いよいよ地上へ!
ハイームさん達の突貫工事の安全通路を歩き外に出ると、久しぶりの日の光と真っ青な青空が広がる地上に出る事に成功した。
一番に目についたのは、天高くそびえる塔。多分これがかつて軌道エレベータの一部なのだと思う。
アリシアさんはそれを見て
「大昔に人間族で調査して、地下の塔と同じで出入口等、何も見つからないので、早々に調査終了された遺跡なのですよ。しかも立地的に山奥なので人が住めずにそのままになった感じで完全に放棄された場所と聞いています」
アリシアさんは元商人の娘なのでその辺の事情に関してはとても詳しかった。
「おい、リック!周辺の安全確認をやるぞ!」
トニーは現在索敵担当なので、トニーメインで周辺の安全確保を行うべく、探索を始める事にする。
俺はハイームさんに話をして周囲を知っている人?を呼んでもらう事にした。
しばらくすると、細身のスケルトン?なロボがやってきた。
『広報担当のミエスと申します。外地域のご案内という事でサポートさせて頂きます』
見た目スゲー怖い外観のロボだな。スケルトンなのだけど中途半端にメカメカしいから余計に怖く見える。
でもそうに思っているのは俺だけで、他のメンバーは別に何とも思ってない感じだった。
リーザさんの話だと、アンデット系モンスターも居るので、最初はそれかと思って驚いただけで、そうでなければただの骨人形なのだとか。
『申し訳ありません、怖い思いをさせてしまっているようで・・・・』
アリシアさんが、フード付きのローブを着てみては?と提案し、予備のローブを手渡す。
エミスさんが羽織ると
「うわ!リッチーだね!」
エリアが言う
スケルトンがローブ姿だとリッチーって言うアンデットが居るらしい。俺は知らないけど。
そう言われたミエスさんは凄く嫌そうな感じなしぐさをしているようにも見える。
スケルトンに眼球が付いているような状態なので、直視すると怖いんだよ。
そんなことも有りながら、周辺探索がスタートした。
地上は遺跡だらけの状態になっている。
『かなり地形も変わっていますし、私の持っているデータとは建造物も異なるようです』
そういや俺の居た現代でもローマとかは地下に旧市街が埋まっていたりする事とかあったので、後の時代の支配者が埋め立てて新しい街を築いた可能性もあるかもな。
『20m近く掘って地上まで出て来ましたので、私達の時代の建造物は埋まっている可能性があります』
そんな感じで周辺探索を行っているが、不思議と魔獣等の気配は感じられなかった。
「リック、これだけの建造物が残っていれば必ず、魔獣や獣が生息しているはずなのに、何かが住んでいた形跡すらないぞ」
リーザさんが不思議がっていた。
しばらくするとトニーとマイが戻ってくる
「リック、さっきの施設もそうだが、ここは生き物の存在が全く感じられないぞ、しかし塔の方は嫌な雰囲気がしているが、今から探索だと少し時間が足りないな」
周りには木々が生えていて、水源も有るので全く生き物が居ないというのはかなり特殊な状態だったりするのだ。
「リックさん、空気鑑定を行ったら塔付近の魔素割合がかなり標準値と異なりますわ」
アリシアさんのコメントで話が動き出す
「塔か塔周辺に何か居るな」
リーザさんの表情が真面目モードになり
「リック、今回は本物のアンデット系かもしれない。今日の探索は一度終了して、対策して出直すぞ!」
「リーザさん、了解です。」
俺もアンデットなんかに会いたくないわ。ゾンビ映画の”バンテリンアン”みたいなのが出てきても怖いわ。
時間の関係で一度さっきの待合室に戻る事にした。
現在、ダインさん達は地上部の埋まっていた遺跡部分を探索中
俺達は待合室にキャンプを設営し、アンデット対策会議を始める。
「リーザさん、俺達はアンデット系モンスターとは戦った事がありませんが、どうに対処すれば良いのでしょう?」
地下街周辺にはアンデット系モンスターは発生していなかったので戦闘経験が全くなかった。
「大きく分けて、物が残っている系と残ってない系で別れるんだ。物が残っている系で有名なのが、スケルトンやゾンビ系、物が残ってないのは死霊などのゴースト系だ。スケルトンやゾンビ系は体内のどこかに魔核があるので、それを破壊か取り出せば倒せる。普通の魔獣やモンスターと違うのは、基本死んでいるので手足を切断しても襲って来るから気をつけろ。」
「厄介なのは、ゴースト系だ。あいつらは通常の攻撃がほとんど効かない。魔法剣等対アンデット用の武器を使用したり、魔法での攻撃が有効だ。要は魔素が関係してくる」
「なら、うちのパーティならエリアとアリシアさんが居るから何とかなりますね」
「そうだな、私の装備も魔法剣だから大丈夫だと思う」
「問題は、あの距離で感じられる嫌な気配だ。高レベルのアンデットだと厄介かもしれない。精神攻撃等をしてくるゴースト系は、私も苦手なんだ」
珍しくリーザさんが弱気なのだ
彼女もゴースト系は苦手で、今の俺の装備ではゴースト系には対処できないと言う事だ。
エリアとアリシアさん頼りになるが相手が高レベルすぎると対応できなくなる可能性がある
そんな不安をかかえつつ、1日目の探索を終了する。
場所は少し変わり
「騒がしい・・この地がまた騒がしくなった。妾の眠りを妨げる者はだれだ・・・」
翌日、起きると、地上の地下街がとても綺麗になっていた。工事ロボ達が復旧工事中だ。
見た目”ター八百式”みたいだけど、真面目に仕事中。
ハイームさんが居たので挨拶する
「おはようございます。ハイームさん」
『おはようございます、リック様、昨夜は良く眠れましたか?』
「工事していたのに静かでしたね」
『我々もプロですので、その辺の防音対策は万全に行っています』
「何か変わった事はありませんでしたか?」
『現在調査中ですが、軌道エレベータ部の方で何台かの調査マシンが破壊されたと報告を受けております。警備班と連携して調査チームを派遣予定です』
「わかりました。情報ありがとうございます」
やっぱり何かあるようだ
パーティメンバーにそのことを伝え、昨日嫌な雰囲気のあった場所の探索をスタートする。
ダインさん一行は一度30キロ下の地下街に戻って、出直してくるらしい。地上の調査範囲が広すぎると言う事で装備や人員を増強してまた来るとの事。
まぁ往復1時間だから、そっちの方が安全だと思われる。
「うちのリッチーも来たよ!」
ミエスさんが出発の時間にやってきた。
『リッチーとか言わないでください。アンデットではありません。傷つきます』
ミエスさんは女性設定なのかな?、現状スケルトンボディなので何とも言えない。
彼女?は今日も周辺調査に同行し、周辺を確認するそうだ。
リック達がやっと地上に出て来ました




