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汚穢  作者: ロベストラ
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空想虚言

それで?用ってなんですか?

仕事だ。今からお前にはある人に会ってもらう。

仕事?帰っていいですか?

駄目だ。昨日の件といい、最近お前はトラブルを起こしてばかりだ。

トラブルを処理するのにも金がいるんだ。俺がいいたいこと、わかるよな?

わかりますけど、同意はしかねます。

私がそう言うと、彼は歩くのをやめ、こちらに振りむいてきた。


いいか。どっかの誰かさんのくだらない癇癪のせいでそれなりの損失がでている。

だからその金を取り戻さなくちゃならない。


慈善の一環として、能力者を管理する団体を始めたそうだが、

お前も知ってのとおり、今や資本主義の一角を形成している巨大な産業なんだよ。

私のおかげでね。

あぁそうだ。お前のお陰でこっちは仕事が増えて、

娘の顔も碌にみれやしない……まぁそんなことはどうでもいい。


昔みたいに、なぁなぁでやってくわけにはいかないんだ。

金が動くということはどういうことなのか。

そいったことをしっかりと意識していかないといけない。

どんな些細なことでもな。

じゃないと上司に怒られるから?

そういうことだ。


そう言うと、踵を返して、また進みはじめた。

この大男の大きな歩幅に合わせ、こちらは小走りに近い状態で付いていく。


ちなみに、今から会うのってどんな人?

TJイロリだよ。

誰それ。


知らないのか?

そう言うと立ち止まり、怪訝な顔をこちらに向けてきた。

いちいち止まらないでほしい。

TJイロリだよ。一時期、ニュースはこいつでもちきりだっただろ。

だから知らないって。

……まぁいい。いいか。こいつはな、元々は同人界隈で

官能小説を発表していたアマチュアの作家だ。


親から性的虐待を受けて育ち、非行に走り、ドラッグに沈殿した

挙句にシリアルキラーと不倫。間男の罪を償うために心中を図るも、

目を覚ましたらラパイソだとかいう異世界に転生していて、

そこで得た万能の力を駆使して、ラパイソを救いったことで、

神々の力により、TJイロリとして現世に再誕。

現世に復活した際には、神と同等の力を持っており、

幼いころからあらゆる奇跡を起こし、予言を的中させたことで、

神童と崇められ育つも、普通の人として生きてみたくなったため、

今はアマチュア作家をしながら、派遣の事務職で生計を立てているといった与太話を

自伝だと偽って発表したらそれが大バズりしたんだ。


耳なじみのない主語ばかりなことに加え、

荒唐無稽がすぎるストーリーテリングのせいで理解が追い付かなった。

10秒ほど考え、整理し、そんなのを信じる奴がいるのかと

共感を得ようとしたが、そういえばSNSでしょっちゅうみかけてるなと思いやめた。


まぁなんというか……いい時代になりまたね、いろいろな意味で。

そして、すごいですね、この人。いろいろな意味で。


だろ?だがこいつの本領が発揮されたのはこっからだ。


こいつは本が売れた後、新興宗教を立ち上げたんだ。

えぇ……


偽の自伝本で稼いだ元手と知名度を活用して、

どんどん信者を増やしていった。

こいつは弁が立つ。

思いついた空想を元に、虚実を織り交ぜて捲し立てるのが上手いから、

そういった話術も相まってどんどんと規模は大きくなっていった。


世も末ですね。

お前が言うか。

















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