はじまりの地へ
前話が短いので連投しますが、このお話も短いです。
俺はちょっと気になる事があった。
この世界に転移させられた訳だが理由がわからない。
ゲームでも小説でも「世界を救う」とか「魔王と戦う」みたいな目的が有ったりして最初は国王に会ったり、転移魔法なりを使ったお偉いさんが居たりとかっていうのがスジだと思っていたが、俺は野原でただ寝ていただけなのだ。
あの時は色々混乱していて周囲を確認する余裕もなかったが、今なら調べられるかもしれないから一度立ち寄ってみようかと思う。何か見つかったら今後の旅のヒントになるかもしれないし。
仲間たちに行きたい所があると伝えると、特に理由も聞かずに同意してくれた。
ニカドさんの道案内で始まりの地を目指す。
前回(奴隷の頃)はクソ村長の村から領都まで3日程かかったが、ロボ馬車の速度なら半日程度。道行く人にそんな速度で走ったらすぐに馬がバテるよって感じで見られていたが、かまわず爆走。
常識の範囲内の爆走と人がいない所では非常識な爆走を繰り返し、俺を奴隷として売ったクソ村長の村に到着する。
特に村自体に用は無かったが、最初に親切にしてくれた村人に挨拶に行く事にした。
俺がこの世界に来て困っていた時に納屋に泊めてくれたり、食事を提供してくれた村人の家だ。
家の扉をノックすると、家の中から返事の声が聞こえる。
「ハーイちょっとまってな」
「おっ、誰だい?」
家の中から奥さんらしき女性が出てくると俺は挨拶をして訪問の事情を説明する。
「以前、あなたに親切にしてもらった者です。あの時はありがとうございました」
しばらく考えていたようだが、何か思い当たる点を思い出したのだろう
「おー。あの時の兄ちゃんかい。ずいぶん立派になったなぁ冒険者か?!」
今は冒険者装備、あの時はパジャマだったからな
簡単に現状を説明したり、今はちゃんとやってますと話をして簡単に街の事や世間話等をすると興味を持ったのか楽しそうに聞いて貰う事が出来る。
普段村の外に行ったりする機会が少ない村人からすれば旅人の世間話は楽しい物なのかもしれない。
話も一通り済み、親切にしてくれた奥さんに別れの挨拶をする。
「これはあの時にのお礼です」
村では貴重な干し肉の入った袋を手渡す
「こんな良い物貰ってもよいのかねぇ、助かるよ。あぁそうだ。村長には気を付けな。あの時右も左も分からない兄ちゃんに難癖付けて奴隷扱いにして売ったからね」
「やっぱりそうだったのですね」
「リックを売った奴が居るのか、許せんな」
リーザさんとミリアがちょっと怒っていたが、今は関係無いので軽くゴマかしておく。
まぁ売られてなければ今の仲間たちとの出会いは無かったから、運命というのは何というか面白い物である。売られたのは微妙だけど。
「あ、あとね。冒険者なら面白いかもしれないから話をするけど、草原の奥の森で変な建物を見つけたって村長が言っていたよ。中に入れないから壊そうとしたけどビクともしなかったとか。私達村人には関係ないからそんな話があった程度だけどね、興味があったら行ってみな」
「わかりました、情報までありがとうございます」
俺達はこれ以上村に居る必要も無いので、奥さんに別れを告げ、村を後にし目的の草原を目指す。
短すぎなので、前の話と纏めようと思いましたが、区切りが全く違う話なので別々にしました。




