オーガ族の調査へ(オーガ国編)
約1か月ぶりにトニーとマイが合流する。
トニーとマイ用の家が決まったそうで、引っ越しやらいろいろやっていたのと、こっちの街の方が住みやすいと、ドワーフ一族に話をしたら、ドワーフ族の一部も遺跡街の方に引っ越しを始めたそうだ。
まだ食料事情が安定していないので必ずしも住みやすい訳でも無いのだが、上下水道完備の新築に住めるのは魅力的。ちなみにこの町からもダンジョンの一層から入る事ができるので12層の地下街よりも鉱物資源が採取しやすいのだとか。
今日はリーザさんが緊急クエストを受けるという事で、俺達にもお呼びがかかった。そんなわけで冒険者組合で待ち合わせ中という感じだった訳。
「久しぶりだな、トニー、マイ」
「リック、体はなまってないか?」
「ああ、問題ない。何かとこっちも忙しかったしな」
「なら大丈夫だな!」
リーザさんが横からクエストの依頼書を机に置く。
オーガ族の調査依頼 と書かれた依頼書がそこに置いてあった
「えっと、リーザさん?オーガ族って何ですか?」
「リックは知らないか。人間族に角が生えているような種族をオーガと呼んでいる、体長は私達と同じ位から大きい物は2メートルを超える。知能は高く、オーガの国があるとも言われているのだが、ミリアがこの辺を支配していた為、ここ数千年は交流が無い。
時々少人数のオーガが表れる事があるが、きわめて狂暴な為、討伐対象になっている種族だ。」
「その、オーガが遺跡街周辺で多数が出没しているという情報があった。ただ、国があるという情報があるので、今回は慎重に調査したいと言う事で私に直接調査依頼が来たわけだ」
人間族以外の国というのは興味がある。この街や地下街は他種族の街だから、人間族以外の種族の集まりのような場所が有ってもよいはずだからだ。
今回からデンジャーゾーンにミリアが参加する事になり、俺、エリア、アリシアさん、リーザさん、トニーとマイ、そしてミリアの7人編成となる。パーティとしては大きい方になりつつある。
馬車は使えないので徒歩での移動となり、久しぶりの冒険だ。
出発の準備はできているので即出発となる。
遺跡街の人間族側とは逆側のゲートをくぐり森に入る。まだ未整備・未開拓状態なので森がうっそうと茂っている状態だ
俺達は森に入ると以前と違う雰囲気を感じた。以前は全く生き物の気配を感じなかったこの土地も、生き物の気配を感じられるようになっている。数千年に渡り、動物が生息していなかったので、食べられる植物が豊富にあるこの土地は野生動物たちが食べ物を求めてどんどん入ってきているし、それを食料とする魔獣などの動きも活発だ。この森も遺跡街と同様に移住ラッシュが始まっているのかもしれない。
険しい森の中を道を開きながら進んで行く。時々他の冒険者が野営したと思われる場所があったりしていて、もうこんな所まで探索が進んでいるのか!とも関心した。
レベルの高い冒険者たちは野営した事さえも悟られぬように行動しているみたいだけど、リーザさんに何かの形跡を指摘されると、「ああ、これも野営の跡なんですね」という感じにわかる。
マズイ保存食も携帯していたが、幸い森の中には人間が食べられる木の実や果物も沢山生えていたので幸い食料には困らなかった。
今回はフライちゃんも同行しているので森の探索が非常に楽だった。ミリアが命令するとフライちゃんは飛んで行き、方角や地形を正確に教えてくれる。森の中で方向を見失うのは命の危険が伴うのだが、この辺はフライちゃんの働きでかなり楽をする事が出来たのだ。
「フライちゃんかわいいね!」
『ワタシ、カワイイ!!』
エリアがフライちゃんをかなり可愛がっている。ちなみにリーザさんは怖いらしい。人形がしゃべつたり飛んだりするのは、やっぱり受け付けないっぽい。
「フライちゃんすごーい!!」
『フライはスゴイんだヨ!」
「フライちゃん速い!!」
『エッヘン!もっと速く飛べるゾ!」
等とエリアが褒めまくっているので、フライちゃん自体もやる気満々だ。
「俺やる事無くねぇか?」
トニーが本来やる事をフライちゃんが空から確認してしまうので、索敵等もかなり楽になってしまっている。
「上からだけは確認できない事多いからな、トニーが居ると助かるし安心できるよ」
「そっそうか?。じゃぁ仕事して来るわ」
トニーが魔獣を見つけると、エリアとアリシアさんに優先的に攻撃してもらう。この二人だけレベルが低いのでレベル上げも兼ねている。ちなみに俺は何をやってもLV3のままなので、もういいやと優先順位をパーティメンバー中心のレベル上げに切り替える。
エリアの場合、攻撃系魔法は火系と雷系の魔法が強力で、闇系はダメっぽい。ミリアの操る闇系の魔素に関しては相手にしてもらえないと話していた。彼女の場合、恐ろしい事に焼くのではなく溶かすに特化してしまい、燃える前に蒸発してしまうような強力な火魔法を使う。
彼女のファイアボールは赤ではなくて白に近い色をして、魔獣に当たった瞬間に魔獣を貫通して消えてしまうのだが、熱量が非常に高い為見た目が小さな傷跡でも内部は焼けてボロボロになるか炭化するようなファイヤーボールなのである。
彼女の放った高速な光の玉に当たると、魔獣は一瞬で体の内部を焼かれ、絶命に至るのである。
アリシアさんはショットガンによる攻撃。彼女の場合は貫通性の無い弾による攻撃なので、エリアほどは強力な攻撃は出来ないが、魔法詠唱が無いので攻撃スピードが速い。
弾の破壊力自体もアリシアさんがその場で鑑定・分離・結合で決定できるから、威力を変えたり、効果を変更したり色々できるようだ。ただ、彼女の攻撃は基本炸裂弾なので、注意しないと仲間にも被害が及ぶ可能性があったりもする。
この辺の魔獣であればワンショットでバラバラに出来る威力なので、彼女に攻撃されると討伐証明や魔獣素材の回収が難しくなる場合もあるので、その辺は調整して攻撃してもらってはいる。
エリアが攻撃すると魔獣の炭化死骸が出来上がり、
アリシアさんの攻撃はスプラッターなバラバラ肉片の出来上がり。
この人たちの攻撃力はレベルと釣り合っていないと思う。
こんな事をしながらオーガが表れたと思われる場所の探索を続けて行くのである。
全17話構成の予定です。宜しくお願い致します。




