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異世界転移は意味不明 ~レベル社会で生活できるようにかんばります~  作者: els


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リーザさんの家族

俺達はリーザさんの実家に到着するとリーザさんは母屋の中に入って行ってしまう。


リーザさんの実家は木造建ての建物で住居の母屋と道場のような物があり、所々壊れていたりして古びた感じの建物だった。


リーザさんが母屋に入っている間に、俺は道場の方を見て回る事にすると道場の看板には

「タイガーマジック会所属 ケトルとポットの道場」と書かれている。


道場の中は外見とは違い、綺麗に掃除されているので、きちんと使用されているのだろう。

ただ道場の方には人の気配は感じられなかったので、みんなの元に戻る事にした。


俺達は庭で雑談をしながらリーザさんを待っていると母屋の裏の方から人の気配がし、女性が姿を現す。


「あらぁ、お客様ぁ?」


おっとりとした感じの女性で、この家の人ならケトルさんかポットさんなのか、名前だけは判断出来ないけど、俺達の事をお客様と呼んだので多分ここの関係者の人だと思われる。


「えっと、リーザ師匠と一緒にここに来たのですが、えっと・・・」


俺は言葉に詰まる。

多分リーザさんのお母さんなのかな、でもこの女性全然似てないんだよ


身長が150cm位しかなくて、凄くおっとりしている感じの女性。


前にリーザさんの身の上話を聞いているので、凄く過酷な環境で生きて来たお母さんだと思うのだけど、この女性からは全然そんな雰囲気が伝わってこない。


「ああ、リーザのお友達さんですかぁ?」

俺達の会話が聞こえたのか、リーザさんが母屋の中から出て来てくれたので話が繋がる。

「母さん!こんなところに居たのか」

「リーザぁおかえりぃ」


「リーザ師匠のお母さんですか!」

「小さいけど私の母だぞ!」


「あらっリーザのお友達さんが沢山ですねぇ」


とりあえず俺達は挨拶と自己紹介をすることにした

「リーザ師匠にお世話になっているリックです」


「リーザぁ、あなたは弟子を取るようになったのねぇ、偉いわぁ」

こんなペースで各自自己紹介が進んで行く

「あなた達ぃは冒険者なのねぇ、見た感じで強さがわかるわぁ。みんな凄く努力してるみたいねぇ」

「えっ見るだけで解るんですか?」

俺はリーザさんのお母さんが即座に鑑定でレベルを確認したのかと思った


「わかるわよぉ、お母さんも元冒険者だものぉ」


この段階で俺の事は特に何も言われていない、いつものパターンならLV3の俺なので何かしらの反応が有るのだが、一定の実力者の人だとオーガ国のイオス王のようにLVだけでは判断しない。


もしかしてリーザさんのお母さん実は凄い実力者なのか?


「でぇリーザぁはなんで帰ってきたのぉ?」

「ああ、母さんは知らないのか?じゃぁ父さんなのかな?冒険者組合経由で帰って来るようにメッセージを貰ったんだ」


一瞬だが、リーザさんのお母さんの表情が硬くなったように見えたが、気のせいか?


「お父さんはぁ、今外に出てるからぁ、少しまっていてくれるかしらぁ」

とりあえず母屋にこの人数は入らないらしいので、道場の方へ案内してもらいリーザさんのお父さんが帰って来るのを待つ事になる。


「リーザ師匠のお母さんはずいぶんとゆったりな人なんですね」

「普段はあんな感じだけどな、母さんは凄く強いぞ」


マジで?


外見ででバカにされる俺が言うのは間違っていると思うが、人を外見で判断をしてはいけない事を改めて思い知る。


俺達は道場に案内されてリーザさんのお父さんが帰って来るのを待つ事になった。


「リーザ、せっかくの道場ですわ、お父様が来るまで手合わせでもしませんか」

さっきトラ種の獣人族をあんなに殴ったばかりなのに、今日のキャノは攻撃的な感じなのか少し様子が違う気もするんだけど、どうしたのだろう?


「そうだな、軽くだぞ、道場を壊したら母さんが怖いからな」

「壊すなんて!そんな事しませんわよ!」


リーザさんとキャノは道場の中央に行くと軽くジャンプしたりしてウォーミングアップを行い、二人共道場にあった木剣を装備して体制を構えに移行させる。


タン!という音と共に最初にキャノが飛び込んで行く。音がしたかと思ったら既にリーザさんの前まで移動し剣を振らずに接近、リーザさんはそのまま横に飛びキャノの速攻をキャンセル。

速攻を避けられたキャノはそのまま横方向に体制をひねると一旦リーザさんとの距離を取る。

それを見逃さずリーザさんがキャノに飛び込んで木剣を振り下げる。

振り下げられた木剣はキャノの木剣で軽く横に流され簡単に回避される。

エリアもアリシアさんも真剣な表情で二人の立ち回りを見ている。

二人の動きはものすごく高速で、木剣の打ち合う音が一定のリズムを刻むように響き渡る。

おそらくレベルの低い冒険者では何が起こっているのか理解できない速度だと思われる。


「キャノ、剣ではなくコッチはどうだ?」


リーザさんは拳を振り上げ、キャノに格闘での手合わせを提案している


「いいぞ、リーザ。戦士なら拳で勝負だ」


二人の会話がどんどん物騒になっていく。

二人は木剣を置くとお互いに飛び出す。

ボクシングのような打ち合いではなく、空手に近い感じで打ち出される拳は、すべて腕の動きや体裁きにより回避され無効化されていく。

バシバシという音がしているが、ヒットしている様子はなく、これだけ打ち合っている二人だが全く呼吸も乱れてない。

剣の時は二人の距離は若干遠かったが、拳での打ち合いは正に近距離ファイトである。


見ている俺も血液が沸騰するような感じで興奮してくる。


実戦を想定した組手?なので拳の打ち合いから蹴り技へと移行していく。

打ち合いの音が徐々に大きくなっていく、あんな蹴りを入れられるがリーザさんもキャノもほぼノーダメージで回避していく。リーザさんとキャノのレベル差は3位。ただキャノはブーストスキルを持っているので、この位のレベル差は何事も無いかのように二人の打ち合いは続いている。


キャノが一旦距離を置く

「リーザとはまともに打ち合った事は無いが中々やるじゃないか!」

「まぁね。そろそろもう一段上を行くぞ!」

「あぁ、こっちも体が良い感じになって来た!」


二人の呼吸は乱れていないが、体から汗が流れ始める

ほとばしるる汗とはこのような状態の事なのだろう。二人の高速な動きから急停止された汗は拳や蹴りが出るたびに汗が飛び散る。


二人の目つきはどんどん鋭くなっていき、普段俺が見ない表情に変化していく。剣のように研ぎ澄まされた感じになり、俺自身もゾクっとしていまう。


打撃音のリズムと彼女達の動きにズレが生じるようになってくる。俺の見えない所で何か別の技が繰り出されているのだろう。格闘センスのない俺から見るとただの観客であり、彼女達が何をやっているかは全く理解できない。


それはマジシャンがマジックを披露しているような感じで、素人が高速カメラで彼等の技を見ようとしても見えないのと同じ事である。


「リーザ熱いぜ!久しぶりにイイ感じだぜ!」

完全にキャノの口調が変わってしまっている。元々こういうキャラだったから仕方ないんだけど改めると怖いな。


「キャノ、熱くなりすぎだ。そろそろやめようか?お前口調がかなり変わってるぞ。リックを見て見ろ」


ハッ!とするキャノ。


「久しぶりでしたので、楽しくて熱くなりすぎましたわ!」

顔が違う意味で赤くなっていくキャノ。


さっきの鋭い表情から一転していつもの表情に戻るととても可愛らしく見える。

「リザ姉、キャノ!タオルだよ!」

エリアがリーザさんとキャノにタオルを渡すと二人は汗を拭き始めいつもの二人に戻る。


「あら、リーザちゃんずいぶん動けるようになったのねぇ、ママ、びっくりだわぁ」

さっきまで居なかったリーザさんのお母さんがひょっこりと現れていた。


「母さん、いつから見ていたの?」

「あら、ずっとよぉ、気配や空気の流れであなた達の動き位わかるわよぉ」


すげぇお母さんだな。

見ていたというより感じていたって事なの?


「そちらのキャノーラちゃんもすごいわぁ、リーザちゃんのあの動きに普通に対応していたわねぇ。その歳でそんなになれるなんて、おばちゃんうらやましいわぁ」


こんな事をしているとキャノのお父さんが帰って来たようだ。


「タダァリィ」


「おかえりなさぁい、パパぁ」

「おかえりーママ」


会話が変だけど、これがリーザさん宅の帰宅の挨拶なのかな?

「おぉ、リーザ帰って来たのか」

リーザさんのお父さんはリーザさんを見ると一瞬ピクっと表情を変化させたが、一瞬の事だったのでわからないレベルで平常に戻る。


リーザさんのお父さんは白狼系の容姿の獣人種。

結構綺麗でカッコ良い系な感じの人だ。

身長は2メートル以上で格闘家のような体形だ。


リーザさんお父さんは俺達を見て更に驚いているような感じに表情を変える。


「えっと、リーザのお友達か?」

「ああ、私と一緒に活動している冒険者グループの仲間だよ」


リーザさんが簡単に説明をしてくれたので、俺達は自己紹介を始める事にした。

「リーザ師匠にいつもお世話になっている、冒険者のリックですよろしく」

俺はリーザさんのお父さんに握手を求めると、リーザさんのお父さんも握手で答えてれる。

ちょっと強めの握手を交わすと、アリシアさん、エリア、キャノ、ミリアの順で挨拶していく。


「俺の名前はケトルだ。リーザの父だがよろしく頼む。こっちはリーザの母でポットだ。でもポットの自己紹介は済んでいたかな」

「俺とポットはここで道場を運営している。俺が格闘専門でポットは魔法専門だな。この辺もリーザから聞いているか?」


こんな感じで和やかな自己紹介が終わると、ケトルさんの視線が俺の方に向く。

「リック君と言ったかな、リーザ師匠と呼んでいるようだがどんな関係なのだ?」

「はい、冒険者組合の初心者講習からリーザ師匠に冒険者として教えを受けている者です」

「そっそうか・・・」

ケトルさんは何故か残念そうだったのが気になる。


その後俺達はリーザさんとのパーティグループでの話を始めたりして、久しぶりの親子の会話等和やかな時間が過ぎていく。


「リーザ、お前達今日はここに泊まるんだろう?」

「父さんが良ければここに泊まる予定だけど、どうして?」

「ああ、特に問題ない。今日は門下生も来ないしな。昔門下生が住み込みしていた場所もあるから皆はそこに泊まると良い」

「じゃぁお世話になります!」


ポットさんとキャノとアリシアさんで食材調達のために市場に出かけて行く。

残った俺達は門下生が下宿していたという場所の掃除中。

「案外広いですね。俺はその辺に寝ますから、みんなの為にベットは掃除しましょう」

まぁ下宿という事で2段ベットが設置されている部屋だ。

一部屋4人で使っていたようなので、とりあえず2部屋掃除する

エリアとミリアが生活魔法の風魔法でどんどん埃を飛ばして行き、俺とリーザさんが雑巾がけを行っていく。

布団のような物もあったがかなり古く汚れていた為、ちょっと使う気になれないと思っていたら、ミリアが洗浄魔法をかけた後に、乾燥魔法で一気に乾燥させてしまう。


「ほれ、これで大丈夫じゃろう。ボロボロなのは仕方ないから、野営セットから敷布位は出して使うんじゃろうな。」

「ありがと!ミリア!」


エリアも生活魔法なら使えるが、ミリアの魔法速度は異常でその精度も半端なく高い。


すっかり綺麗になった下宿部屋に一度荷物を置くと、次は風呂のような物の準備。

元々熱帯地方なので気温が高い為、風呂自体も無いが、汗位は流したい。


「裏に水場があるからそこで水浴びが出来るぞ」


俺は水場まで移動すると、案外広い事を確認する。水場と行っても小さな滝があったりして水行が行えそうで日本だったらちょっとした観光地になりそうな感じロケーションだ。

既に岩壁に沿って、洗濯物や食器を洗ったりする普通の洗い場が設置され、木製の水路を通して綺麗な水が供給されるような設備になっている。


「リーザさんこの辺少し掘っても良いですかね」

「何をするんだ?」

「そりゃ風呂を作りますよ」

「かまわんけど、お湯は出ないぞ」


俺は水辺の一部を80センチ位の深さで掘っていく。

水辺は玉石のような感じで、河原なんかに良くある石の形の物で構成されているから石を取り除て行けばすぐに穴が掘れて行く。

取り除いた石は円形に風呂の形になるように積み上げていき、風呂場スペースだよって感じでどんどん風呂の形にしていく。

こんな感じで大き目の浴槽のような物を作る。


「ミリア、この石加熱してくれるか?」

「石風呂じゃな、お主も好きよの」

ミリアに加熱してもらった石をさっきの浴槽もどきに投げ込むと、石はジュっという音共に水温を上げ始める。

手を突っ込んでみると熱い位だ。

水辺との境位が丁度良い位の温度に調整され適当に作った割には楽しめそうな風呂が出来上がる


「ミリア、また入る時に加熱お願いするぞ」

「おう、まかせい」


部屋の掃除、風呂の準備が出来るとポットさん達が食材を調達して帰って来る。

「さぁ、お夕飯の準備をしましょうかぁ」

アリシアさん、エリアとキャノが夕食の準備を手伝うという事で、そのままポットさんと台所に移動する。


「リック君達、こっちで一杯やらんか?」

残った俺達はケトルさんに酒に誘われ、断る理由も無いので、俺達はケトルさんと酒を飲む事にする。

テーブルの上に小さなグラスが用意され、ポットさんがライモンのような物をカットして持ってきてくれた。

「リーザも一杯やれ」

ケトルさんは小さなグラスに薄い琥珀色の酒を注いでいく。

「じゃぁ、俺達だけで先に始めようか、ようこそリック君」

こんな感じで酒飲みが始まる。


薄琥珀色の酒、香りは強めのアルコールの抜ける感じの中に植物のような少し青っぽい香りが漂う。飲んでみると予想以上にアルコール濃度が高いが、焼酎のストレートと似たような感じでウイスキーほどは強く無い。

多分30度前後。口の中にはほのかに苦みと甘みが広がり、後味に植物の葉のような独特な風味が残る。

「ケトルさんこの酒の材料って何ですか?」

「アロエンという植物だ。果肉が豊富で甘味がある。果肉部分を取り出して発酵させると1週間位で癖の強い酒が出来るのだが、そこから蒸留を行うとこの酒になる。」

「少し植物の風味が残るので何かなと思いまして」

「ああ、だから人によってはそこのライモンを絞ったりかじりながら飲む酒だな」

「妾は水割りで丁度よさそうじゃ」

「俺も水で割って飲みます」

「ハハ、そうか、リック君や女性には強すぎたかな」


その後ケトルさんとは何気ない話を続けていたのだが、ある程度酒が進んだ段階で話が切り替わる感じの流れになった。


「リーザ、実はお前をここに呼んだのは私ではないのだ」


リーザさんも?マークだったが、俺達も?マークだった。


「タイガーマジック組とエレファントマジック会の事は知っているな?、今度行われる嫁取合戦の嫁としてリーザが勝手に選ばれてしまった・・・」


嫁取合戦ってなに?


「俺はお前がこんな事に巻き込まれないように遺跡街に送ったのだが、タイガーマジック組の奴等が勝手に決めてしまったのだ。すまん俺が全く止める事が出来なかった」


「部外者の俺が言うのも何ですが、リーザ師匠は俺達のパーティメンバーですので、嫁取合戦って何なのでしょう」


「リック君達にも説明しなくてはならんな」

ケトルさんは嫁取合戦について説明を始めた。



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