第11話 LEVEL11
「さぁ―――会場にお集まりの腕に覚えのある参加者の皆様、未来の勇者パーティーの顔をひとめ見ようとお集まりいただいた皆様」
いつのまにか、魔法による拡声器を手にした女性の神官が武舞台の上で観衆を煽るように司会進行を始めた
「フフフフ…」
セラスはと言うと、武舞台の横に仮設された席で優雅にお茶をしている
「本日はお集まり頂いた、勇猛果敢な皆さまがこれから命を預ける勇者様―――」
「女神イシスに認められし奇跡!ロキ様が、そのお力のいったんを見せて下さいます!」
(やめてくれ―――ハードルを上げないでぇ―――!)
「さぁロキ様、このミスリル鋼の純塊を両断して、皆にそのお力の片鱗を御見せ下さい」
武舞台を囲うように集まった、大勢の観衆は司会者のアナウンスで興奮気味に俺へ注目している。
(クソッ!こう人目があるとトリックも仕込めないな…つかこの塊ミスリルとか言ってたよ…な…マジか)
コンコン
すこし拳で軽く叩いてみる
ピシッ…
「ん?何今の…」
ピシッ…ピシッピシッ―――ドォォォン!
「え?えぇ―――!」
なんと、ミスリルの鋼のデカい鉄の塊というデカい板は中央から亀裂が走り、真っ二つにへし折れ武舞台に倒れた
「なっ!?なんと!?流石勇者様!わざわざ聖剣を抜くまでも有りませんでしたぁ!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
「え?な、なにどういう事!?」
『クククク、儂に感謝しろよ?偽勇者よ、クククク』
「なっ!?テメェ何か仕込んだなら早く言えよ!」
カシャ
腰の剣を軽く殴る
『にしても、ロクテンの奴をな…ククク成程成程』
「うっせぇ俺はそんなヤバそうな奴を相手する気はねぇ…」
大歓声を上げる観衆を横目に、急ぎ武舞台を降りると騎士隊長バニラさんがタオルを手に待っていた。
「ロキ様、お疲れ様です。まさか、剣を使わずにミスリル鋼を両断とは、このバニラ感服致しました!」
「あ、ありがとう…」
渡されたタオルで汗…(冷や汗)を拭くと
「では、ご案内します」
「え?案内!?」
連れて行かれたのはセラスの隣の席…うわぁ――落ち着かねぇ―――
「さぁロキ様、紅茶に御座います。ウフフフフ♡」
「さぁでは早速、勇者パーティー選抜戦の開始です!」
「「「「うぉぉぉぉぉぉ!」」」」
パンパン!
開幕を告げる花火が聖都上空に上がる
(うわぁ―――マジですか…本格的じゃねぇかよ…はぁ――)
―――これは…
「勝者!106番、戦士センシーン!」
―――なんというか…
「戦闘不能!勝者、22番ガルガファルム魔術学院所属、魔術師マジュン!」
―――ヤバイな…
「戦意喪失!勝者、70番元オフレス王国女聖騎士、賞金稼ぎのシーン!」
つか、マジでコイツら…皆、強すぎない?
「ロキ様いかがですか?御眼鏡にかなう強者はいましたか?」
「え?あ、あぁ…みんな凄いね、俺なんかいなくても魔王を討伐できちゃったり?アハハハハ」
「まぁフフフフ、ご冗談がお上手ですね♡」
「あの程度の者では、第六魔王の魔性で強化されたA級魔物すら相手出来ませんよ?フフフフ」
(マジすか!?そ、それって、魔王の強さヤバすぎない?)
――――何とか初日の選抜大会は無事終わった。
日程としては、明日が本日勝ち残って者によるトーナメンとなり、6名まで選抜するらしい
そして、明後日にはその6名による決勝となり最終1名残った者が晴れて勇者ロキパーティーの候補となる…という事らしい
何故か俺の名前のパーティーなのに詳細が俺に知らされて無いってのは納得できないがね!
その優勝者と、聖女セラス、そしてもう一人は選抜大会で俺の目にとまった選手が残り1名の候補者となる…らしい
それも、今、さっき聞かされたんだけどね!
―――そして、今日も大聖堂内の来賓用の寝室に一人…いや、まぁコイツがいるけど
『貴様ぁ――コイツとは儂の事か?』
「あぁテメェ様の事だよ!」
『にしても、逃げ出すとか言っておったが、ようやく覚悟を決めたか?』
「アハハハハ、まさかぁ―――」
「今日の選抜大会みて思ったね!」
『何をじゃ?』
「俺には無理!」
魔王討伐とか…俺には、無理無理無理無理ぃぃぃぃ!




