ワイバーン戦後の凱旋
プ・リンタの街に戻るとそこは既にお祭りモードになっていた。
投影魔法が使える魔法士が俺達の戦いを街の中で実況していたらしいのだ。
「英雄リック!英雄エリア!万歳!!!」
「イヤッホウ!!!!」
「ありがとう!!助かったぞ!!!」
ワイバーン隊の人が街の中心に俺達を降ろす
既に、キャノや仲間たちは俺達の帰りを待っていた。
「リックさん!心配したのですよ!!」
アリシアさんが涙顔で走り寄ってきて抱き着いてきた
「アリシアさん心配かけてごめんなさい」
投影されて戦況を見ていたのだが、それほど大きくは見えなかったようで、最後に落下したときはそのまま投影魔法の範囲外まで飛ばされて最後の着地までは確認できなかったらしい。
キャノが俺達の戦いの事、無事の帰還を大衆の前で発表する
「リック!エリア!この度は良くやってくれた!、お前達はこの街を救った英雄だ!」
「うぉおおおおおおおおおお!!!」
街の人々と歓声が大きく響き渡る
「今日はこのキャノーラの奢りで戦勝会だ! みんないいな!!!」
「うおぉっぉおおおおお!キャノーラ様サイコー!!!」
「リック!エリア!万歳!!!!!!」
再び熱い拍手と歓声が巻き起こる。
日も夕暮れ、街の中では宴会準備で大騒ぎだ
「英雄リック!エリア!ありがとな!」
何年かに数回ワイバーンの襲撃があるらしく、そのたびに町が燃やされ、餌として食われてしまう街の人々がいるので、今回の巨大ワイバーン襲来では多数の被害が予想されていた。
元々野生のワイバーンは航空隊で飼いならしているワイバーンよりも倍位大きく、かなりの脅威になっている。ほとんどの場合縄張りの山岳地域を離れないらしいので、こちらから討伐に向かうという事もしない。今回は従来の倍サイズを更に倍にしたらイレギュラーなワイバーンだったため、街の人々も一時はどうなるかと、とても心配していたそうだ。
数時間前に先ほど討伐したワイバーンの一部が到着した。
航空隊の人達と衛兵の一部の人達は討伐したワイバーンの死骸を回収に向かっている。
航空隊の人達が使っているワイバーンが5~8メートル位なのに対して、今回討伐したワイバーンは全長25メートル以上あるみたいだ。25メートルプールの中にこいつがゴチャンと入っているイメージを思い浮かべると、いかにデカイ魔獣なのかがわかる。
「このワイバーンはこれからどうするんだ?」
「リックさん!食うんですよ!みんなで食いますよ!」
「野郎ども!さぁバーベキューの準備だ!!」
冒険者協会の人達が鑑定や素材部位を切り取り済みなので、料理職人の人達が手早く裁いていく。
ワイバーンの肉は次々とブロック状に切り分けられ、料理人達に分配されていく。
「ワイバーンの肉って青いんだな」
「魔獣の肉は魔素の影響を強く受けているからな、魔法士の話だと風や水系の魔素は青っぽいと聞くぞ」
解体している料理職人がそんな事を話してくれた。
「まぁ難しい話は無しだ!ワイバーンの肉なんかめったに食えないぜ!」
そして俺とエリアは、キャノの衛兵隊に連れられ広場の中央に用意された特別席に案内される。
「英雄の登場だ!」
「イェーイ!!!」
「よーしみんな集まったか!、酒の準備はOKか!」
「おーーーーおおおお!!」
キャノが町民をまとめる。さすがお姫様。
「めんどくさい話は無しだ!英雄リック!エリアに乾杯!!!」
「かんぱーーーい!!!」
そして宴会が始まった
大皿に乗ったワイバーン料理、見た目青い肉。焼いても青いんだな。なんか一層青くなっている。
恐る恐る食ってみると
「うまい!、鶏肉なのか?」
鶏むね肉に近い感じがするが、ふんわり柔らかく焼きあがっている
臭みが少々あるのはこの時代では仕方ないので諦めているが、それにしてもあの魔獣がこんなにうまいとは思わなかった。
「おいしいね!リック!。もっと食べなよ!」
エリアが肉を刺したフォークを俺の前に近づける
もしかして食えと?
「ほらほら!リック!!早く!!」
俺が恐る恐る食っていたのでエリアが俺にもっと食えとワイバーン肉を差し出したのか?
エリアのフォークに刺さっていた肉を俺はパクリと食べる。
「おお!!お二人さん熱いねぇ!!」
周りのテーブル席にいた人たちが沸きあがる。
「こんな美人の彼女かい!うらやましいぜ!!」
「ヒュゥーーヒュゥー!!」
「もう一回見せてくれよ!!」
「アンコール!アンコール!」
開始10分も経っていないのに、もう酔っ払いが多数みられる。
「リック殿、こいつら始まる前から既に飲んでるから気にするな」
キャノがジョッキ片手に、俺に酒を勧めてくる
「姫様に酒をもらうなんてもったいない」
「そんなことを言うな!今日は無礼講だぞ!!」
「アンコール!アンコール!」
「リック、それじゃ、あーんして」
エリアがフォークにブッ刺した肉を片手に笑顔で待っている
「じゃ頂きます」
笑顔でパクッと頂き、エリアが笑顔で答える。うん可愛い。
「本当に良い彼女さんだねぇ!英雄リックうらやましいぜ!」
「お姉さん、将来はお嫁さんかい!」
「二人の協力でこの町は救われたからな!!」
「再び乾杯!!!!!」
「リック、まだ食べる?」
違うテーブルに座っていたリーザさんとアリシアさんがずっとこっちを見ている。
ちなみにトニーとマイは逃げたのか?知らない冒険者の席で酒を飲んで騒いでいるようだ。
「うーん、とりあえずあーんはやめようか」
「なんで?、いいじゃん!」
エリアが上目遣いで聞いてくる。エリアも美少女なのでそんな上目遣いで来られるとちょっと緊張してしまうぞ。
「リック殿!こっちに来てくれ」
キャノが助け船を出してくれたのか?良くわからんけど助かった
「エリアすまない、キャノの方に行かないとマズイみたいた」
「わかった!私も一緒に行くよっ!」
なぜか今日のエリアはべったり張り付いている。もしかして酒が入っているのか?と思ったら酒ジョッキが開いていた。
そういや、乾杯の時に一気に飲んでいたし、その後も周りの人から色々注がれていたな。
「二人とも仲良しだな」
「きゃ!キャノさん仲良しだなんて!私とリックはそのうち結婚するよ!キャハ!」
「ちょっと酔ってるみたいだから本気にするなよ」
「まぁ二人ともうまくやれよ」
「うん!結婚するよ!」
「あれ、アリ姉とリザ姉どうしたの?」
「エリアちゃん飲みすぎ?あっちで少し休もうか?」
「全然ダイジョーブ!!」
エリアはブイサインをしている
「キャノ、リックをよろしく頼むぞ」
リーザさんはエリアを引きずって別のテーブルに移動してしまった
「キャハ!リックぅまた行くねぇ!!!」
意外と酔っぱらっていたようだ。
そして宴会の夜は更けていく
その後、俺はミリアとアリシアさんに監視されていたので、街のお姉さん達のとの交流は一切出来なかったけどね。




