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異世界転移は意味不明 ~レベル社会で生活できるようにかんばります~  作者: els


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オーガ族の料理

俺達はメイドさんに連れられて食堂に案内される。


長いテーブルには見たことのない料理が並び、さすが王族言った感じである。


「リック!なんの料理だろうねこれ!」


エリアはいつもの調子だ。

 人間族の世界の料理を知っている訳ではないが、俺が居た現代の料理とも違う物が並んでいる。

中にはこれ食えるの?って感じの色の物まである。


 トニーが俺の隣に座ろうとしたらリーザさんの無言の圧でどかされる。

男同士で良いじゃないかと思ったが、どうやらそうでも無かった。

左右にリーザさんアリシアさん、反対側にミリアとエリアとマイ。トニーは端に追いやられてしまっている。

お誕生日席にキャノが居る。本来ならキャノの近くに俺が居ないとマズイ気もするのだが、席の関係でリーザさんとミリアが一番近い。まぁ真隣りでは無く少し離れているけど高レベルのリーザさんと大魔導士?ミリアなら丁度良いかな?


「簡単ではあるが、この地域の食材を使った料理を用意させてもらった、今夜は親睦も兼ねて料理を楽しんでもらいたい」

キャノが軽く挨拶をして、そして乾杯で食事が始まる。


 この世界に来て思ったのが、冒険中は魔獣なんかも食わなければならない事がある。

俺の田舎では昆虫(イナゴ等や蜂)を食う習慣があったので幼少の頃は爺ちゃんと一緒に食っていたのでそんな意味では変な物も食える自信はあった。

普通、獣の血の色は赤だったりするが、この世界の魔獣の血の色は紫だったり緑だったりする。だから肉の色なんかも見慣れない色の肉があったりするのだ。


 最初の頃は凄く抵抗があったが、食う物が無ければそれを食うしかなかったので我慢して食ってみた記憶がある。

魔獣以外にも獣系も普通に居るので、そいつらは赤い血で普通の色の肉なのですぐに、獣か魔獣かで判断が出来る一つの情報だったりするのである。


 ここに並んでいるのは全部魔獣系の肉だ。色が鮮やかだ。

薄切りにされた野菜の上に乗せられた緑色の薄切り肉が配られる。


「オーク肉のローストでございます」


執事のヒューレさんが説明してくれる。

オークってアレだよな。2本脚の人型のモンスターのあれだ。人型を食うのはなんとなく抵抗があったが、出された手前拒否するのも何なので食ってみる。

「おお、うまいなこれ」

他のみんなは抵抗なく普通に食っていたけどな。


「お食事中のお飲み物は何にいたしましょうか?」

メイドさんが声をかけてくる。

「渋みの少ない辛口の酒ってありますか?」

この世界に来て思ったのが酒の種類が少ない。冒険者がらみだから値段的にそういう価格帯の物しか無かったのかもしれないが、濁ってる系のビールや穀物を発酵させて作る酒が多い。果実酒のような葡萄酒系は少し値段が高いと言う感じだ。

ここで最初に出された酒も葡萄酒。甘味が結構強い。女性率が多いからそうなったのかな?


「ドワーフ族が飲用している火酒と言う物がありますが、ご用意しましょうか?」


「おお、火酒があるのか!」

トニーとマイが真っ先に反応した。地元に帰れば普通に飲める酒らしいが、こっちの世界ではまず見かける事が出来ないほど高価な酒なのだとか。凄く強い酒なので飲むのにも注意が必要と言っている。

 用意された酒は琥珀色の液体だった。

「まさかウイスキーなのか?」

「普通はビールやワインのように飲む酒じゃないぞ」

とトニーから注意が来たが、ドワーフ族はこれを水のように飲むらしい。

もちろん、トニーとマイもこれを普通に飲むようだ。

「メイドさんすいませんが、水も一緒に貰えますか」

俺は火種をグラスにそそぎ、軽く口に含ませ味と香りを楽しむ。

「まさしくウイスキーだ。この世界も蒸留が出来るんだな」

「リック何ブツブツ言っているんだ?、火酒はそんなにチビチチ飲む物じゃないぞ!」

トニーは良いとしても、マイがこの酒をジョッキのようなグラスに注いで普通に飲んでいる。


さすがドワーフ族のハーフ、酒が恐ろしく強い事で・・


ちなみに火酒とは、口から火出そうな位強い酒という意味合いもあるのだとか。

「これを飲んだらビールなんか水と同じだぞ」

トニーも火酒以外は水と言う。


「俺はこれを飲みやすい具合に水で割るぞ」

「そんなもったいない事するなよ!味薄くしてどうするんだよ!」

まぁ言われるよね。せっかくアルコール濃度が高い物を水で薄めるなんてってのは。高価な酒ほどその傾向が強い訳だけど、俺は水で割る。

「レモンがあれば女性も飲みやすいんだかな」

メイドさんが反応してくれる

「レモンとは何でしょうか?」

「柑橘系の果物で酸味の強い物があれば良いのですが」

「そのままでは食用に適さない酸味の強い果物ならありますが、ご用意しましょうか?」

そんな訳で持ってきてくれたのがグレープフルーツのような香りの酸味の強い果物で本来ジャム等に加工するそうだ。

何個かにカットしてもらって、先ほどの水割りに絞って入れてみる。

「おいおい、リック最低だぞ、なんだよそれ!」

完全にトニーは呆れている。

「肉料理に合いそうだな、果物の酸味の中にアルコールが抜けてくる感じだ」

「私も試してみたいです」

「アリシアさんお酒大丈夫ですか?火酒ベースなので結構強いですよ」

アリシアさん用に火酒の水割りのような物を作り手渡す

「すっきりしていて飲みやすいですね。果物の酸味が効いているのでお食事中の口直しとして丁度よさそうですよ」

「気に入ってもらえて良かったよ」

確かにこの世界の肉料理は肉の臭みを消すために色々な香草を使っていたり、味が濃かったりする。魔獣系の肉はそれがバカ正直に出てしまい、それこそいろんな下処理がされている。

その物の姿が残っていると流石に食えるのかわからないけどね。


「本日のメインのグリーンドラゴンもどきのステーキです」

「おお、グリーンドラゴンって食えるのか!」

「【もどき】ですけどね、さすがにグリーンドラゴンは食べられません」

トニーとメイドさんがそんなことを言っている中、俺の心境としては


こんな色の物食えるのか?

良く言えば赤紫色、悪く言えば蛍光レッドとパープル色、元居た世界で言うアメリカンな菓子や飲料がこんな色をしていた記憶がある。肉としてみると毒々しい色をしている。

料理長がその場でカットして、下味を付けた後に鉄板で焼いてくれるようだ。

ろうそくの明かりの下で見る、グリーンドラゴンもどきの肉は蛍光レッド・蛍光パープルの怪しい光を放っているので余計に不気味に見える。初めて食った人もスゲーなと思うが。

「リック殿、ドラゴンもどきのステーキはどうだ?」

心配したキャノ王女が声をかけて来た。


まぁ、俺自身ドン引きだったし。


「このような珍しい料理を見たのは初めてでして、どんな味がするのかとても楽しみなので」

何となく誤魔化す。


「うちに狩猟部隊が久しぶりに入手したグリーンドラゴンもどきだからな、口に合うと良いかもな」

この世界に来てから牛とか豚のような家畜を見ていない。馬は馬車で見かけたが、肉と言えば獣か魔獣のような物しか食った事が無いからだ。


ちょっとその辺についても聞いてみようと思う

「こっちでは、家畜はどのような種類があるんだ?」

「そうだな、牛・鶏・猪・ヤギ等があるな、牛は労働用、ヤギは乳用、鶏は卵用で食用肉としては猪が多いが、猟で魔獣が豊富に獲れるので食用の肉としてはあまり見かけないな」

この世界のシステムなのか、わざわざ育てるよりも湧いて出て来た魔獣を狩った方が効率が良いという事なのか。


と、言う事は今まで露天で買って食った肉類は何の肉だったのか少し怖くなるな。


俺は、蛍光紫色の肉汁が出るグリーンドラゴンもどきステーキにナイフを入れる。

見た感じとてもジューシーな感じなのだが、色が何とも言えない。

繊維が堅そうなイメージだったが、思ったよりも簡単に肉をカットする事ができる。

蛍光赤、蛍光紫色に光を放つ肉を口に中に投入。

「おお、美味ししい」

口の中で肉汁が広がり、若干噛み応えのある肉ではあるが、繊維が残るような肉ではなくしっかりと噛み切れる肉の程よい堅さ。牛で言えばロースに近いだろうか。脂身も少なくさっぱりしていた。

ただし、味自体は大人向けな味付けで、この時代の味付けとしては濃い。

まぁ食材を見た目で判断してはいけないと言う感じ。


「リック殿に気に入って貰えたようで安心したぞ」


ちなみにトニーとリーザさんは争うようにバクバク食っている。お代わり自由なのか、良く見るとマイやエリアも2皿目を食っていた。コース料理の食い方じゃねぇな。

「沢山あるから心配するな。なっ、料理長!」

いつの間にかバーベキューになってる気もする


おれはドラゴンもどきステーキを一口サイズにカットして酒のツマミにしていると、料理長が一口大に切った肉を串焼きにして持ってきてくれる

「冒険者の方はこのような形の方が食べやすいですかな」

「ええ、助かります。」

「料理長、私にもくれないか!」

「私も!」

「俺も!」

トニーがバカ食いなのは分かる気もするが、リーザさんのあの細い体の何処にあの肉の量が入るのか不思議なのだ。あれだけ食っていて全く体形が変わらないように見える。


アリシアさんなんかは普通に食べているようなんだけど・・・

「アリシアさん?あなた何杯目ですか!」

火酒の水割り柑橘搾りをかなりの量を飲んでいた


「りっくさん、これ美味しいですねぇ~!」

「メイドさんお代わりお願いしますぅ~」

ドラゴンもどきで盛り上がっている中、彼女は飲料水のように水割りを飲んでいたようだ。

「ねぇねぇ、りっくさん!最近はミリアと一緒にいる事が多いですよねぇ」

「そんなことは無いですよ」

「だってぇお風呂であんなに仲良くしてるのずるくないですかぁ」


さっきの風呂場での事を気にしているのか?

「そんな事はないですよ。みんな大事に思ってます。ミリアだけ特別とか無いですし、アリシアさんともきちんとしたお付き合いをしたいと思っています」


「えっ?お付き合いですか!?」

アリシアさんの顔が更に真っ赤になっていく。

「リック殿言うのぉ。今のアリシアは思考レベルがそこらのガキンチョレベルじゃぞ。多分都合の良い方でしか言葉の意味をとらんぞ」

ミリアがグラス片手にニヤニヤしながらそんなことを言っている

「私とリックさんがお付き合い・・・」

アリシアさんも何かブツブツ言っている。さっきよりは落ち着いている感じなのかな。


酔いが覚めたらみんな忘れてくれている事を祈るしかない


王女様が開いてくれたお食事会だったが、そんな上品さをぶち壊す流れで結局大騒ぎになってしまった。

リーザさんとトニーは串焼き肉何本食えるかとか

マイとエリアは後から出て来たデザートをビュッフェ料理でスパートをかける女子そのまんまで食いまくっている。ちなみにマイは片手にケーキ、火酒をジョッキで飲んでいるし。

キャノもそれを見ていて楽しそうにはしていたが、後ろのヒューレや料理長は少し引いていた感じだったのは言うまでもない。


そんなわけで楽しいお食事会は終わった。


オーガ族の肉事情もなんとなくわかったし、こっちで肉を買う時は元の材料を聞いてから買う事にした。魔獣と言えど人型はなんか抵抗あるじゃん。



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