模擬戦と負の感情
アリシアさんとエリアはポットさんの所で魔法関係の訓練
俺とキャノはケトルさんの所で実践的な格闘訓練と別けられ、今ケトルさん所で見学中。
先に来ていたリーザさんとミリアは既に実践向けの格闘訓練中。
ミリアが魔法攻撃専門でキャノに対してミリアが魔法攻撃をしてリーザさんが回避等の対策訓練をしている感じだ。
ミリアが凄く速く動いていたので俺も驚いた。
ミリアが魔法壁を展開すると、リーザさんがそれを突破する訓練をしているのだが、素手であんなもの壊せるのかと思うけど、ケトルさんによるとコツがあるらしい。
「ミリアさんあまり手加減しないでくれないか、リーザが成長できない」
ケトルさんから見るとミリアがかなり手加減しているがわかるようだ。
魔法壁は術者のレベルと魔力量によって強さも異なる。
ウチのパーティだとエリアやマイの魔法壁とミリアの物では全く強さが違う。
まぁ過去にドラゴンブレスやメテオフォールも弾いているので本気でやられたら訓練どころじゃ無くなると思うけど。
「リック達も来た事だし、もう一ランク上げようかの?」
「ではリック君とキャノーラ君、リーザと一緒に3人で、俺とミリアさんに攻撃してみてくれ」
「わかりました」
事前にどんな感じで模擬戦を行うのか打ち合わせをすると、ケトル師匠が物理攻撃・ミリアが魔法
を使って攻撃をするので魔素を気にしながら模擬戦行うようにとの事だ。
キャノとリーザさんがミリアに飛び掛かると、ミリアは軽く後退するのだが、キャノとリーザさんが変な方向に突然動く。俺にも軽い危険信号が流れ、ヤバイと思って姿勢を変える。
「ミリア!いきなり危ない事しない下さいますわ!」
「ちと、肋骨を頂こうかと思ってな、でも良く気が付いたのぉ。ちょっと前のお前達では出来ん事じゃぞ」
うわぁえげつねぇ、いきなり肋骨抜くとか、ミリアも出来るのかよ!
その後、リーザさんとキャノは連携を取りながら攻撃速度を上げていくのだが、途中からケトル師匠が参入
「リック君も見ていないで、どんな方法でも良いから戦いに参加しなさい」
ケトル師匠は片腕を腰の後ろに置いた状態でリーザさんとキャノの攻撃を片腕1本でいなしていく、あんなに強い二人が子供のようにあしらわれているのだ。
「妾は戦闘特化ではないのでの、ケトル先生よ、よろしく頼むぞ」
俺はミリアを無効化するべく、一気にミリアの方に飛ぶ。
周りの景気が一気に流れるような動きに変わりミリアの直前まで移動、ミリアの視線がまだこちらを見ていない状態で、ミリアを拘束体制に移動させようとした瞬間に横から蹴り飛ばされた。
蹴られた方向を見るとケトル師匠が居る
ケトル師匠の飛び蹴りだ。
蹴り飛ばされたと同時に、リーザさんとキャノが空中に叩き飛ばされたかのような状態になっている。
「こらこら、リック君3人一緒と言ったよね。連携が大事なんだ。それに君は視覚に頼り過ぎだ。ポットの所で魔素を見る技術を教えてもらっただろう?」
ケトルさんの解説が続いているが、俺はまだ蹴り飛ばされている最中なんだよ。
地面の方向をしっかり認識して着地の体制に入ろうとすると、ミリアがファイアボールを放ってくる。
師匠とミリアの連続攻撃でちょっと嫌だなぁと思いつつファイアボールを殴りつけるとその場で爆散。
「リック君!そこは回避だ!まさか殴ると思わないぞ!」
「妾も避けると思って放ったファイアボールを、お主はそれを殴るとは」
着地ポイントを狙われたんだよ!回避なんか出来ないよ!
しかも俺ら見えるファイアボールなんて赤いシャボン玉位にしか見えてないんだよ!!
俺は蹴り飛ばされた状態のまま、なぜか見えるようになった魔素の影を手掛かりに、着地と同時に一気に足をけり出すと、俺は弾丸のようにミリア目掛けてすっ飛んで行く。
ミリアはリックの周辺の魔素が異常変化を起こした事を察知する
リック本人は気が付いてないが、リックの固有体質の一つ。
ミリアはこの現象を過去に体験している。
遺跡街で初めてリックに会った時の事だ!
「リック!お主!!!ストップじゃ!!!ダメじゃ!!!!」
ミリアは即座に魔法壁を10枚一気に展開する。最初にリーザとの訓練中に展開していた物とは比べ物にならない強度の魔法壁を展開後、瞬間移動したかの様にその場から消えて居なくなるが、リックは、ミリアの魔素反応を肉眼で捉えると魔法壁を全て破壊しミリアに向け方向転換。
「リック!冷静になるのじゃ!!!模擬戦じゃ!!!」
模擬戦の言葉でリックはハッと我に返るがそのまま、急には止まれず再度展開された魔法壁を破壊しミリアの胸にバスッと顔を埋める形で停止する。
「リックよ、お主は負の感情をもう少し心を落ち着かせる修業が必要なようじゃな」
俺はミリアに抱きしめられた状態て静止する。
危険を感じたケトル師匠は俺との距離を空ける為、リーザさんとキャノを突き飛ばし、リーザさんとキャノが道場の壁に突っ込んで停止する。
ケトル師匠は体では反応出来ていたようだが、俺の動きに脳の処理が追い付かなったようで、終始見ていた師匠は今後の方針を切り替える方向になる。
「リック君の身体能力は特別な物だと理解した、常に最高のパフォーマンスが出せる訳では無く感情の変化で極端に変わるようだな」
俺は嫌だとか、ネガティブな要素が加わると異常なほどの身体能力を発揮するらしい。
前々から思ってはいたが、嫌な物はモザイクがかかったり、ゆるキャラに見えたりするのはその身体能力の一部なのかもしれない。
今までは身体能力の目だけ追っていた敵を今回は魔素の判別で追いかけるように能力変化をした。しかし制御がきかなくなる俺自体の暴走の恐れがある事も問題となる。
俺はミリアに抱きかかえられながら謝罪する
「ミリアごめんな」
「あれくらいは大丈夫じゃ、死にはせぬが、正体がバレると後々面倒じゃろ?」
ミリアの返答にちょとした疑問を感じたけど、ミリアに抱かれながら俺は冷静になるのを待つ事にした。
「リック!ミリア!いつまで一緒にくっついているのです!」
キャノが復活したようだ。
「父さん、今のは効いたよ。でも家を壊すと母さんが怒るとおもうけど大丈夫?」
「そうだな、ちょっと修理してくる。自主トレていてくれ」
ケルト師匠はリーザさんとキャノがぶつかって破壊した建物を修理しに行ってしまった。




