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異世界転移は意味不明 ~レベル社会で生活できるようにかんばります~  作者: els


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アウェーの中で

嫁取合戦はタイガーマジック組とエレファントマジック会が共同所有する武道場にて試合が行われる。

俺達は関係者向けの入口から会場に入ると、タイガーマジック組の幹部らしき男達とすれ違い、リーザさんに対しては軽く挨拶をしている感じで、残りの俺達に対しては”クソ人間族”が何をしていると態度がモロに表れていた。


あいつら体臭がとにかく臭い。嫌悪の匂いなのか?


タイガーマジック組の看板背負って戦うのだから少しは好意的に接しろよとも思うけど、そんな気は全然なさそうだ。


「リック君達、すまんな、ああいう奴等なんだ」

「ケトル師匠が謝るような事では無いですよ。俺達はリーザ師匠の為に戦うのですから」


ケトル師匠は申し訳なさそうな顔をしているが、ケトル師匠もこの場では立場がかなり低いのか、強さだけは成り立たない上下関係の世界なのだろう。


「パパぁ、リーザちゃんの一件が無事に終わったらぁ、あんなのブッとばしちゃお」


元々ポット師匠もタイガーマジック組とは仲が悪い。

人間族だからゴミのような扱いなのだと。

獣人族社会は人間族にはとても厳しいようだ。


俺達は選手控室に移動すると、師匠達から対戦者情報が説明される

シャア・・大猫族の獣人女性、武道系の魔法士。近年では最強角の一人で優勝候補。

ゴトック・・トラ族の獣人男性、武道系の魔法士。巨大な体で対戦相手を半殺しにするのが趣味

ボトル・・熊族の獣人男性、魔法特化型の戦士、高レベルと噂されているが情報を公開していない。攻撃魔法を得意とする。


この情報だけだと、ゴトックだけが狂暴な奴に見える。


とこんな感じだった。

俺は最初エレファントマジック会だから、象族でも出てくるのかなと思ったが、どうやらそうでも無い。

リーザさんもタイガーじゃなくて白狼系のお父さんだから種族とかは特に関係ない物なんだろう。


それにしても情報が少ない。

1日目は個人戦と聞いているから、もうちょっと情報が無いと対処できないんじゃないの?と思っていると


対戦は突発的な魔獣や魔物との遭遇を想定しているから、対戦相手を選択する事は出来ないと、ケトル師匠に説明された。


この辺は実践的なのねと思う。

まぁ冒険者だし、ソロ冒険者ならそんな事もあるでしょう。



開始時間まで控室で待機しているのだが、ドアがノックされケルト師匠が外に出ていく

タイガーマジック組の幹部達数名が来ているようだ

ドアの外では何か口論が始まり、試合前からもめている。

口論の中で”バン!”と何か叩かれるような音がすると、気配が消え、ケルト師匠が戻って来る。


「どうしたんですか?」

「心配するな、リック君達には関係のない事だ。全力で相手をブッ飛ばしてくれ」


ポット師匠がケルト師匠に治癒魔法をかけている所を見ると、さっきの音は殴られた音なのだろうと推測する。


「パパぁどうしたのよぉ」

「タイガーマジックの野郎共、無駄な時間だからとっとと負けて試合を終わらせろってバカな事を言って来やがった」

「やっぱりブッ飛ばっしゃおうよぉ」

「多分、あいつら試合で賭けをやってやってやがる。おまけにエレファントの奴等にケガさせるなとま言ってきやがった」

「パパ。あいつら全員殺そうか」

「ママ、素になるのはやめようね・・ここはリーザ達にお願いしよう」


俺達に聞こえない程度の声で会話していた師匠達だけど、俺の聴覚では丸聞こえだった。


色々なゴタゴタの中で試合会場への移動が始まり、試合会場に到着すると、俺達は選手席の方へ移動となる。

サポータとして他のメンバーも同行。もちろん師匠達も一緒だ。


フィールドと呼ばれる闘技会場は25メートル、それらを真四角の石製の会場を取り囲むように、観覧席が設けられている。


闘技系の試合には常に観客が入る。

どんなに小さい試合でも、娯楽の少ないこの世界では全てが娯楽として楽しまれているので、今日も満員だ。


「観客が多いですね」

「娯楽が少ないからな、人の自然に集まるし、賭け事も行われるよ」


リーザさんは自分の事なので、少し気が重そうな雰囲気だった。

「何を重い顔をしてるのですか!、気にしてはダメですわ!」


反対側のフィールドに対戦相手達が入場してくる。

武装している3人が居るので、おそらく手前の3人が俺達の対戦相手

シャア・ゴトック・ボトルの3人だと思われる。


全員が獣人で控室で聞いた情報ではシャアと呼ばれる獣人は猫人族、俺の知っている猫人族とは別物だった。

身長は180cm位、鋭い目つきで獲物を狙うかのような野生の目。全身は体毛に覆われ、格闘系装備の上からでも判断できるしなやかな筋肉の付がわかる引き締まった体。

体形からもパワー系ではなくスピード系と判断できる


ゴトックはトラ族、身長220cm位あるだろうか、筋肉の塊のような獣人族で、体の傷跡からするにも数々の修羅場を潜り抜けてきていると思われる


最後のボトルは熊族だ。デカイ250cmあるのか?大きいと思ったシャアが小さく見える。事前情報だと魔法士系と聞いているが、こいつも筋肉の塊のような体形をしていて、とても魔法士には見えない。


デカイだけでも恐怖を感じる、俺よりも1メートル近くデカイとさすがにビビる。


「リック、心配する必要はありませんわ、あんなのデカイだけですわ」

キャノは普段からオーガ族を見ているので同族が大きいから慣れているのだろう。


「リックさん、鑑定の結果です」

シャア LV42 魔法戦士

ゴトック LV41 戦士

ボトル LV40 魔法士


まさかの全員がLV40越え、しかもこいつら、エレファントマジック会の結婚適齢期な奴らのはずだから、年齢は俺達とほとんど変わらない・・と思う


そして対戦者と俺達は闘技フィールドに移動を開始した。


獣人達がフィールド移動中に対戦者達の事について話をしている。

「中途ハンパ者と人間族の集まりか・・良く出て来れたな」

「あの中途ハンパ者が俺かお前の女になるんだとよ」

「欲望の処理にでも使ってやるか、ボトルはどうするよ」

「あんなの使えるのかよ、俺の物が入る訳無いだろ」

「見ろよ体だけはシャアよりスゲェぜ」

「試合前だ、無駄口はよせ、ゴトック・ボトル!」


シャアの目つきが険しい。


「シャアが俺の女になれば済む話じゃねぇか」

「ゴトック、お前は私より弱いだろう」

「フン!・・」


弱いと言われたゴトックは不満そうだったが事実だったのかしぶしぶと認める。


「個人戦とかつまんねぇぜ、ゴトック、相手の鑑定結果はどうだ?」

「中途ハンパ者が LV43・人間男がLV3・人間族の女なのか?あいつはLV41だとよ」

「人間族でLV41は珍しいが、一人ゴミが混ざってるな」

「LV3じゃ手加減しても殺しちまうぞ」

「ハハッ、殺したら俺達の反則負けだからな、死んだら抗議しようぜ、あいつ弱すぎるってな!」


楽観視している2人とは違いシャアは警戒を怠らない。


「仮にもここに出場する人間族だ、低レベルでも何かのスキルがあるかもしれない、気を付けろ」

「ああ、わかったよシャア」


選手と審判が中央に集まると試合内容の説明やルールの再確認が行われるのだが・・・


「試合開始の前に提案したい!」

突然シャアが会場に向けて話し出した

「我々の対戦相手はハーフ獣人と人間族だ!、個人戦の結果が目に見えて解る。観客のみんなも知っているように人間族は弱い!!同じレベルなら獣人族の敗北は無いのだ!」

会場はシーンとしている中でも「そうだ、そうだ」という声が少しながら聞こえてくる


「私達は、彼らの勝率を少しでも上げるために、今日の個人戦は中止して即、団体戦での戦い、バトルロワイアル方式を提案したい!」


元々エレファントマジック会の奴等の提案なので、エレファントマジック会は同意し、試合をすぐに終わらせたいタイガーマジック組も同意する。

もう、裏で取引済みみたいに何にもなくすんなりと。


会場審判達は特に何も考える事無く同意。


難色を示していたのは興行主位だったが、この辺もエレファントマジック会とタイガーマジック組の代表が説得してあっさりと試合工程の変更が認めらてしまう。

各会の魔法士がフィールドに向けて魔法防御壁を展開を始める。


試合形式は3対3のバトルロイヤル形式

・まいった・気絶・場外落下したものは戦闘不能としてフィールドから出る事

・武器・魔法の使用が認められる

・ただし対戦相手を殺してはならない

・最後まで残っていたチームの勝利とする


こんな感じでルール説明が行われると副審判達が場外に移動を始め所定の位置で待機する


「全員、試合前の握手!」

主審が握手をするように促す。


俺の前にいたのはあのトラ族のゴトックという男だ。

「お前らの為に試合変更してやったぜ!、少しは楽しませてくれよ」

「お手柔らかにお願いします」


ゴトックはリックとの握手を行う。

端から見ると試合前のジェントルな感じにも見えるのだが・・

ゴトックはリックの手を握り潰すべく力を入れる。


それに対するリックは

強い握手だったけど、俺が握り返そうとしたらゴトックとかって奴すぐに手を放しやがった。

握られ損な気がする・・


『くそ、なんだあの野郎、試合前に骨まで砕いてやろうとしたのに何とも無えじゃねぇか!』


挨拶が終わると試合開始の合図まで各チーム、フィールドの所定位置に移動する。

シャア達のチームは観客席を見たり、試合に関心が無さそうだが、シャアだけはこちらをジッと見ているようだ。


俺達は所定位置に移動すると3人固まって試合開始前の気合入れかな?


「リック、私達にお前の強さの一部でもいい分けてくれないか」

そんな事を言われても何をしてよいのか解らない

「抱きしめてくれるだけでいい」

大衆前で少し恥ずかしかったけど、本人達の強い希望もあり、俺はリーザさんとキャノを抱きしめ、彼女たちの耳元で

「リーザさん・キャノ、俺はお前達を絶対に守る、そして誰にも渡さない!」

「「ありがとうリック、凄く気合が入った!」」


「行きますわ!リーザ!」

「ああ、絶対に勝つ!」



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