オルワール兵隊がやってきた
リック運送会社の報告によるとオルワール領軍に街道が規制され、冒険者や商人等の一般人の遺跡街への移動が禁止される。
遺跡街への色々な噂が膨張されて増悪表現として遺跡街住人達の耳にも入って来るようになる。
「オルワールは正義の楽園」のスローガンを抱え、遺跡街の住人達の解放や明け渡しを要求しているような状況である。
そして数日前からオルワール兵隊が着実に遺跡街を包囲しつつあった。
遺跡街側の対応としては、オルワールの部隊は遺跡街と街道接続部分に設置されている遺跡街テクノロジーのゲートをくぐって来ている為、詳細な装備や人員の状態等のデータが集まっている。
「街を守る会」のメンバーは出来るだけ外部での戦闘は避け、遺跡街の防御壁を利用した籠城戦のようなスタイルを想定中だ。
こちらの戦力自体が「街を守る会」の約300人の冒険者で編成された部隊とミリアのスケルトン(生体ボディ付きバージョン)が使えるので現在待機中である。
アリシアさんと他の鑑定士が戦力鑑定中。
これは何日も前からすでに作業中であり、遠方に配置された相手の戦力を具体的に分かるように絵にして視覚化する為だ。
「数日前からほとんど配置は変わってません。野盗系の戦闘員が最前列ですね。LV12~20と言う感じです。中域に村人と思われる戦闘員が集中しています。LV8~12前後、
戦力的には脅威的な問題ないと思いますが要注意です。その後ろにLV20前後の魔法士とオルワール領の正規兵らしき部隊がLV25前後で配置されています。」
遺跡街は山頂のような所にある為、平地で取り囲むような陣形を取る事は出来ない。
所々に開拓された畑や広場に兵隊を配置し、かなり後方に陣を設置している。
戦力差があり過ぎなので、トラップの発見や移動の難しい森の中で待つような事もしていない。
「LV30前後の兵士も居るようですが、かなり後方に配置されているので司令官の護衛と、魔法士の指揮を取る司令役な魔法士でしょうか、かなりレベルが高いです」
アリシアさんは対物ライフルのスコープを覗きながら部隊配置を確認していた
「リック、この配置は魔法攻撃をさせるときの陣形に似ておる。注意するのじゃ」
魔法攻撃を想定しているので、アンデットの存在を無視している訳でも無い感じだ。
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監視塔から確認できる犯罪者の寄せ集め集団と思われる傭兵部隊が遺跡街まで数百メートルの距離まで近づいている。
もちろん畑は破壊され農作物も荒らされている状態だ。
「ヒャッハッハ!この戦いに勝てば遺跡街から略奪し放題だぜ!」
「女も金も奪い放題だ!」
「敵の戦力を知っているか?500人も居ないらしいぜ!」
「正面突破で十分だろう!、笑えるぜ!」
「楽な仕事だぜ!、敵は冒険者の集まりらしぜ」
「虐殺の始まりだせ!司令官様は何をノロノロしているんだ、早く殺しを始めようぜ!」
数百メートルの距離でも盗聴の魔法を使うと普通に聞こえるようになっている
会話からすると確実に元犯罪者か犯罪者なのだろうな。
アリシアさんの鑑定結果も概ね【職業】盗賊(傭兵)と表示されている人が多いので便利な世界だなと改めて思う。
「うわーガラ悪そう。ついでに頭も悪そう」
エリアが望遠鏡越しにそんな事を呟いている。
俺の目だと肉眼でも見えるのだけど
パッと見る限り使い捨てなのだろなと思われる、ガラの悪い奴等
隣ではリーザさんとキャノが強者のオーラを放ち始めている。
まだ距離が遠いので敵には効果は無いが、街を守る会の仲間達の士気が一気に上がる。
最初は5000の部隊を見て委縮気味であったが、強者2人のオーラを感じる事でこの二人が居れば戦況が変わるのではないかと言う期待が高くなったのだ。
戦闘開始後は生体ボディ付きスケルトンとブラックスケルトンが投入され戦況を確認後、人員を振り分けるか検討する。
前線部分はレベルの低い犯罪者集団なので良いシロスケ・ブラスケ隊が削ってくれる事を願いたい。
そして敵陣形に変化が少なくなった頃、オルワールの使者が最終勧告を告げる。
まぁ要約すると
「無条件降伏せよ」と言う事だ。
いよいよオルワール兵との戦闘が始まる。




