リックの冒険者講習(初心者編)
今日から、エリア・アリシアさんとは別行動になった。俺は冒険者組合主催の冒険者講習(初心者編)を受講するためだ。
「私が今回の講師を務めるリーザだよろしく」
俺の他にも冒険者見習いが参加している。俺を含めて3人で、もっと居るのかと思ったが案外少なくて安心したよ。
リーザさんは女性で人間種と何かのハーフらしく、筋肉質の体で鋼のように引き締まったプロアスリートのような体つきだが、人間種では再現できなそうなナイスボディをしている。生粋のアマゾネスファイターな感じ。
見習い冒険者は トニーとマイだ。二人ともLV10・俺だけLV3なので、確かに最初の受付嬢に無理かもしれないと言われる訳だ。普通は村人時代に鍛錬をしてLV10まで上げて、ようやく見習い冒険者としてのスタートが切れる仕組みで、それが突破できない人は農家や商人・職人等の道を歩むのが一般的なようだ。
トニーは剣士系特化型、マイは剣士系の魔法使いというこの世界では珍しい使い手らしい二人ともドワーフ族と人間種のハーフで身長は低いが、体形は凄く良い。現代風に言うと背の低い柔道家。みっちりムッチリである
「トニーとマイは村人時代に鍛錬に励んだようだな」
「えっとリックか、誰にでも最初はあるが1か月この講習を頑張ってみろ。私が認めれば次の講習も私が責任を持って担当する」
リーザさんや他の講習者との挨拶が終わると講習がスタートする
「まずは基本的な剣術だ。まずは正しく剣が扱えるのか見るぞ」
俺は剣なんか使ったことがない、時代劇の「ご隠居のご老公様」や「暴れん坊殿様」等をイメージして剣を振ってみる
そして
「お前の剣は舞台用の剣裁きだな。その状態では確実に死ぬぞ」
と、怒られた。
剣術以前にまずは基礎体力からだと言うことで、俺は闘技場の周りを走り込みさせられる。
「よし、まず10周だ」
最初は嫌だったが、この世界に来てから時々体が軽く感じたり物の強度が変だったりする事が多々あるため、今回の走り込みも簡単に終わる。
「リーザ師匠終わりました!」
「おい!嘘をつくな!さっき初めて10分も経ってないぞ!」
俺はやっぱり信用されないのだなと思ったが、
「リックさん信じられない速度で走っていましたよ」
「マイ、おまえっ」
「トニーだって見ていたでしょ、俺は幻覚を見ているのかとか変なこと言っていたし」
「でも普通あんな速度で走れる人間が居る訳ないだろ」
トニーとマイが嘘を言っている感じもなくリーザは少し考えてから
「すまんがリック、闘技場を少し走ってみてくれないか?」
「了解ですリーザ師匠」
俺は最初の1歩目でジャンプ。師匠たちのいる場所から50メートル先の出入口に一気に到着この間約2秒、出入口を軽く叩き、出入口に手形が付いたことを確認して2歩で師匠達の元で戻る。
この間4秒。
俺はこの瞬間に確信する、パワースピードがとんでもないことになっている事を。そしてそれをある程度調整することができること。
■■リーザ視点です
「おいリック。お前本当にLV3なのか?」
幻術系魔法でステータス改変や偽装が出来る物もあるが偽装できた所でこの速度やパワーは異常だ。
ここから門まで50メートルほどある。あいつはそれを4秒で往復してきた。100メートルを4秒だ。時速90キロほどで走った計算になる
この訓練場は1週1500メートルと言われている、リックは10分で戻ってきた分速1500メートル。誰が信用する!時速換算で90キロ?
同じじゃないの!!!!!
※豆知識※ 100メートルを10秒で走ると時速36キロです
そのあとは酷い物だった、夢を見ているのか幻覚なのか。
力の確認で大剣、推奨装備レベル20の武器を軽々と持ち上げ、わら棒を振るように大剣を振り回していた。
ステータスプレートの【種族】人類 が気になっていてはいたが、人間種と違うのか?
私も驚いているが、トニーとマイは驚きから強い冒険者への憧れのような目に変わって行く。
「もしかしてリックは英雄クラスなのか?」
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初心者講習1日目が終わり、家に帰る
「おかえりーリック!!!」エリアが出迎えてくれる。彼女も初日であるが順調なスタートを切ったらしい。いろいろ褒められたようで、表情がかわいい。
「おかえりなさいリックさん」今日、アリシアさんは商業組合のほうに行っていたらしい
「アリ姉ぇは、商業組合で商業の女神なんて言われるらしいよ!美人は良いよね!」
アリシアさんはあっさり商業鑑定スキルを取得。中位鑑定者の資格を取ったため店を持って商売も出来るようだ
まぁ商業組合で商業の免許を取れば店を合法的に開け、卸売り組合からの仕入れが可能になるらしいが、鑑定持ちなら相場の傾向等が一発でわかる為、大商会でも簡単に就職できるくらいの実力なのだそうだ。
例えばこの商品をこの値段で買うとこの時期までに売れば〇〇儲かるみたいな、仕入れの時点でわかってしまうスキルだとか
「アリシアさんなら女神とか言われても納得ですね」
「お世辞はやめてくださいよ!リックさん!」
それに対し、おれは何かをやらかしてしまったみたいで冒険講習仲間から変な目で見られるようになっていたのだった。
リックの能力を本人に理解させていくお話です。まだ本人は少し変だ位にか思っていないですが、周りはそうには見てくれない話のつもりで書きました。




