オーガとの戦闘
俺とオーガ族の女戦士が代表になり一騎打ちが始まった。
オーガ女戦士とは20メートル程離れているだろうか?リーザさんが投げた木の棒が落下すると同時に高速で走りこんでくる。
俺の頭に危険信号のような良くわからない物が流れ込んでくる。ミリア戦の時と同じ、何か対処しないと死ぬかもしれない信号だ。動きはスローなのだが、女戦士の剣が俺の目玉めがけて向かって来るのを確認した。若干ゆるキャラ化している女戦士は20メートルを1秒もしないで俺の目の前まで到達し俺の眼球に向かって剣を振るう。
いくら俺が頑丈でも眼球を潰されたらひとたまりもない。動き自体はスローに感じていたが実際に気が付いて避ける事が出来たのはかなりギリギリだ
「あぶない!ギリギリだぞ!」
「あの野郎姉御の初手を避けやがった」
そのまま眼球を外した剣は振り下ろされ、俺の首を跳ねるかの軌道を描くが、おれはその剣を自分の剣ではじく事に成功する
カキーン
と高音が森に響くと、オーガ女戦士はそのままバックステップで距離を取る。
相手は俺を殺すつもりで攻撃してきているが、俺はオーガの女戦士を殺したくない。
姉御とまで言われている立場のオーガだ、きっと立場が偉いのだろう。
次の瞬間に初手よりも速い攻撃が来る。今度は警告のような物なし。俺の頭の中が完全に戦闘モードに切り替わったので動き自体も把握できる速度になっている。
俺は女戦士の手甲を剣の横で叩き、女戦士の武器を無効化しとうする。手甲を叩かれたオーガ女戦士はこの一撃で手がしびれたのが、両手で持っていた剣を叩かれていない方の片手でにぎっている。
仮面をつけている為、表情は読み取れないが、明らかに一撃入った。
オーガ女戦士は持っていた剣を俺に一直線に投げつけ、2本目の短めの剣を抜く。
投げつけられた剣を、俺は指先2本でキャッチしそのままリーザさんの方へ投げる。
「!!!?」
明らかにオーガ女戦士は動揺している感じだ。
2本目の小ぶりな剣で俺に切りかかってきたが、俺はそれを楽に避け、すれ違い際に彼女の兜の紐を切断。彼女の兜が飛ぶ。
兜で良くわからなかったが、美しい黒髪が表れる。人間族と異なるのは頭から角が生えているという点だけ。
「これ以上の戦いは無意味です。武器を取られた時点で勝負はついているでしょう!」
俺はそう提案してみるが、オーガ女戦士は全く納得していないし、周りのオーガ達も勝負はこれからだという雰囲気が漂っている。
「ふん!たかが兜を飛ばした位で勝ったと思うなよ!」
リーザさんの言う身体強化がかかっている状態の俺には、オーガ女戦士の振るうショートソードの攻撃は発泡スチロールの剣のようしか感じてない。凄く脆い感じなのだ。
高速に振り下ろされるショートショードを俺は自分の剣でスパッと軽く切断。
俺から見ると薄い発泡スチロール剣を切っている感じでしかないからだ。
オーガ女戦士のショートソードの切断と同時に彼女のローキックが飛んでくるが、俺は女戦士のプレートメイル上から腹部を軽く殴り上げる。ローキックの攻撃で俺は後方に蹴り飛ばされ、女戦士も後方に吹き飛ぶ。
ちなみに俺は直撃すると痛そうなので自分で飛んだだけだ。
女戦士は吹き飛ばされ、そのまま地面を2・3回転して停止
「姉御!大丈夫か!!」
プレートメイルが拳の形に変形し、呼吸が難しい状態になってしまった為、彼女はプレートメイルを脱ぎ捨てる。
「フン!問題ない!」
プレートメイルを脱ぎ捨てたその下から出て来た体は、リーザさん並みに鍛え上げられた体とやっぱりナイスボディ。チェインシャツを着ていていもその体形がはっきりわかる物だった。
「こいつLV3なのかありえない」
「もう本当にやめましょう。これ以上は本当にケガをします」
「オーガは戦闘民族だこんな強敵にはめったに出会えん、最後まで戦え!」
やばい、戦闘民族「ヤサイ人」じゃないんだぞ、「おらワクワクしてきたぞ」のノリなのか?
あのボディに攻撃を加える事は俺自身も嫌なのだ。女性という事で躊躇いが生じてしまう。
「リック!何を動揺している!相手が女だからか!、いまは戦いの事だけ考えろ!」
リーザさんからお怒りの助言を頂く。
グーで殴るのではなくパーで叩く作戦に変更
次の攻撃の時には顔面をパーで叩き、仮面が千切れ飛んでいく。
この攻撃でオーガ女戦士の素顔が表れた。
美しい顔立ちで黒髪の美女がそこにいた。
「貴様!!!」
そのあと俺は連続でビンタ攻撃。
森の中に
バチーン
ブチーン
ドチーン
ととてもビンタとは思えない重厚な音が響き渡る。これくらいで叩かないとダメージにならず、平気で立ち上がり俺に攻撃を仕掛けて来るのだ!
下手に体を殴ると手加減がわからない俺はオーガを殺してしまうかもしれないので、目視可能な顔ばかりを叩いてしまう。
オーガ女戦士も何度も殴りかかって来るが、ついに動きが非常に不安定になってくる。
俺が平手で叩き続ける度にオーガ女戦士の顔がどんどん腫れあがり、試合後のボロボロのボクサーのように目蓋や唇が数倍の大きさに膨れ上がっているのだ。そんなのを見ると痛そうで力が入らなくなってしまう。
「リック!相手が痛そうだからと下手な力加減をするな!」
再びリーザさんから怒られる
「貴様!舐めたマネをするな!」
相手からも怒られる
オーガ女戦士のダメージは想像以上に大きかったようだ。連続ビンタによる脳の揺れ、目蓋の腫れ等により視界や思考もハッキリしていない状態だったのだろう
俺は心の中で「ごめんなさい」と思いつつ、手を振りぬいた。
オーガ女戦士には俺の攻撃でなくても回避できる余裕は無かったのだろう。平手打ちを回避行動も取れずに直撃を受けたオーガ女戦士はそのままダウン。腫れあがった彼女の顔を見ると痛々しい。
「姉御!大丈夫か!」
「大丈夫だ、殺してはいない。気絶しているだけだ」
オーガ族パーティリーダだと思われる女オーガを気絶させた事でこの戦闘は終了する。
仲間の男がすぐに回復ポーションらしき物をふりかている。
みるみるウチに顔の腫れが引き、彼女は眼を覚ます。
「私は負けたのか?」
「ああ、俺の勝ちだ。約束は守ってもらうぞ」
「オーガ族の誇りにかけてそれは守ろう。お前達も依存はないな!」
「はい!姉御!」
ビンタで気絶させる形になるが、オーガ族との一騎打ち勝負は俺の勝利となる。
書いていて可哀そうになってしまいました。




