第4話 LEVEL4
と、各国でそのような騒動になってるとは露知らないロキ
「ポーション大量に貰っててよかったぜ…1本だけ割れずに残っててくれたもんな」
落下した際の足の骨折は、アイテム袋内で殆ど割れてしまった中、唯一残っていたポーションをがぶ飲みし治療した
骨折は戻っても痛みが完全に消える事はない、時間をかけて治すか、治癒の魔法をかけてもらうかしかない
「まぁ、さっきよりかはましか」
剣を杖代わりにして、先ほど目にした巨大な黒いドラゴンの瞳の方へ歩み寄る…
「ほえぇ―――マジででけぇ―――片方の目だけで俺の身体ほどあるぞ?」
何でこんな所に巨大なドランゴンの死体が横たわっているのか……
て、いうか今はそんな事はどうでもいい
「出口を探さないと―――」
ひょこひょこと剣を期用に動かしドラゴンの尻尾の方へと向かって移動する
「尻尾もデケェ―――しかも3本も尻尾があるぞ…こんなドラゴン聞いた事ないな」
ドラゴンにも種類があり、トカゲみたいなアースドラゴンから空を自由に飛ぶレッドドラゴンまで見た目も特徴も様々だ
それでも、尾が3つあるドラゴンなんて見た事も聞いた事もない
偽勇者を名乗ってる時に伝え聞いていたドラゴンの大きさはせいぜい10mから20m程度、しかし目の前の黒い龍はあきらかにその10倍から20倍はある
「まぁ、こんな状態じゃ素材を切り出して持って帰るなんて出来ねぇし‥‥はぁ――おしいな、このドラゴンの死体を”俺が退治したんだ!”と、村人に見せれば、俺の勇者としての実力を疑う連中なんていなくなるはずなのに…」
――まぁ”はず”の話はよそう
今は出口だ出口……
『なかなかに愉快な人間だな―――』
?
その時、頭の中に誰かの声が聞こえてきた
「お―――い、誰かいますか―――道に迷ったんです―――お―――い!」
「お――い。お―――い、お―――ぃ、ぉ――ぃ、―――」
しかし、返事が返ってくることもなく空しくも自分の声が洞窟内にこだまするのみ…気のせいか
「ちっ…せっかく拾った命なのに、こんな薄暗いところで一生終えるとかマジで勘弁だぜ」
「俺は、金髪で愛重めな聖女ちゃんや、勝気だけどM気質な茶髪の姫騎士や、眼鏡巨乳美女のエロ賢者らと組んずほぐれつの、エロエロ、ドロドロの勇者ライフを満喫する予定なんだ!」
「こんな陰気な所で、童貞のまま死ねるか!」
『クックク…アハハハハ、いいぞいいぞ!気に入った!これも時代だな、よかろう我が力貴様にくれてやる』
「はぁ―――また、幻聴か…しかも声、オッサンだし…どうせなら、可愛らしい女の子の声を幻聴させろや!」
「くっ、ちっとも捗らねぇじゃねぇか……」
『……いや、もしかして本当にただの馬鹿…なのか?』
睡眠の合間に岩陰で下半身を丸出しにしてゴソゴソと何かしているロキ
そんな姿に呆れた声を漏らす謎の影―――
―――この時、いや、もしかしたらこの先もずっと、ロキは知ることは無いのかもしれない。
魔の森の地下に第一魔王フォルトスの隠し居城があった事を
そして、ロキがキマイラから逃げる途中で落ちた穴が、実は魔王フォルトスが魔物を使役し外へ送り出していた縦穴だったこと
その落下した先には最強最悪たる第一魔王フォルトスの巨龍のような頭部があったこと
巨龍の頭部の眉間、その何処かにある僅か1cm角の金のうろこ、その裏には魔王フォルトスの唯一の弱点が存在すること
そして、ロキが落下中に無理やり抜こうとしたブロードソードの剣先が、偶然その魔王フォルトスの黄金の鱗を直撃し、落下の勢いと、慌てて抜いた時の勢いが相乗効果で乗り
―――クリティカルヒットし魔王に即死級の致命傷を与えていたこと
さらに、追い打つように深く突き刺さった剣は、魔王フォルトスの魔性核を抉り取ってしまい、最強最悪の第一魔王フォルトスは肉体を再生でない程のダメージを受け絶命
その強力な魔性と生命力は自らを葬った、偽勇者ロキへの呪いとして憑依
そして魔王フォルトスの魂と力の一部は、ロキの持つ中古のブロードソードへと宿った。
そしてロキの剣に宿った魔王フォルトスは、自らの力を譲渡したロキの行く末を興味津々(完全に面白半分)で見守るのだった。
魔王剣フォールスルーとして―――




