


『解析』


【解析】

 ▶ 題名:魔法史・基礎編

 ▶ 内容:魔法の歴史、各種族と魔法の関係、魔法体系の変遷

 ▶ 対象:初学者向け


 次に魔法陣基礎——


 そこで手が止まった。


 最初のページに描かれた複雑な図形に、目が釘付けになった。


『解析』


【解析】

 ▶ 題名:魔法陣基礎・第一章

 ▶ 概要:魔法陣の起源は精霊や幻獣との交信に使われていた文字。現代では術式の図式として使われている


(精霊や幻獣との……交信?)


 ページをめくったが、その話はそこで終わっていた。


(続きが書いていない……)

(もっと知りたいな)


 そこから先のページが、急に気になった。


 次々と解析をかけながら読み進めると、どんどん引き込まれていった。


「ルカス様」


 声がした。


 顔を上げると、扉の前にパンテラが立っていた。


「……いつから、ここにいらっしゃるのですか?」

「朝食の後すぐです」


 パンテラが部屋を見回した。机の上には開きっぱなしの本が何冊も積み重なっている。


「お昼の時間はとうに過ぎておりますが」

「え」


 窓の外を見ると、日が傾いていた。


(そんなに経ってたのか……)

「す、すみません、夢中になってしまって」

「お食事をお持ちいたします。少々お待ちください」


 パンテラが出ていこうとした時、廊下から少し焦っているレグルスの声が聞こえた。


「パンテラ、ルカスはどこへ行ったか知って——」

「図書室にいらっしゃいました。朝からずっと」

「朝から?」


 レグルスが扉から顔を覗かせた。


 机の上の本の山を見て、それからルカスを見た。


「……大丈夫なのか?」

「あ、はい!大丈夫です!魔法概論が面白くて読んでたら魔法陣の本も気になって、解析かけながら読んでたらどんどん先が気になって——魔法陣の起源って精霊や幻獣との交信に使われてた文字らしくて、でも本には続きが全然書いてなくて——あと試験に出そうなところをメモしてたら——」


 途中で、レグルスの表情が変わったのに気づいた。


 固まっている。


(あ、喋りすぎた……?)

「す、すみません、一方的に」

「……いや」


 レグルスが、小さく——本当に小さく、笑った。


「楽しそうだな」

「……はい」

「そういう顔をするんだな、お前は」


 顔が熱くなった。


「……知らないことをたくさん知れて楽しくて」

「そうか」


 パンテラが昼食を持って戻ってきた。


「本日は図書室でお召し上がりになりますか、ルカス様」

「良いんですか!」

「レグルス様も、いかがでしょうか」


 レグルスが少し間を置いてから、椅子を引いた。


「……俺もここで食べる」

(一緒に食べてくれるのか)


 嬉しいような、照れくさいような。


 窓から差し込む午後の光が、本棚を金色に染めていた。

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