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異世界転移は意味不明 ~レベル社会で生活できるようにかんばります~  作者: els


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巨大ワイバーン戦

キャノの屋敷で一晩過ごした翌日、キャノの案内でプ・リンタの街を色々と紹介してもらう事になった。


 俺的には温泉がある事が一番の観光資源だと思うのだが、この時代の人ではわざわざ風呂に入る為だけに遊びに来たりはしないだろうな。

 そんな感じで街の中を案内がてらプラプラと過ごす日々が続いていたのだが、突然街の中に「カンカンカン」と言う警報鐘が響き渡った。


「なんだ?」

「現状ではわからんな、とりあえず衛兵詰所に向かう」

キャノの先導で詰所に行くと、その場は騒然としていた。

「キャノ!大変だ。大型のワイバーンがこっちに向かって飛んできている」

「なに!ワイバーンだと?数は?」

「魔法遠視で3体だ」

「ワイバーン位ならそれほどの脅威でもないだろう。対空部隊はどうした?」

「キャノ、それが、デカイんだ。デカイから飛行速度が遅いのだが、あのデカさに対応できる航空戦力があるのかどうかが問題なんだ」

遠視の魔法が使える魔法士によると、ワイバーンなのだがサイズがドラゴンに近いと言っていた。


「リーザさんワイバーンって強敵なのですか?」

「ああ、通常ならばLV20~L25程度なのだが、空から攻撃してくるのが厄介なんだ」

「ダンジョン探索をメインとするパーティだと太刀打ちできないかもしれないな。こっちの攻撃は届かないのにワイバーン側の攻撃はドラゴンほどではないがブレス攻撃をしてくる個体もいる」

続けてキャノが対航空戦力について説明する。

「我が国では軍用に飼いならしたワイバーンで航空部隊を編制しているが、時々大きなワイバーンも現れるが、そのような個体だと危険度が増す為、1対多数で相手をする。しかし今回のサイズだと10対ぶつけても危ないかもしれないし、すぐ出動できるワイバーン隊に救援要請をしても間に合うかどうかわからない」

「住人への避難命令は出したか?」

「はい、既に。ワイバーン隊にも緊急出動要請を出しています」


「リーザさん我々でも何とかなるでしょうか?」

「リックが居れば大丈夫だろう。」

「みんな大丈夫か?」

「リックがいれば大丈夫だよ!」


俺頼みかよ・・・


「キャノ。俺達も協力したいが可能か?」

「リック、それは助かるがお前達の装備ではワイバーンを何とか出来るとは思わないが大丈夫なのか?」

「問題ないし、邪魔もしない協力させてくれ」

「わかった。リック達にも街の防衛をお願いしたい。」

急いでキャノの屋敷に戻ると、俺達の冒険者装備が全て返却される。


30分後にはワイバーン襲撃の知らせで街の中が混乱を始めた。現在オーガ軍の航空部隊が交戦中だ。

うちの戦力としてはエリアかアリシアさんの遠距離攻撃しか使えないと思うが、アリシアさんの場合は中距離向けの攻撃、エリア遠距離は実践では試した事がない。

同じ魔法使い系のミリアは召喚系なのでどうなるのかわからないから聞いてみたが


「妾が召喚可能なのはアンデット系じゃぞ」

という事で無用な混乱を避ける為、今は無しにしてもらう。

「スカルドラゴンとか呼べば一撃じゃがの」

本当に無しで。街の人が全部敵になるよ。


マイもファイヤボール等の攻撃魔法が使えるので、この3人がメインとなる

リーザさんも弓矢が使えるけど、遠距離攻撃は苦手だと言っている

ある程度打ち合わせした後にプ・リンタの街の防壁に上がり現状を確認する事となる


「「遠い」」


予想以上に小さく見えるワイバーン航空隊とそれよりも4~5周りほど大きな今回の巨大ワイバーン

「距離が遠すぎる」

リーザさんが呟く。確かに近距離であればオーガ族の防衛隊が何とかするのであるが、現在は防衛隊の人達も戦況を見守っているだけだ。

「リック、これだけ離れていると私のファイアボールも当てられないよ」

距離にして500~800メートル位あるだろうか。ゴルフ場のロングコースよりも遠いのだ。

協力したいと言ってみたは良いが、どうする事も出来ない。

このままだとワイバーン航空隊がやられてからの対応になるので、下手をすると街に被害が及んでしまうのだ。

「ちょっとみんな、試したい事があるから心配しないでくれ」

俺は20メートルほどある防壁を飛び降りる。

「おっおい!リック何やってんだ!」

慌てるトニー

「リックなら大丈夫でしょ」

「だな」

俺はそのまま地面に着地する。さっきまではノーマルモードだったが、俺の中で戦闘や緊急モードに頭が切り替わった瞬間に20メートルの城壁の高さが、数センチの段差位にしか感じられなくなっていた。

飛び降りるというよりは、ただ移動する感じ。ただ、ジャンプして元の城壁に戻ろうとしたがそこは実距離があるのでジャンプ体制等が安定せずに空中で体が回転してしまい上手く行かなかった

「やっぱりリックには落ちるって感覚が無かったのよ」

「リック!何ジャンプして遊んでるの!真面目にやれ!!!」

マイとトニーからお叱りを受ける。

ジャンプして何とかなると思ったが世の中そんなに上手くは行かないようだ。昔トランポリンで遊んだ事があるが、ある程度高くジャンプすると上手く着地が出来なくて怖い思いをした事があった事を今更思い出す。


そうだ!ワイバーンのように俺も飛べば良いのか?


「キャノ!そこの扉貰って良いか!」

「何にに使うんだ!」

「ちょっと飛んでみる」

「はぁ?」

「とにかく緊急事態だから貰うぞ!」

俺は衛兵小屋の扉を2枚引っぺがし、両手で摘まんで鳥のように羽ばたいてみたら、体が浮いた。

扉2枚を抱えて、城壁に上りアリシアさんに相談。

「アリシアさん、この扉を強化できますか?」

アリシアさんは魔素水に結合系の魔素率を上昇させる。魔素水を扉に塗り結合と固着処理を施す。ただの扉板が強化された扉板に変化したので、扉をロープで固定する。


「さて続いて、俺と一緒に飛んでくれる人は居ないか?さすがにこの状態で空中で殴る事が出来ない」

「私はパスで」

マイが即辞退する。高いところがダメらしい

「じゃ!私がいくよ!!」

元気よくエリアが答える。

「アリ姉いいよね!私なら魔法壁も張れるから大丈夫だよ!」

そうか、ワイバーンと近距離戦になったときに防御が出来ないアリシアさんだとマズイ訳だ。

その辺の事を完全に見落としていた。

「じゃエリアと一緒に行くぞ!」

「リーザさん、エリアを俺の前側にロープで固定して貰えますか?」

「後ろじゃないんだな」

「後ろだと魔法使えないと思うので」

「それもそうだな」

タンデムのパラグライダーの人のように俺の前にマイがロープで固定される。


「じゃ行ってくる」

「出発!」

俺は扉を鳥の羽のように羽ばたかせると、みるみるウチに体が上昇していく。

丁度前側に固定されたエリアがバランサーの役目をしていて良い感じにバランスも取れていて好都合だ。

「すごーい!リック浮いてるよ!! おもしろーい!!」

俺は城壁周辺を2回ほど回ってきちんと飛べる事を確認し、ワイバーンにターゲットを合わせる。

「行くぞ!エリア、攻撃は頼んだぞ!」

「まかせて!リック!」

全力で羽ばたくと扉が分解しそうになるので、そこそこにして飛行を開始する。今の俺からすると50キロ以上あるような扉板は数グラムの羽のようにしか感じていない。俺の体はどうなっているんだと、やっぱり思う


「リック飛んだな」

「リックだからな」

「面白い奴よのぉ、飛びおったわ」

「人は飛べるのか・・・?」

「リックさんだから気にしちゃだめですよ」

城壁の上ではそんな会話がされていた事を俺は知らない。


「リック魔法壁を展開するよ! 防壁の魔素さん!お願い!」

俺とエリアの周りに光の壁が展開される。

 外からの攻撃は届かず、中から攻撃は抜けるという都合の良い障壁である。まぁこちらの攻撃に合わせて攻撃されると抜けてくるけど。


飛び始めて5~6分程度でワイバーン隊に合流

「キャノからワイバーン討伐に依頼されたリックですよろしく」

「!!!!????おっお前飛べるのか!!??」

若干ワイバーン隊の人が混乱している

無理もない、おなかに女の子ぶら下げて、扉を羽代わりにして飛んでいる冒険者なんか普通に居ないと思う。

「キャノーラ様からの助っ人だな承知した、戦況はこちらが劣勢だ、そう長くは持たん」

見た感じ、ワイバーン隊の方は必至に戦っているように見えるが、巨大ワイバーンはそれらで遊んでいるようにも見える。ワイバーン隊が剣でチクチクと攻撃しているようなレベルであり、主力の魔法部隊がまだ到着していないからだ。

しかも大きさの差が例えるなら、たかすずめくらいの差があるので全く勝負になっていないのである。


「大丈夫かエリア!」

「OKまかせてリック!」

俺は扉の翼を使い、一気に巨大ワイバーンに接近する。

「炎の魔素さん!お願いファイアアロー!」

エリアの放ったファイアアローは光の光線となって巨大ワイバーンに命中するが致命傷までは行ってない。

「リック!空中だからうまく当てられないよ!」

「エリアごめん!俺もまだ飛ぶのに慣れてない」

姿勢制御しながら、体制を立て直す。エリアの放つファイアアローの反動が空中では意外と大きく放った瞬間に位置がズレてしまう感じなのだ。

完全に脅威として認識したぬいぐるみっぽい巨大ワイバーン3匹が俺達の方に向かって攻撃をしてくる。

1匹が大きな口を開けた

「リック!ブレスが来るよ!」

あまり扉に無茶をさせると扉が壊れるのでそれなりの力で急旋回をする。

今までブレスは使用していなかった巨大ワイバーンがファイアブレスを放出する。

「エリア!大丈夫か!」

「魔法壁があるから大丈夫だよ!」

「風の魔素さんお願い!エアカッター!」

「うぉぉ!エリア風系はダメだ、こっちの力も持っていかれる」

「ごめんリック!、でもワイバーンには効果あったみたいだよ!」

エリアのエアカッターはワイバーンの羽を切り裂き、1体の巨大ワイバーンは悲鳴を上げなら落下していく。的が大きい分当たりやすい事と、空気だから目視できず回避に失敗したのかもしれない。

俺がバランスを崩している間に、もう一匹のワイバーンの爪が俺の背中を掴む

俺は鷹に捕食された雀のようにがっちり捕まってしまう。

「エリア!ちょっと我慢しろ!」

「わかったリック!!!」

俺は扉が壊れないレベルで扉を羽ばたかせる

巨大ワイバーンを逆に引き上げるような感じの推力が生まれ、巨大ワイバーンが俺にぶら下がっているような状態になった。

巨大ワイバーンも必死に抵抗したが、俺のパワーの方が上だったらしく空中を5回転ほどした時点でワイバーンの爪が俺から離れた。

「チャンスだ!エリア」

「オッケー!リック 雷の魔素さんお願い! ライトニング!!」

光の光線がエリアから放たれ、巨大ワイバーンを貫く。貫かれた瞬間に高電圧と高熱により一瞬にして巨大ワイバーンが炭化する。

「エリア!雷系なら無反動で行けそうだ!」

「わかった!リック!」

2体倒した時点で残り1体がワイバーン隊の方にブレス攻撃をしようとしていた。

「危ない!」

エリアは即座にファイアボールを放つ。先ほどの雷系は発動までに少し時間がかかるのだ。

これは巨大ワイバーンの気を引くための物であり、ワイバーン隊を助けるためのファイアボール。

そのままワイバーンのブレス攻撃がこっちに向いてしまった。

直撃は俺はともかくエリアがまずい!


俺は即座に扉の羽でエリアを抱えこみエリアを守る

「ぐあああぁぁ!!」

ワイバーンのファイアブレスが直撃。エリアの魔法壁が砕ける。


「エリア大丈夫か!」

「リックに守って貰ったから大丈夫だよ!!」

扉の羽に火が燃え移ってしまい、アリシアさんの強化魔素も剥がれ始めてしまっている。

「エリア!あと1回が限度だ、次で決めるぞ!」

「オッケー、私はいつでも大丈夫だよ!」

「魔法壁展開!!!」

再びエリアが魔法壁を展開させ、俺は巨大ワイバーンに向かって急上昇し、一気にワイバーンとの距離を縮める。

巨大ワイバーンも俺の方に向かってさらに距離を縮めて来た。

俺は直角に方向を強制的に変えた。

「キャッ!!」

「大丈夫かエリア!」

「ちょっとびっくりした!」

あまり無理な飛行をするとエリアがもたないようなので俺は飛行方法を変更する。


そのまま上昇を続け、ワイバーンの背後を取りワイバーンにに向けて降下を始める。

巨大ワイバーンは俺達を見失ったようでキョロキョロしていたので

「エリア!チャンスだ」

ワイバーンは長い首で真後ろを見るように俺達を発見する

無茶な体制でファイアブレスを放とうとする巨大ワイバーン

「お願い雷の魔素さん! ライトニング!!」

光の線となったライトニングは巨大ワイバーンの頭に直撃。

ワイバーン自体が放とうとしていたファイアブレスの行先がなくなり、巨大ワイバーンは空中で大爆発してしまった。


「やば!距離が近すぎる!!!」

「きゃぁあああ!!!!」


最初の爆発は魔法壁でガードされたので防御には成功し何の問題も無かったのだが、その後魔法壁自体が消滅と当時に、扉の羽もバラバラに砕け散る。

「リックまずいよ!落ちてるよ!」

高度400メートル位。多分スカイツリーと同じ位。正直マズイ。

俺はともかく、エリアがマズイ。この距離だとワイバーン隊も間に合わない


「リック、落っこちちゃうのね。リックとなら大丈夫!」


俺はエリアを抱え上げ丁度お姫様抱っこの状態に切り替える。これで前方方向の自由が確保できた。

「エリア!俺にそのまま抱き着いて体を固定しろ!」

エリアの腕が俺の首に回り込みエリアの体が固定された事を確認する

そして俺は、ダメ元で空中に階段があるイメージで足を空中で踏み抜こうとすると

足元に空気の壁のような物があるのを感じた。あまりの高速で足が動いた為、空気抵抗で階段が出来たのだ!

「はっ!?」

落下速度が一気に低下。俺もびっくり。

「リック!落ちる速度がゆっくりになったよ!」

いや違う、正確には一度止まって蹴り上げた分だけ上昇している


何も無い所でエリアを抱えて空中ジャンプしている状態なので、凄くバランスが取りにくい。

「エリア!落下の時間は稼げるけど、バランスが取りにくい。風魔法で姿勢を制御できるか!」

「了解!やってみるよ!!」

エリアは1層魔法の風を出すだけの生活魔法の強化版を使用する。もちろん本人が空を飛んだりは出来ないが、姿勢制御するだけなら問題ない。

落下のタイミングを見て、おれは空中を踏み抜き速度調整しながら落下。変な方向に飛ばないようにエリアが横方向に風を出して無事に森の中に着地する事が出来た。


「やっぱりリックなら大丈夫だね!」

「まぁ何とかなったな」


地上に着地で来た喜びなのか、戦いが終わった後でリラックスしているのか、エリアの表情も和やかで明るい。

「エリアそろそろ降りるか?」

「うん?まだこのままで良いよ!」

エリアは俺にお姫様抱っこされたまま降りようとしなかった。


「二人ともケガはないか!!」

ワイバーン航空隊の人達が俺達を発見してくれた。

「その様子なら二人とも大丈夫だな!」

エリアをお姫様抱っこして森の中を歩いていたので、「おう、お二人さん熱いねぇ」って感じに航空隊の人の表情も変わったように見えたけど。

でも、ワイバーン隊の人は俺達が生きていた事に驚愕していた。ダメ元で捜索していたらしい。


普通にあの高さから落ちれは死ぬよな


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