オルワール領主の野望(オルワール領編)
クズ領主オルワール領編のスタートです
オルワール領・オルワール領主邸宅にての事。
先日遺跡街の調査に向かわせたレッドゾーンの報告と冒険者組合から重要案件と言う事で連絡が入っていた。
「オルワール様、まずはこちらがレッドゾーンからの報告です」
執事が報告書を渡す。
遺跡街は現在エルダーリッチの支配下では無くなっている事と、多種族で賑う街として活動を開始したばかりであり、生活環境や町全体の技術的な物が驚くほど高度になっているとう事だ。そのような事がレッドゾーン視点で詳しく書かれている。
最後に気になった点として、以前囮役奴隷として同行した男とそっくりな人物を目撃したという事が書かれている。特徴や戦闘力の異常な高さもあってレッドゾーンリーダも良く覚えていたらしく、まず間違いないと言う事だ。
執事が続けて冒険者組合からの報告書を手渡す。
「特に冒険者組合には依頼を出しておらんが・・なんだこれは」
私は冒険者組合からの報告書に目を通すと信じられない名前が書かれている
「アリシア・ラベールだと?」
そう、本物であればラベール商会の娘であり、オルワール領の奴隷組合で買い取った女だ。
「はい、冒険者組合の方からラベールの名前があったと言う事での報告でございます」
あの女もおとり奴隷としてあの男と一緒にダンジョン内で行方不明になっていたはずだ。
「あの男の名前は分からんのか?」
当時LV3のただの犯罪奴隷としての扱いだった為、名前などの記録はなく餌奴隷として処理されているだけだった。
ラベールの方は現在どうなっているか気になり、報告書の2枚目に目を通す。
デンジャーゾーンというパーティ名で冒険者活動を行っていると書かれている。
リーダ名 リック
アリシア・ラベール、エリア、リーザ、トニー、マイ、ミリア
「リックという名前には聞き覚えが無い」
奴隷脱走者不明者リストを取り出し、名前を探してみると
・アリシア・ラベール
オルワール領ダンジョン内7層で行方不明→奴隷契約魔法により死亡確認
・エリア
オルワール領ダンジョン内7層で行方不明→奴隷契約魔法により死亡確認
・犯罪奴隷2048号
オルワール領ダンジョン内7層で行方不明
という項目を見つけた。
この情報だとエリアという子供も冒険者として活動しているようだ。
気になったのは犯罪奴隷2048号、もしパーティとして活動しているのならリックなのかトニーなのか分からないがレッドゾーンの報告の件もあり生きている可能性の方が高くなった。
更に問題なのがどうやって奴隷契約を解除したのかが不明だ。
通常、奴隷契約魔法は自力で解除は出来ない。契約主から逃げた場合は魔法効果により殺す事も可能であり、生死の確認も可能なのである。今回は外部からの要因で死亡が確認されていた。
「あいつらが居るとなると、サイクロプスの情報も既に公になっているのか?」
しかし、執事の報告によるとそのような話は一切ないという事だ。
オルワール領ダンジョンでマッドブラッドの奴らによりサイクロプスが確認されている
十分脅威になるため、オルワール領でサイクロプス討伐部隊が編制できれば問題無いのだが、現在そのような高レベル冒険者パーティは存在しない。
この場合高レベルモンスター放置の管理責任が問われ王都から討伐部隊が編制される形となる。
サイクロプスが討伐されるまでは王都冒険者組合の管理となり、その間のダンジョンからの利益はほとんどが王都冒険者組合に持っていかれてしまうのだ。
「その後サイクロプスの目撃報告はありません」
そう、本当にサイクロプスだったのかもわからない状態なのだが、あの奴隷達がサイクロプスの存在をおおやけにしてしまうとマズイのである。
「あとオルワール様、あの遺跡街はどういたしましょう?」
今までエルダーリッチが支配していた為、全く手つかずではあったが、我が領地と隣接している地域である。パーマ領とも隣接しているが、過去の歴史をさかのぼると元々あの周辺はオルワールの物である。
「エルダーリッチが居ないのであれば怖いものもあるまい、我が領に編入させよ」
早速、使者・騎士団を送る事になったが、奴隷2048号の捜索のためにマッドブラッドの奴らも同行させる事にする。




