温泉の時間
火山の近くで地下水が温水と聞けば、多分それは温泉!
屋敷のメイドさんに案内して貰って、使用人用の浴場へ移動している。
「いや、温泉だよ温泉~」
「こちらでございます、使用人用ですので使用人等も利用しますので、その辺はご理解下さい。」
「大丈夫わかってるよ!」
扉を開けると脱衣所が有る。この辺の構造は万国共通なのか異世界でも同じようだ
脱いだ服を入れる箱があったりするので使用ルールは同じなのだろう。
違うのは箱の大きさが凄く大きい。この辺は服装も違うし付き人によっては装備品の一部も入れるから大きいのかもしれない。オーガ族には大きな種族もいるらしいし。
脱衣所の状態から多分、俺一人。
「イヤッフォー!!」
この独特の香り、間違いなく温泉だ。脱衣所から期待を胸に浴室に入る。
そこには露天風呂が広がっていた。メイドさん曰く、粗末な作りという話だったが、そりゃロクな囲いもなければ屋根も無い。
露天風呂だよ。
そりゃこっちの世界の人から見れば粗末かもね。
街の中にある屋敷だったけど、敷地が半端なく広いので囲いが適当でも周囲から見られるような事もないのだ。
俺はサポン石鹸で良く体を洗い、露天風呂に飛び込む。
「体に染み渡るねぇ」
空を見上げると無数の星空が広がる。現代社会では絶対に見られないような星の数。星座については詳しくないので、もし同じような星座を見つけられたら楽しいかもしれないなとか思っていたけど、さっぱりわからなかった。異世界だからね。
「これで日本酒でもあれば最高なのだけどな」
「日本酒とはなんじゃ?」
「ミリア、なんで、ここに?」
「お主は知らんのか?このような風呂場は男女共同で使う物じゃぞ」
そう言えば、昔の日本も基本混浴だったという記憶が何となくある
「もしかして他の女子達も居るのか来るのか?」
「トニーとマイは種族的な風習で来ないようじゃが、エリアとマイは自室の風呂に入って遊んでいたようじゃな。」
まぁミリアだけならいいか。こんな体していても骸骨だからな
「日本酒ってのは俺の故郷の酒だ」
「ほう。日本という場所なのか?知らんなぁ。妾もこの世界の色々な所に旅に出ていたが、日本という場所の記憶は無いのじゃ」
「ああ、とても遠い場所だ」
「どんな酒なのじゃ?」
「米と言う穀物を発酵させて作る酒だ、甘い物から辛口の物まで発酵の時間や水の成分で色々な味が有る酒だ」
「ほぉ、面白そうじゃの。妾も飲んでみたいかもしれないのぉ」
「米が手に入れば作れるかもしれないな」
その後、俺は久しぶりの温泉で気分が良かったのか故郷の話をしてみたり、ミリアの昔話を聞いたりしていた。
「ミリアさんばっかりずるいです」
「おうずるいぞ」
そこにはアリシアさんとリーザさんが居た
「おおおうおおお!!なぜ二人も居るんですか?!」
「部屋の風呂をマイとエリアが使っていて、こっちに入りに来た訳だ」
「ミリアさんはリックさんと楽しそうに話していましたよね?なんかずるくないですか?」
「私は普段リックさんとほとんど話せないし、旅の途中はリーザさんが隣に居たりして」
なんか今日はアリシアさんが妙に絡んでくる。
アリシアさんは後方支援なので探索中等はほとんど俺の後ろの方に居るが、リーザさんは前衛か中衛の事が多いので俺と結構話をしていたりする。
「実はリック。アリシアのヤツ、ここに来る前にワイン飲んでるんだよ」
「リーザさん何コソコソ話をしているんですか!?」
「おーー、酔っ払いじゃの」
あのアリシアさん全裸なのですから少し落ち着きましょう。違う意味で俺に落ち着きが無くなります。
ナイスバディ美女3人に囲まれると俺も落ち着きが無くなってしまうよ
と言うより、ここの風呂場、入口が違うだけで露天風呂は共通な事に気が付く。
洗い場は別になっていて、露天が一緒とは普通は気が付かないよ。
アリシアさんも泥酔している訳ではなく、お酒が入ってちょっと勢いが付いている程度
良く見ると二人とも水着のような湯あみ着を着ている。ただ、この二人各部のサイズがデカくて色々見えそうだから、目の行き場に困る。
リーザさんは普段から露出多めの服装だから慣れてはいる、この世界の冒険者はほとんどそんな感じ。酒場なんかで装備を外している時はタンクトップみたいなシャツの女性が多かったり、へそ出しとか当たり前の軽装だったりする。
しかしアリシアさんは、その辺しっかりしているので逆に、こんな姿で現れる事はほとんど無い。一緒に住んでいるが良いお姉さんって感じ。元々良家のお嬢様だったから厳しかったのだと思う。
「わたしもリックさんの故郷の話が聞きたいです」
アリシアさんのリクエストもあり、さっきミリアと話していた内容をちょっとプラスして、現代の話ではなく少し昔の歴史の話を混ぜてこの時代風に合わせて文化とかの話をしたりしてみた。
彼女たちは遠い異国の話として理解してくれたようだ。さすがに現代の話をすると面倒になりそうなので、その辺の話はもうちょっとあとからにしようと思っている。
そんな訳で美女3人に囲まれては居たが、割とリラックスした露天風呂を楽しんだ。
そして露天風呂から上がり、部屋に戻って来る
「リック!長い風呂だったな!、」
「露天風呂で開放的だったぞ」
「そっか!、外風呂なのか。落ち着かなくないか?」
そりゃそうだ、普段冒険者で外で全裸になるなんて自殺行為だからな、トニーから見れば外で裸になるなんて異常行動だと思われても仕方ない。
ちなみに混浴の事は特に言われない。この世界では常識だからだ。
後々聞いてみたが、トニーとマイは小さい頃から風呂ではないが水浴び等一緒にしているので、特にそういう事に関しては気にしていないようだ。俺は見たことが無いが、気温が高い時期は川や湖で男女問わず水浴びをしているらしい。
まぁ覗くのはマナー違反らしいけど。
こんなバカ話をしていると、ドアがノックされる。
「リック様ご一同様。夕食の準備が出来ました」




