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ミックスブラッドオンライン・リメイク  作者: 鳥井雫
始まりの森編

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複合スキル、初のお披露目



 再び熊マンとのサシの勝負だ……略奪効果が効いてるのか、こちらの穂先はさっきより鋭さを増している。向こうも負けずに、《足払い》からの《噛み付き》と容赦がない。

 それでもこちらの被害は、さっきのラッシュ技より随分とマシである。あれを二重で喰らうなんて目に遭うのは、マジでもう勘弁願いたい所。


 熊の鼻面に手甲で殴りつけ、俺は噛み付き技から何とか逃れる。そして反撃の《四段突き》を見舞って、これで相手のHPはようやく6割程度。

 本当にしぶといな、そろそろ弱って欲しいんだけど。犬男のHPもまだ7割以上残っているし、こちらも最初に掛けた強化魔法が切れて来た。


 ある程度は手古摺(てこず)ると思っていたけど、ここまで長期化するとは……でもお酒系の強化は使いたくないんだよなぁ、この前の果実取りで使ったばかりだし。

 ここは気力で乗り切ろう、そんな訳で強化の掛け直しだ。


 まずは《(ダーク)タッチ》で、熊の視界(ふさ)ぎの時間稼ぎから。次いで《硬化》の呪文だけど、この魔法は効果が1分半しか持たないんだよなぁ。

 さっきの敵のラッシュ技を喰らった時には、既に切れているという悲しさ。凄く強い呪文だけに、効果時間の短さだけが残念でならない。


 まぁ、しっかりと掛け直すけどね、やっぱり防御アップは無いと怖いし。それから《風属性付与》と《炎テンション》を、続けて掛け直してやる。

 戦いの中で思ったのだが、やっぱり魔法には弱いなコイツ達。案の定、盲目状態になって両手棍をやたらと振り回している熊マンは少し哀れ。


 試しに《バグ(ボール)》を飛ばしてみると……おおっ、凄い削れたよ! そして丁度HPが半減したみたい、何やらハイパー化に突入した模様。

 もちろん離れて見守る俺、ってか《風の茨》で足止めに余念がない。



 盲目状態は解除されたっぽいが、その時には既に勢いを失う悲しい熊マン。今度はこちらの番とばかりに、俺の短槍が(うな)りをあげて突き刺さる。

 そしてようやく貯まったSPで、念願の《白垂飛泉槍(はくすいひせんそう)》の複合スキル技のお披露目だ。派手なエフェクトと共に、何処(どこ)からか(あふ)れ出た水流に押し流される熊マンであった。


 これで今度こそ大ダメージだ、熊マンのHPは残り3割を切る程度。前回は確か、残り2割で相手が「参った」してくれたけど、今回は複数いるしどうだろう?

 とどめ無しだと、もう少し押せば少なくとも熊さんは脱落してくれる筈。


 仔竜と犬男の戦いを眺めたら、相変わらず無理せず膠着(こうちゃく)状態を続けていてくれた。非常に助かる、何しろネムの総HP量は俺も良く分かっていないのだ。

 多いのならさほど心配もないが、万一少なかったら大変な事に。その辺は、操ってる役のファーママも、よく理解しているのだろう。


 こちらも一応、覚えたばかりの《ヒール》を飛ばす用意だけはしている。ただし、これも詠唱時間とか距離とか全然分かっていない呪文である。

 《(パワー)ヒール》と似た感じだとは思うけど、やはり事前に予習しておくのだったと少し後悔。いやいや、それは今考える事案じゃないな。


 とにかく今は、熊マンの始末が最優先事項である。そしてフィールドがいつの間にか水(びた)しと言う情景に、向こうの獣軍団は足を取られて移動し辛そう。

 おやおやっ、これも複合スキル技の副産物ですか?


 確かに、何処からともなく出現した多量の水エフェクトはスキル技を放った際に確認した。しかしまさか、それがフィールドにまで影響を及ぼすとは。

 こちらは『水中適正』のお陰で、水系の移動制限の範疇(はんちゅう)外である。仔竜も同じく、宙を飛んでるのでフィールドの状態は関係無い。


 泥濘(ぬかるみ)の、まさに中央にいる熊マンだけが大変そうなのはやはり哀れ。すでにヘロヘロな上に、移動制限まで掛かって悲惨な事この上ない。

 それでも奴は、最後の最後に根性を見せた。とどめにと不用意に近付いた俺に、《轟天骨砕き》と言う両手棍のスキル技を見舞って来たのだ。


 その威力はまさに骨が砕けそうな衝撃で、喰らった左肩は(しび)れて当分動きそうにない。しまったな、遠くから魔法で仕留めれば良かった。

 イタチならぬ熊の最後っ屁で、不注意手から強烈なのを喰らってしまった。猛烈に反省しつつ、離れながらの《Dタッチ》で体力を補充に掛かる。


 その俺の反撃に、既にヘロヘロな状態の熊マンは追従出来ず……しかも続いての《バグB》で、呆気なく降参の合図を出す始末。

 本当に最後っ屁だったな、勝てたからいいけど危なかった。


 ポーション瓶を取り出して束の間回復しつつ、戦線離脱した熊マンから犬男へと視線を向けると。そちらも割と一方的で、ファーとネムのコンビは安泰な様子。

 移動制限がそれに拍車を掛けていて、さすが複合スキルは半端ない威力である。フィールドの半分以上が水浸しだしね、我ながらなかなかに凄い威力。


 予想通りにタフな相手に、単体技で2割以上削れたし。そして予見通りに敵に魔法は無かったな、魔法耐性も低かったしそう言うステータスだったのだろう。

 その代わり、武器スキルと体力半減からのハイパー化は、直接受けていたらヤバかった。いや、喰らって(しの)いだ俺の体力も凄い成長振りだなっ。



 さてと、感想を述べるのはまだ早かったな……相棒コンビの助っ人に入らなくちゃ。戦闘フィールドはまだ継続中、一応強化を掛け直してと。

 先ほどの教訓を生かして、まずは遠くから魔法攻撃での小手調べから。何しろ犬男も、もうすぐHPが丁度半分に突入しそうだし。


 そんな訳で、相手の必殺技《野生バースト》も、半分は空回りの無駄撃ちに終わった。もう半分は、自棄(ヤケ)っぱちの短槍投げを仕掛けられて思わずヒヤリ。

 そっちも相当に怖くて、危うく俺のどてっ腹に風穴が空く所だった。


 しかも武器を手放した途端、何故か四足歩行へと移行する犬男。そのせいか泥濘での移動も、途中から抵抗無くなった感じで(あなど)れない着ぐるみモンスター。

 こっちは危うく、飛び掛かられての喉笛を噛み切られる寸前。その寸前で、何とかカウンター気味に《Bタッチ》をぶち込む事に成功した。


 その結果、吹き飛ばし効果で距離を取れたけど、野生の力は本当に侮れない。最後は、完全に頭に血が上った感じのネムと一緒に、タコ殴りで相手はご臨終。

 ……の一歩手前で、やっぱり降参の仕草で戦闘終了の流れに。


 この戦いの決着に関しては、結構時間が掛かってしまったな。恐らくだが、30分近くこの対戦バトルに費やしていた気がする。

 今日のインでの消費時間は、もうすぐ3時間といった感じだろうか。クラフト間では時間を止めてたから、その分は一応得してるけどね。





 戦闘フィールドはいつの間にか解除されて、そして待望のドロップ告知が流れ込んで来た。まずはスキル4Pは、ユニーク種にしては大盤振る舞いだろう。

 今回も、きっちりとどめを刺してないのに、こんなに貰って良いのかな? まぁ、確か前回も貰えたし、良い事にしておこうか。


 そして大物の『皆伝の書:冒険』と魔石(中)が2個、更にはオマケに『力の果実』と『素早さの果実』が1個ずつ貰えてしまった。

 ここら辺は、すぐに使う事にしてと。


 ――野蛮な大鎚 耐久7、攻+17、筋力+3

 ――野蛮な手甲 耐久7、防+8、筋力+3


 何と欲しかった両手棍と装備品の手甲、両方ともドロップとか気前良過ぎじゃない? いやいやビックリ、これも早速装備交換だな。

 古いのはすぐ売っちゃおう、買い取ってくれる雌猫もすぐ近くにいるし。その結果、甲殻の手甲は安かったが、蛙のハンマーは5千モネー以上の高値が付いた。


 合計で7,800モネーの売り上げ、鞄もスッキリしたし儲けは素直に嬉しい。新装備に気を良くしつつ、ウキウキと出掛ける準備に余念がない俺。

 その前に、減ったスタミナの回復と相棒にご褒美のご飯タイムかな。それにしてもスキルPがまた増えてしまった、何を上げるかはまた後で考えるとして。


 今またすぐに上げるのは、ちょっと節操がない気もするなぁ。何しろさっきの休憩で、既に色々と新スキルを取得したばっかりだからね。

 冒険をしていて、足りないかなって思った属性に気付いたら、それに注ぎ込む感じでいいか。欲を言えば、熊の使った両手棍スキルも欲しかったな。


 確か《轟天骨砕き》だっけ、まさに相手の骨を砕くようなスキル技だった。アレが貰えてたら、問答無用で両手棍スキルを上げたのにね。

 あれは恐らく、部分破壊とかの属性の付いてたスキル技だった筈。威力もかなり高かったし、是非とも欲しかったんだけどな。


 とは言え、スロットに空きが無いのでセットには悩んでいただろう。今も実は悩んでいる、さっきも短槍で戦いつつスキル技が2つしか使えない不便に苦しんでいたのだ。

 アバターは強くなってるけど、改善すべき点も多々あるのも本音。


 熊と犬の着ぐるみは、再び身体に不釣り合いなマスクを(かぶ)って平常運転に戻っている。こちらも短い休憩後は、計画通りに西の断崖に出向くつもり。

 地図の隙間埋めと半壊馬車(あさ)り、それからクエの雑魚退治を兼ねた遠征のつもりだったけど。精霊ラマウカーンの言葉が、妙に気になって仕方が無い。


 以前に気楽に受けた(よど)み掃除クエも、意外に大ゴトになってたしなぁ。今回は楽なお仕事であって欲しいが、そうはならない予感もヒシヒシ。

 取り敢えずは、確認だけでもやっておかないと。





 ――そんなトラウマの地への平穏を、切に願う今日この頃だったり。








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