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偽勇者の俺が、うっかり魔王を倒してしまった件 ~ちがう!ちがう!本当は勇者じゃねぇんだ!!  作者: nayaminotake


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第6話 LEVEL6

アフレド大陸東部を治める国、聖教国ニシャールの首都である聖都ニシャル




女神イシスを主神とする宗教国家




『恵に感謝し、生に感謝し、出会いに感謝し、絆に感謝する』




『種族による差別は愚かであり、命は全て平等』




『持てる者は持たざる者へ、持たざる者はより持たざる者へ、重ねた恩はやがて大きな恵となって自身へと返ってくるであろう』




主神である女神イシスが最初の勇者と言われている、原初勇者アベルに託したとされる言葉




この初代勇者アベルと、3代目勇者アドルは学校の教科書にも出て来るほどの有名な人物だ




しかし、この2人の伝承には各国で相違がある。




オフレス王国は、初代勇者アベルの血筋だと名乗り




オーポレン連邦内の大都市であり元首都でもある、魔術都市ガルガファルムは初代勇者アベルの生誕の地といわれ、伝統ある魔道学院の設立に携わったのが3代勇者アドルだったという




そして聖教国ニシャールにおいては、初代勇者アベルと3代勇者アドルの生涯の妻となったのは、ニシャールの聖女であり




勇者を引退後は聖教国ニシャールにて、妻となった聖女と共に生涯にわたり女神イシスの代理者として国を導いた。




――と、まぁ各国とも勇者の名声を自国の威信を守るために最大限利用しているのだ。




だから、どの国が正しくてどの国が正しくないという論争は何時の時代も繰り広げられている。




それにしても、何で初代勇者と3代勇者がこれほど大陸で信奉されているのか…




共通しているのは”魔王を討伐した勇者”であるという事…




今の時代までに女神イシスの神託を受け、勇者として降臨した者は9名…




しかし、内7名は魔王に挑むも討伐する事、敵わず無念にも命を散らしている。




その中で初代勇者アドルは第4魔王、第5魔王、第6魔王の三柱を討ち果たしたとされる…そして第3魔王に挑んだ際に敗れ勇者としての力の大半を失い勇者を引退




3代勇者アドルは第6魔王を討ち果たすも、第5魔王に敗れ瀕死の重傷を負い、仲間であった聖女に一生そばで治療をされながら短い生涯を終えたという




第2から第6の魔王はお互いを相互補完しており、各属性を司るため五芒星のように互いに繋がりを持ちその相克の反発によって魔性を作り出してると言われる




唯一、五芒星の中心に座する第1魔王のみが他の魔王との相互補完を行わず単独で、魔性を生み出し世界を終焉に導く力を持つのだと噂されていたが




今までも、その存在は認識されていたが、能力も全貌も、その存在の片鱗すら不明で全く明らかになってなかった伝説上の魔王だった




―――だが今は、なってなかったと過去形で語った方が正解だろう




〇聖都ニシャル 騎士団詰問室




バン!!




「貴様が勇者様だと?」




「い、いや…それはですね…」




ロキは聖教国の聖騎士団に拘束され、今まさに薄暗い部屋で騎士団の尋問官に尋問を受けていた。




「貴様みたいに、勇者を名乗る”偽勇者”を数多く見て来た我ら、聖女様直属の聖教国聖騎士団の目を易々と欺けると思うなよ!」




ガシャ




首にかけられた首輪に取り付けられた鎖を引っ張られ凄まれる…が




(クソッ、聖騎士団のお姉様がた…皆なんてお美しいんだぁぁぁ!)




ロキは、尋問官が激しく机を叩く度に、胸の鎧の隙間から見える豊満な白い胸の谷間の揺れに欲情していた。




「貴様なにを考えておる!その気味の悪い笑みを止めろ!」




ガッ




「グヘッ」




尋問官は手にした鉄の棒でロキの顔面を力いっぱい殴りつける




頭がクラクラする…鼻から血が垂れる




痛い、怖い、痛い、鼻が詰まる苦しい




「で?貴様は本当は何者だ?」




尋問官は手でトントンと鉄の棒を叩きながら蔑むような目でロキを睨みつける




「お、俺は……」




「金髪に青い眼…左手には勇者紋、かなり勇者様について調べたみたいだが貴様の手にしていた剣」




尋問官がテーブルの上にロキの持つ中古のブロードソードを置いた




「これが聖剣エクスカバだと?」




「い、いや…これは」




尋問官が溜息を漏らしながらブロードソードの柄と鞘を握り抜こうとする




―――が




「ふん!抜けなくなるほど錆び付いているではないか!」




剣はビクともせず鞘から抜ける気配もない




「こんな鈍らが、かの最難関洞窟の最深部でドロップするという聖剣エクスカバな訳なかろう」




「仮にこの剣がエクスカバだと言うのであれば、我ら聖騎士団にだけ携帯が許されたミスリルレイピアなど容易く両断出来よう」




尋問官は鉄の棒から腰の魔法金属ミスリルのレイピアに手を掛け一気に抜き去るとロキの鼻先へと突きつける




「さぁ、その鈍らを抜いて見せてみろ」




「さぁ!」




(そんなん、無茶苦茶だぁーーー!ただの中古のブロードソードでミスリルを斬れる訳ねぇよ!)




「このまま何もしないなら、お前の鼻の穴をもう一つ増やす事になるが?」




(えーーい!ままよ!母よ!お母さーん!)




ロキはブロードソードの柄に手をかけると、スッと刀身を抜く




「ほう…抜くのに力加減のコツでも有ったのか?で?そこからどうする?」




(んな事知るかよ!)




ピシッ




その時、尋問室の壁に亀裂が走り…




ガラガラガラ




壁が横一文字に切れ壁が崩落する




「はぁ!?なっ何が起こってる!」




尋問官と入り口を警護していた騎士は状況が分からず慌てふためく




当然ながらロキも…




そして、壁の奥には…




「「「「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」」」」




下着姿の美女、美女、美女、美女…メスゴリラ




「うーん目の保養…眼福眼福」




約一名、オッサンのような化け物が混ざっているが…




『ククククつくづく運の無い男だな…クククク』




「テメェ―――誰か知らねぇが俺の眼福タイムを邪魔するな!」




相変わらず幻聴がオッサンの声で、折角の眼福タイムが萎えてしまう




「貴様ぁぁ神聖で清らかな乙女である我ら聖騎士隊を愚弄するとは……ゆるさん!」




約一名のメスゴリラがロキの身の丈以上を超える大きさの大剣を握り、はち切れそうな下着姿のまま壁を乗り越えロキに襲い掛かって来た




「我が名は聖騎士副隊長、純潔の乙女、メス・ゴーリー!勇者様の名を語る覗き魔めここで成敗してくれる!」




メス・ゴーリーの振りかぶった大剣に淡い光が宿る




「くらえ!ホーリープリティ―スマッシュ!」




(え?なに?どこにプリティ要素が?!)




豊満な胸と思いきや、隆起した胸筋が躍動し目にも止まらぬ速さでロキの脳天へとミスリルの大剣が振り下ろされる




キィィィン




ロキの脳天を真っ二つにするかと思われたミスリルの大剣は真っ二つに斬り飛び、ロキの背後の床に突き刺さった




「は?へ?な、なに?」




「ば、ばかな…私の愛刀ラブプリンが……」




「え?何そのネーミングセンス!?ダサすぎない!?い、いや、それより何だこの中古のブロードソード!?」




ロキは頭上に構えたブロードソードに視線を向ける




『ふん!ようやく儂の偉大さに気付いたか!』




「!?喋った!?」




ロキは慌ててブロードソードから手を放す




「!?手から離れない!?」




手を拡げ上下に振るが、ブロードソードの柄が手にくっ付いたように貼り付き離れない




『やれやれ、無駄じゃ儂は魔王剣フォル…いや、魔剣フォールスルーじゃ、魔の森で貴様に憑りついた。』




「なっ!?憑りついた!?」




『そうじゃ、これから貴様が死ぬまで…末永く宜しくたのむぞ…偽勇者君、クククク、アハハハハ』




嘘だろーーー




聖剣どころか、魔剣とか……魔王が持つって言われる伝説の魔性具じゃねぇか…




(俺って勇者どころか、人類の敵確定の人生積み確定?)





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