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偽勇者の俺が、うっかり魔王を倒してしまった件 ~ちがう!ちがう!本当は勇者じゃねぇんだ!!  作者: nayaminotake


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第9話 LEVEL9

「!?こ、これは!」




渡された羊皮紙は、第一魔王フォルトスを遠見の術で見た姿だという絵が描かれていた…




マッスルポーズをとる3人の筋肉馬鹿―――




「こ、これが…第一魔王フォ、フォルトス?!」




「えぇ…この禍々しい姿、見る者に不快感を与えるほどのおぞましさ、まさに第一魔王の名に相応しい!」




高位の神官はフンスとドヤ顔をする




(こ、これって北の魔の森のふもとにある村、コジマリ村の筋肉馬鹿3人衆だよな…名前は、覚えてないけど…)




「如何されましたロキ様?」




隣で首を傾げ俺の顔を覗き込むセラス




「い、いや…コイツら、いやこれは単なる筋肉が至高と思ってる、ただの善良な馬鹿…コホン、村人だと思うんだが」




「え?」




ザワザワ……




(おい、どういうことだ遠見の術で確かに…)


(ば、馬鹿!勇者様が違うと言っているんだぞ!)


(し、しかし遠見の術では勇者様のご尊顔までは…)




(((もしかしてーーー偽物?)))




!?




ま、まずい!!




「い、いやぁーーー良く見たら、俺が討伐した魔王のような気もして来たなぁーーーアハ、アハハハハ(すまない筋肉馬鹿3人来世で会おう)」




「フフフフ、もうロキ様ったら――――」




「あやうく偽物として処分してしまいそうになっちゃいましたよ♡」




ゾクッ




セラスの瞳が怪しく輝き、背筋に冷たいものが流れる




『クククク、どうじゃ儂のお茶目なイタズラは』




突然腰の魔剣が俺に語り掛けてきた




『はぁ―――?!お前のせいか!』




『いかにも、クククク…儂、いや伝説の魔王であるフォルトスの姿がそう易く人間に知れたら面白くなかろう?ん?』




『いや、お前…面白いとか面白く無いとか…』




「ロキ様それりも……」




突如として真剣な表情を見せるセラス




―――ザッ




セラスも含め、その場に居た高位神官や護衛騎士、騎士隊長バニラ一同が急に俺に向って傅く




「一刻も早くこの聖教国ニシャルの東方の魔境火山に巣食う第六魔王、ロクテンの討伐を!」




「「「「討伐を!」」」」




「…………え?」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「では、本日はこのお部屋でゆっくりお休みくださいロキ様」




「お、おう!お休みセラス」




「フフフフ、明日は討伐パーティーの選定会を開きますのでお早めにお休みくださいね。チュ♡」




部屋のドアの前で廊下の奥へと消えて行くセラスに手を振る




バタン




見送った後、扉を閉めズルズルとドアを伝い床にへたり込む




「やばいやばいやばいやばい……」




ロキは身体を両手で抱きかかえ身を震わす




『なんじゃ?ロクテン如きで何をビビってる?』




「テメェは黙ってろこの、駄剣が!」




『だ、駄剣!?』




「俺は偽物の勇者だぞ!剣技も魔法も特殊スキルもない…あるのはペテン師としてのスキルだけだ…それなのに魔王を倒せ?無理無理無理」




「逃げよう」




『はぁ?逃げる?』




「当たり前だろ!逃げるに決まってる、魔王だぞ!魔王!魔物の王だぞ!それに魔性を操り周囲の魔物を活性化するんだろ…絶対死ぬ、確実に死ぬ…」




『ふむ…まぁ絶対かどうかは知らぬが、死ぬのは死ぬかもな?』




「テメェ他人事かよ!」




『他人事じゃ』




「この駄剣がぁぁぁ!!」




ロキは魔剣フォールスルーを握ると床にガシガシと打ち付ける




『ダハハハハ、そんな事でこの儂にダメージが入るか愚か者が』




ドタドタ―――バタン!




「勇者様いかがなさいましたか!?」




剣を床に打ち付ける音を聞いて、近くの侍従室へ詰めていたメイドが慌てて飛び込んで来た




「え?あ、あぁーーーいや、これは古くから我が家に伝わる剣の鍛錬でして…床打ちと言うんですよアハハハハお騒がせしました」




「!?そ、それは失礼いたしました!このような夜にまで鍛錬を怠らないとは…流石です!」




メイドは両手を握りしめ俺へ潤んだ瞳を向けてくる




「あ、あぁ勿論、この聖教国の…いや君たちの平和を守る為ならこの程度のことなんてことは有りませんよ」




「キャー勇者様ぁぁぁ!」




メイドが両手を拡げ俺へ飛び掛かってくる




ガシッ




しかし、メイドは背後からその頭を掴まれ




ドォォン




「ぎゃふん!」




ドアの外の壁まで吹き飛ばされる




「ちょっと?”私の”ロキ様に今抱き付こうとしましたね?…メイドの分際で――――死にたいのですか?」




そこに立っていたのは、薄いピンク色のスケスケのネグリジェを着たセラスだった




―――ピンクの瞳が怪しく輝き炎が灯っている様にも見える




「未来の妻たるこの私が、本日はお疲れだろうと我慢して部屋に引き上げたと言うのに…まさかこんな近くに魔王の使いが潜んでいたとは…」




「ヒ、ヒィ―――!」




メイドは体を引きずるように廊下の奥へと走って逃げていく




「私の聖魔法から逃げられると?」




スッーーとメイドの背中に向け手を翳すセラス




(これってヤバイやつじゃ!?)




『止めた方がいいと思うぞ?メイドだけでなく、この大聖堂の中の他の連中の命(精力)も聖女に吸われるぞ?』




「と、止める!?どうやって!?」




『知らん』




「この駄剣がぁぁぁぁぁ!」

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