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異世界転移は意味不明 ~レベル社会で生活できるようにかんばります~  作者: els


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【前日談】アリシアとリックが出会うまで(前)

アリシアの話で前日談です。本編物語の1年以上2年未満前の話になります


時は戻りアリシアが16歳の頃、歴史あるラベール商会の娘アリシアは

父の休暇でリーゼント国にある海運都市ロングヘイヤに訪れてた。


「ねぇお父様、ロングヘイヤって何があるのですか?」

「ロングヘイヤは我が商会の物流拠点なのは知っているだろう?あと、この地はカーパッツ国の先々代の王が王妃となる女性と出会った所としても有名なんだぞ」

「出会いの街なんですね」

「おまえにも良い出会いがあるとよいな」


ロングヘイヤ自体が物流拠点であり、沢山の国から様々な種族が訪れる事もあり、出会いと別れの街としても有名であった。


ロングヘイヤの街は大きく分けて4ブロックに分かれている

漁師・労働者の住む地区

冒険者や傭兵達の集まる地区

商業地区

貴族階級の地区


この街の中に観光地区・名所のような物が点在している街でもある


アリシアは護衛を連れ貴族階級区近くにあるロングヘイヤを一望できる公園を訪れていた。

若干、幼さは見られる物の16歳とは思えない美しさであり、ラベール家の中にエルフがいたとされ、彼女はエルフの血を強く引き継いでいるのか、人間族では到達できない美少女であった。


「おい、あそこにいる少女は美しいな」

リーゼント国ツーブロック伯爵家の息子クリッパは滞在先の屋敷の窓越しに見える美少女の姿に興奮していた。


「クリッパ様、あの少女はラベール商会の娘であります」

「そうか、もう素性まで調べてあるのか!さすがだな!」


女癖の悪いクリッパが女性問題を起こさないようにクリッパ専属執事は、話題の女や娘達の情報収集に抜かりは無く、アリシアの事も調査済みである


「よし!ではあの娘も俺の物だな!伯爵家の女になれるなんて光栄な事だと思わないか!」


実際問題そんな事はない、身分社会のこの時代、貴族と商人の娘の結婚等ありえない事なのだ。


貴族の婚姻関係は貴族同士、もしくは王族等の特定権力者関係者と形式的に結ばれるがこの世界の常識なのである。貴族において自由恋愛結婚のような物は無いと言って良い。

ただし、愛人のような関係であれば別で、多くの女性を囲う事もあり、側室のような制度も存在している。


この男クリッパは女性関係でたびたび問題を起こしていたので後々問題を起こさぬよう専属の執事が上手にリスクコントロールを行っていた。


窓の外の美少女に目を奪われるクリッパはさっそくアリシアに会いに行くことにした。


翌日、偶然を装いアリシアの前に現れたクリッパとその護衛達、全て執事の男が根回しをした結果である。


クリッパの護衛の男がアリシアの護衛に近づき、事の内容の説明を行う。


ツーブロック伯爵家のクリッパがアリシアと話がしたいという内容であった。

この話を無下に断る事もできないアリシアとアリシアの護衛達はクリッパと話だけを条件とし会う事を了承した。


このころのアリシアはまだ鑑定スキルを持っていなかったが、ラベール商会の英才教育の中に、人を見る勉強のような物がある。


容姿・話し方等の一般的な物から始まり、人の癖や仕草から会話の真意を読み解く技術である。

商人達はこの技術を使い、商売を効率良く進め、時には嘘の中の真実を見抜かなくてはならない。

ラベール家に生まれたアリシアはこの技術を完璧にマスターしなければならなかった。


アリシア達はクリッパの部下に教えられた貴族区画にある貴族用の店に向かい、ラベールの名を出すとそのまま奥の部屋へと案内される。


「お父様と一緒でない時にこんなお店に入るのは初めてです」


16歳で未成年のアリシアが単独で貴族階級が利用する店等に出入りするような事はまず無い。

父親と一緒の時に貴族等のパーティ等に招かれた時に同行する程度である。


しばらくすると、金髪を刈り上げた短髪の男が執事風の男と一緒に部屋に入って来た。


「おお、直に見るとさらに美しい女性ではないか!俺はツーブロック家の長男クリッパだ」

「本日はお招きいただきありがとうございます。ラベール商会ラベールの娘、アリシア・ラベールです」


アリシアは最初の言動が気になったが、そのまま和やかに茶会が始まるのかと思っていた。


「回りくどい話は無しだ。今日お前を呼んだのはお前を俺の嫁にしてやる。光栄だと思わないか!」


話がストレート過ぎるのでアリシアの護衛達は動揺していた。

政略結婚のようにあらかじめ、家や親に決められて結婚する話はこの世界には良くある事なので本来であれば驚くような事でもないが、手順を踏まずに「嫁にしてやる」では話が通らないのである。

しかもアリシア本人に直接伝えるのは手順以前に間違っている。


しかしアリシア本人は全く動揺する様子もなく、そのままクリッパの話を聞き続けた


クリッパはアリシアが真剣な目で話を聞いている事に心を許したのか、いろいろな事を話し出す。


貴族の自慢話のような物から武勇伝のような物まで。


アリシアは会話の中でクリッパの事を分析始めていた。

話し方・口調、アリシアが肯定・否定した時の反応等全てを。

話の内容がひと段落した時点でアリシアから切り出して行く


「クリッパ様、急な申し出で私も困惑しております。しかし私自身成人前の身であり恥ずかしながら、私の事は私自身では決める事が出来ません。この件に関しては父と相談させてもらってから改めてお返事したいと思います」


アリシア本人は短い会話の中でクリッパに将来性が無い事。

会話の中が嘘で溢れている事。

伯爵家の息子というネームバリュー以外は魅力を感じないと判断する。


その日の夜にはアリシアの父の耳にもこの話が入る事となる。

「ツーブロック伯爵家のクリッパ様か」


クリッパの事はとある分野では有名になっていた。

クリッパ本人は異常なまでの女好きであり、クリッパ本人が未婚である以上、彼女や女友達という表見が正しいのかもしれないが、女性問題で様々な問題を起していたのである。目を付けられた女性側には拒否権が無く、上手に行かない場合は、伯爵家の権力を使い大体の場合は強制的もみ消されたり、後処理されているようだ。


強制的に連れて行かれた女性達の中には、気に入られなかったり、飽きたら娼婦や奴隷として捨てられるという話もあったのだ。


ロングヘイヤに滞在する事に危険を感じたアリシアの父は全ての予定をキャンセルし、早々にカーパッツ国に帰国する事にしたのである。


その後何度となく、ツーブロック家からの書簡がラベール家に送られてくるようになる

カーパッツ国貴族を経由し、それらの書簡が送られてくるのだが、断る毎に脅迫じみた内容に変わって来る事にラベールは頭を悩ませていた。


その中には

”リーゼント国内でのラベール商会を解体、分割しリーゼント国内の商会に仕事を行わせる”

このような項目もあり、ラベール本人もクリッパのバカさに頭を痛めている


「あの男は何を考えている!アリシアはまだ未成年だぞ。私欲のためにこんな事するなんて、ツーブロック家自体にも不利益な結果になるはわかるだろうに」


ツーブロック伯爵家には莫大な金額の税がラベール商会から収められている。

分割して解体するとなると、その税収が減る事にもなるのだが、クリッパ自身は女の事しか興味がない。


内政や領地経営についてはド素人以下の考え方なのであった。


数か月を経つとラベール商会が行っていた業務が解体され始め、税収が減った関係で、リーゼント国内の一部の地域の治安が極端に悪くなったのである。


もちろんラベール商会の商隊も襲われるようになり、その頻度は日に日にひどくなっていく。


「お父様、私がクリッパ様の所に嫁げば全て済む話ではないでしょうか」


アリシアの父も悩んでいた。リーゼント国内のラベール商会を守るにはアリシアをクリッパに引き渡す事が最良だと思われた。


「しかしアリシア、お前はまだ未成年だ。リーゼントの法律ではお前を守れない。私はあんないい加減な男の所にお前を行かせる訳には行かないのだ」


ラベール本人の意思は固く、こうしてラベール商会はリーゼント国内での業務がほぼ解体され他の商会がその業務を引き継ぐ形なった訳である。


◆◆◆


「国内のラベール商会は解体したが、ラベールの娘は手に入らぬではないか!」

「クリッパ様、他国の商人ですので我々でもこれ以上は手を出せません」

「これではツーブロック家のメンツが立たんわ!」


メンツも無いもない、クリッパ自身はツーブロック家に多大な損害を与えていたのであるが、まだその事実に気が付いてない


書いていてアリシアが可愛そうになって来ましたが、頑張ってもらいます


この話とは別のエピソードで投降再開予定です。


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