リック奴隷組合に行く
この世界には奴隷制度がある。現代社会だってブラック企業だの労働基準法違反やパワハラなんかでかなり苦労して過労死やらが問題になっていたが、一応法律である程度人権保護されていたけど、この世界の奴隷の場合は命の保証すらない。
基本的な労働者であり、扱いは契約主次第と言った所。実際問題7割位は不幸な奴隷である。
少し容姿が良ければ娼婦やら性的に使われるし、力があれば戦争に。頭が回れれば上手に生きていけると言った世界。
力も無く病気や健康状態が悪ければ、かつての俺のように餌やおとり役と言った最終処分送りとなる。
俺はパーマの街にある奴隷組合を訪れている。
俺が奴隷時代にクズ領主(オルワール領主)の奴隷組合でも感じたが、人身売買組織なので組合員自体も凄くガラが悪い。中には人の良さそうな人も居るが裏を見ると詐欺師みたいな感じの奴ばかりだったする。
裏の顔と表の顔が極端に違うので騙されないようにしないとならない。
ちなみにここに来る人間は
・金に困って家族を売りに来る(金に困った村人等)
・誘拐や拉致して来た人間を売る人(盗賊団や誘拐専門)
・奴隷を買う人
・逃亡奴隷の処分や探して金をもらう人
奴隷探しは国公認で暴力沙汰や人殺しが出来るのでその手の事が好きなヤツがやる事が多く、一部の奴らには人気の依頼だ。
「本日はどのような御用で」
一見、気の良さそうなオッサンが声をかけてきた。この場に居るのが不思議な位場違い感があるオッサンだ。
「捜索や処分系の依頼はあるのか?」
さっきまで気の良さそうなオッサンの表情が一気に荒くなり
「兄さんがやるのかい?無理だ!出直しな!」
リーザさんが言っていたが舐められるとダメな場所らしいので、門前払いを食らわないように
少しだけ威圧してみる。威圧に関してはビジェイ王子の一件でやった事があるのでそれを思い出しながら
「んぁ!?」
気に入らない奴を見るような感じで威圧してみた。
「ひっ!??」
次の瞬間にはオッサンの態度が一変した。
「実力者のようだったな。スマン。兄さんここは初めてだろう?」
あれこれ謝罪と説明始めたが、基本興味は無いので捜索・処分系の依頼が閲覧したい事を改めて伝える。
「あっちの部屋だ、行けばわかる。わかってると思うが、同業者の集まりだ。トラブルは起こさないでくれよ」
俺は教えられた部屋に移動した。
部屋に入った第一印象は奴隷組合の奴らがまともに見える位と言った方が良いかな
俺なんか即殺されそうな雰囲気を纏っている人達ばかりだ。
オーガ達と戦ったばかりなので、体格なんかの面ではとくには気にならないのだが、暗殺とか殺し慣れている人達が持つ独特の雰囲気のような物があり、空気もピリピリしている感じもする。
社会人時代に上司に怒られている同僚等を見ていると、何か嫌な感じだなぁみたいなのを10・20倍でも足りないようなピリピリ感で、絶対にここに近づいては行けないと俺の精神が反応している場所だ。
鉄格子で囲まれた換金所があり、血だらけの人間を連れてくる怖そうな人や血まみれの袋をぶら下げている人も居る。
血まみれの袋の方は想像したくないが、だいたい内容物はあれなんだろうと・・・。
換金所の担当者は袋の中身や血だらけの人間を鑑定して依頼内容の奴隷と同じ事を確認して報酬が支払われているようだ。
ここは魔獣ではなく人間専門で行っている場所なのだ。
精神耐性がヤバイ方向に感じて来たので、嫌だなと思う部分がモザイク状に見えるようになって来た。最初からモザイクかかっていれば良かったのに・・・。
掲示板を見ると結構な数が張り出されている。冒険者組合と違い依頼書を剥がしてクエストを受けるという形ではなく、その場で情報を記憶して速い者勝ちで奴隷を連れてくるか、部位を持ち帰るかと言う感じ。
現在何人が参加しているかのハンコのような物が押され、失敗している場合はハンコに斜線が入っている。失敗数が多いほど報酬が高くなっていく傾向のようだ。
報酬金額の所も斜線で修正された物や新たに金額の所だけ張り直され依頼も何件か見られる。
アリシアさんとエリアの名前の書かれた依頼書を探す。ミエスさん情報なので確実にどこかにあるはずだ。たくさん張り出されている依頼書の中から10分ほどかけて目的の依頼書を発見した。
奴隷の捜索依頼書の内容だと
アリシア・ラベール、エリア、同行の男奴隷の捜索となっていて、生きたままの引き渡しが前提だが、死んでいる場合は証明部位の持ち帰り
そのほかに、行方不明になった場所や奴隷情報等が記述されている。
注意事項に奴隷契約が解除されているので、依頼主に奴隷の直接確認となっている。依頼金額は高い方だったが面倒な依頼なので依頼参加者は少なく3名参加して1名がキャンセルの斜線が入っていた。
依頼主はオルワール領、奴隷組合となっている。
大体状況把握が出来たので一度屋敷に帰りデンジャーゾーンメンバーと相談する事にした。




