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異世界転移は意味不明 ~レベル社会で生活できるようにかんばります~  作者: els


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ロボ馬車運送会社の設立

この時代には運送だけを専門におこなう業者は極端に少ない。

近距離で安全が保障されている地域であれば規模の大きな商会の定期荷馬車等が運航されているが、移動に数日かかるような距離になると別に護衛を雇う必要があるので、専属護衛を雇って運送業務を行っている所もある。だだし護衛代等が加算されるので運賃が高額になるため護衛付き長距離運送便等は極端に少ないのである。


 ここ数か月の盗賊騒ぎで運賃も高騰しており、流通業界では大打撃を受けている状態だ。

ミエスさんにロボ馬車を使って遺跡街周辺の運送を引き受けるような会社を作れないか提案してみた。


「リック様。私達は遺跡街の防衛目的でしか動けませんので外部で盗賊等に襲われたら荷物等の保証等は出来ないかもしれません」


それじゃあミリアのスケルトンに生体ボディを付けて護衛させればとミリアに提案すると

「あいつら喋れんからの。単独だといろいろ問題が出るかもしれんぞ」

運転士兼護衛係としてスケルトンを付けようと思ったが、全く喋れない事を忘れていた。

「あと奴らは、悪党特有の気配を察知するような事もできん。生きてるか死んでるか位がわかる程度じゃ」


そんな事情もあり悪党には悪党を! なんかの映画のキャッチフレーズであった気もするがそんな乗りで人探しをする事にした。


条件としては まだ人殺しをしていない強面で強そうな人。腕っぷしは強い方が良いが、戦闘になった時は偽装シロスケがやってくれるのでその辺は考慮しない。


まぁ本心から悪い人はイランけど。


そんな訳で俺とリーザさんは現在パーマ街のとある酒場に来ている。

まともな酒場では無く裏側にあるような、裏稼業の人が利用するような所で、旅行者や事情を知らぬ者が近づけば身ぐるみ剥がされしまうような場所と言った感じ。

地元の人も近づかないような地域にある店だ。


リーザさんと店のカウンターに座り、飲み物を注文する。

「冒険者の方とは珍しい、こんなところに何か用か?」

店員の質や客層が明らかに悪い。

「仕事が出来る人を探している。出来れば腕に覚えのある人がいい」

「兄さん、この辺は初めてか?、ここに居る奴らは暴力で生きて来た奴らだぜ、喧嘩の代行依頼でもするのかい」


「いや、馬車の運転士を探している」


「おーいみんな聞いてくれ、ここの兄さんが馬車の運転士を探しているんだとよ!」

「ヒャッハッハ、そんなもん誰がやるって」

「兄さん、ここは力が全てだぜ!鍛え直して出直しな!」


まぁ明らかに俺の容姿を見て判断されている感じ。


 こんな店だからなのか、サンドバックやパンチングマシンのような遊具?があったり腕相撲の台らしき物もある。毛むくじゃらで身長が2メートル近く体重120キロ位ありそうなガタイの良い男達が賭け腕相撲をしていたりするようだ。


俺は腕相撲を見ている男達に声をかけてみたが完全にバカにされる

「ハッそんなヒョロッコイ兄さんの言う事が聞けるかよ!ハッハッハ!」

「後ろの女戦士のネーちゃんが俺らの相手をしてくれるのかいよ。それなら喜んで相手してやるぜ!」

リーザさんに向ける男達の目線がゲスである。


そんな時、腕相撲のジャッジをしている男の声が聞こえる

「次の試合に勝てば50万だ!誰か挑戦者はいるか!今なら前回敗者が置いて行った荷馬車も付くぜ!」

筋肉隆々のハゲ、見るからに処刑人という感じの男が勝者の席で腕を組みながら対戦者を待っている状態だが、参加料5万という事もあり誰も挑戦者が表れない。


「リック、一般人?の力量確認だ。一度どうだ?」

リーザさんが村人でもなく、冒険者でもない、ごく普通に暴力で生きる為に鍛えられた一般人?の強さを確認しておいた方が良いという感じで提案してくれる。


リーザさんの見立てではLV15前後。一人前の冒険者がLV20なので一般人としては高レベルな方に入る。ニカドさんがLV12だった事を考えると強い方だ。



俺自身も相手の力量を図る上で試しておきたいので喧嘩よりはマシだろう。


俺はジャッジの男に5万支払うと対戦準備が始まる

「兄さん、冒険者ならカードがあるな。レベル確認させてくれ。たまに高レベル冒険者が腕試しに来る事があるからな」

ジャッジの男が冒険者カードを確認すると、一瞬だけ「ブッ」と吹いたように見えた。


「よーし、ヒョロヒョロの冒険者兄さんが挑戦者だ!、処刑人と子供みたいな対戦だぞ!賭けのスタートだ!」

ジャッジの男は止めるそぶりもなくそのまま試合を進行始める。

そりゃ一瞬で勝負が付く楽な試合だ。5万が楽に手に入る。

現在の掛け率は1.01対8.99だ。ちなみに8.99倍が俺だけど。

冒険者だから多少はプラスとして見られているのだろうが、腕周りの太さが俺の3倍位あるので一般的に見て俺が勝てる要素は全く見当たらない。


「兄さん、ケガしたくなかったら対戦が始まる前に逃げるんだな」

対戦者の男はヤル気満々だ。


リーザさんがジャッジに金袋ごと渡す。多分俺達の活動資金全部。

金袋の中身を確認するジャッジが驚愕の表情に変わり

「姉ちゃん正気か?かまわねぇんだな」


「ああ問題ない」

リーザさんが金袋を渡したら掛け率が逆転し、俺が1.01倍になっている。

掛け率を見た対戦相手の処刑人君が明らかに怒っていた。


「そんなに死にてぇのか、その腕ブチ折って、引っこ抜いてケツにぶち込んでやるぜ」


腕の長さが違うのでジャッジの人が対戦台の高さを調整し、いよいよ試合スタートだ。


「こっちの準備はいいぞ、ハゲいつでも、かかってこい」

俺が言っているんじゃないぞ!リーザさん・・挑発するのはやめてよ


「ぶち殺してやるぜ!!!!!」

バチーンと手が重なる音が響き渡り、腕が組まれる。明らかに相手が怒っているので鼻息が凄い。なんか嫌・・


そして会場に鐘の音が響き試合のスタートの合図がかかる


「レディ!ゴー!!」


対戦台が一気にひずみ、ギシギシを音が響き渡る

ちなみに俺は,処刑人君がぬいぐるみ状態に見えている為、違う意味で笑ってしまう事をこらえている。人間型の着ぐるみは久しぶりだ。


「早く力をいれたらどうだ?ハゲ」

リーザさんが処刑人君を挑発すると、余計に着ぐるみ度が強くなる。敵意と言うか殺意さえ感じるレベルだ。


 俺から見ると当然力もほとんどかかっていない感じで、相手の手も軽く握っていないと石鹸の泡を握っているような感じなので下手をすると軽く握り潰してしまう状態だ。


「フンファ!!!!!」

処刑人君が力を入れると対戦台がありえない状態にまでひずみ、机の肘の部分が円形にヘコミ始める。しかし俺の腕はほとんど動かないのだ。


「おいおい!どうした処刑人!俺はお前に全財産賭けてるんだせ!」

「そろそろ本気だせよ!遊んでるんじゃねぇぞ」

「演出は飽きた!ヒョロヒョロ兄ちゃんにもゲーム代分位は遊ばせただろ」

外野がワイワイ騒いでいる。


ーーありえねぇ!動かねぇんだよ!!!ーー


顔が真っ赤になり脂汗を流し始める処刑人君。

状況が全く動かない事に痺れを切らしたジャッジが処刑人に手を添え、呟き「ハイブースト・・」と唱えているように聞こえた。

処刑人は真っ赤になりさらに発汗が始まる。

握られた手の強さが一気に強くなった気がする。

腕が若干動き出す


「イケェ!処刑人!うっ動いたぞ!!!!」

「そのまま相手の腕をブチ折れ!!!」


数センチ俺の方に動き始める。

ヤバイな、これ以上力をいれると処刑人君の腕が折れるんじゃないかと感じ始める。


「リック、ジャッジの奴が処刑人にブーストの魔法を使ったようだ。一般人相手だと耐性が無いから危険だ。早く終わらせろ」


リーザさんが耳もとで教えてくれる。

俺から見ると腕自体がしなった発泡スチロールの棒が折れる寸前のように見えているので中々力が入れられない。


「ヒョロ兄さんもこれで終わりだ!!」

外野がとても賑わっている。掛け率が逆転しているからなおさらだ!


いやでも、だから折れるって!それ以上力入れるな!馬鹿!


俺の心の声を無視して処刑人君は力を入れてくる。


「折れろ!折れろ!折れろ!」

「殺れ!殺れ!殺れ!」

「ブチ折れろ!!!」

処刑人へのコールが凄く野蛮で怖い・・


その時、処刑人君の腕が限界を超えた。会場にゴキッ!と鳴り響く鈍い音


「うぎゃぁあ!!!折れちまった!俺の腕が折れちまった!!!!!」


処刑人君の腕がポッキリと折れてしまい、試合は終了した



「・・・・勝者挑戦者」


試合終了と同に素早い動きでリーザさんがジャッジの男を殴って気絶させる。何故リーザさんが殴ったのかは不明だが、とりあえず魔法使いは危ないから止めておくと言う事だ。


会場内が静まりかえる。

「まさか処刑人が負けるとは」

「あのジャッジが一撃で気絶だぞ」

「あの女は本物の上級冒険者か?」

処刑人君にはマッソWドリンクライトを飲めと命令、みるみるうちに骨折が元に戻る。

「腕が治った・・回復ポーションか?そんな高価な物をくれたのか」

処刑人君の顔が殺伐とした表情から普通の顔に代わる。それでも強面だけど。


「兄貴と姐さんと呼ばせてもらうぜ!」


その後の話はうまく進んで行く。力を示した事により、処刑人君を含む20人近い男達が俺達の話に賛同してくたのである。


なお、ジャッジの男は衛兵の詰め所に預けた。街の中での2階層以上の魔法使用は禁止だからという事でAランク冒険者のリーザさんは殴って気絶させたようだ。



「えっと仕事内容はこんな感じだ」

現在俺達は酒場で見つけた男達に仕事の内容を説明している。

馬車で荷物の輸送・荷下ろし・荷積みと現場に行った時の話会い等。

特に重視したのは盗賊に遭遇した時の対処方法等。基本的には一緒に同行する男に戦闘を任せれば良い事。同行する男は強いが、悪党独特の感のような物が無いので、それらは運転士である男達の感や気配察知等で護衛の男にアドバイスしてほしいと説明する。


「護衛の男は訳あって全く喋れないが腕は確かだから安心してくれ」


基本的には金の受け渡しはしないので、簡単な数字の読み書きと足し算引き算を教える。

 この辺はアリシアさんとリーザさんが先生役になり講習を行う。

美人パワーは凄いよ。知らねぇ野郎共がどんどん増えた。

美人に会うために、美人に褒められたいがために、全力で学習するアウトローな野郎共。


 字がかけない者が多かったが、計算に関しては酒場で賭け事をやっていた関係で簡単な計算ならできるようだった。この辺は荷物を数えたりするのに必要だからだ重要事項だ。


「社長!に姐御!勉強までさせてくれてありがとうよ!必死に働くぜ!」


処刑人君が他の男達を纏めてくれるので非常にスムーズに研修も進んで行く。

遺跡組合の方から荷物の運び方等のレクチャーを受け2週間後には業務としてスタートする。


最初の頃は二人組+護衛で行かせ、業務を覚えてもらう。慣れて来た所で一人+護衛と言った感じで切り替えていく。走行距離によって2人組にして長距離便も動かせるようにしたりと、工夫させて長距離運転士を教育していく感じだ。


初期の頃は慣れていない事もあり顧客からも強面の人が来たと言う事で評判が悪かったが、盗賊団に襲われにくい事や荷物の運送速度の速さ確実性が評価され徐々に評判が向上していく。


ちなみに、荷物の持ち逃げも心配していたが、処刑人君の仲間達が恩義に忠実だった為、そんな奴等は俺達が地獄まで追いかけてブチのめすという方針を立てていた為、今の所心配されていた盗難騒ぎは出ていない。


3か月も経つと返り討ちにする盗賊団の数も増え、顧客との信用が確立された。

「社長!従業員が足りないので、俺らが見つけて来ます」

処刑人君の悪党人脈を使いどんどん人相の悪い奴らが集まって来る。

腕っぷしが強くて上下関係をはっきり理解できる奴が選考基準なんだとか。頭の悪くても力と恐怖で覚えこませれば最低限の事は出来るようになるので何とかなるのだとか。ドラマ「北東の件」に出てくる羅王部長の事を思い出した。あの人もすげぇパワハラ役な人だったなと。


なお、この後ロボ馬車数百00台を保有する特急運送会社に成長していくが、その辺の話はまた後日書くかもしれない。


 リックの運送会社がスタートして数か月。パーマ領内の流通事情は劇的に回復を始める。

馬車の定期便なども運行始め一般人の出入りも盗賊団の出現前以上になっている。



俺達は運送屋が軌道に乗り始めたのを確認すると、暇を見つけてはレベル上げを行う為ダンジョンに潜って現在は9層を攻略中だ。この辺になるとリーザさんでも危険な階層だが、俺の家から持ってきた防具?と言う衣装のおかげで異常な速度でレベルアップ中である。

 冒険者組合からは「死に急ぐな」と警告までされた。

討伐→マッソドリングで回復→死線越えの討伐→回復の繰り返し。


普通の冒険者ならとっくに死んでいるとまで組合のニーニャさんに言われたけどね。



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