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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
作戦開始2
87/206

監視所

 「で、ここが監視所!」


 嵐子に案内されたカエデ達が次に来た場所がここだ。


 「走達から聞いていたけど、それがここね!」

 「確か署長室でしたっけ?」

 「ああ、そうよ!」

 「へぇ、署長室に何て入る機会なんて、そうそうないわよね有希子!」

 「そうね、現職の人でもそうないでしょうね登紀子。最も、今は元だけど…」


 先程の登紀子の態度に、堪忍袋の緒が切れたとばかりに、軽くキレた有希子。その後登紀子が、有希子(彼女)が本気だと肌で感じ、必死に謝り、何とか許しを得たのだった。

 かく言う有希子も、怒りすぎた反省した。

 そんなこんなで互いに謝り、何とか元の鞘に収まった。

 最も、登紀子は姉の意外な姿を見てか、態度が控えめになってはいるのだが…

 

 それはさて置き、嵐子に案内され監視所に入る一行。そこでは複数人の男女が、外の様子に目を光らせていた。

 そんな彼らも嵐子が入って来ると、


 「あっ、姐さん!」

 「アタイの事はいいから、気にせず見張りを続けて!今は、彼女達を案内してるだけだから!」

 「その人等が、例の人達の仲間ですか?」

 「そうだよ!」

 「そうっすか。そんじゃまあ、取り敢えずよろしく!」


 と、そんな感じで見張りをしていたメンバーとカエデ達は簡単に挨拶を交わした。

 それが終わると、


 「んっ、ちょっと鹿川(ししがわ)の奴はどうしたんだい?今アイツも見張りの番だろ!」


 嵐子が見張りのメンバーを見ながら聞いた。どうやら、見張り番のメンバーが1人足りないらしい。


 「あぁ、鹿川さんなら席を外してますよ!」

 「外してるって、トイレにでも行ったのかい⁉」

 「いやそういう訳じゃないんです…」


 と、メンバーの1人の女性が歯切れが悪そうに答えた。


 「トイレじゃなきゃどこ行ったんだい⁉」

 「それが…」


 その女性は少しためてから


 「戦車見に行くと言って、行っちゃいました…」


 と、発した。

 それを聞き嵐子は、


 「はぁ〜、戦車⁉」


 と、少し気が抜けた感じに答えたのだった。


 「戦車って…それってもしかして三船さんの…」

 「ああ、釘戦車!!」


 と、新堂姉妹が続けた。


 「えぇ、多分それのことだと…」

 「どういうことだい⁉」


 嵐子には訳が分からなかった。


 状況を説明すると、走達地下のメンバーがここに来た。道中、三船が自分の店から引っ張ってきた釘戦車で、蚊を撃退した。

 それをこの監視所から、カメラで見ていた鹿川という男が、居ても立っても居られず、見に行くと言って、仕事そっちのけで飛び出したのだという…

 その鹿川という男が居たであろう場所には、小型のモニターが幾つかあり、警察署のアチコチの様子がリアルタイムで映し出されていた。先程、自分達もいた1階のホールもしっかりと映っている。


 それを聞き嵐子は、


 「戦車ね…確かに、アイツがじっとしてるわけないか…」

 「嵐子さん、その鹿川さんって人は?」

 「あぁ、鹿川広信(ひろのぶ)っていって、アタイ達の仲間の1人だ。小さい頃はシューティングゲームが好きな大人しい奴だったんだけど、次第にミリタリー的な物に趣味の幅を広げ、サバゲーにハマっちまったんだよ!」

 「サバゲーって、戦争ごっこの…」

 「そっ、因みに、アタイ等の使ってるトランシーバーや無線機の類は、奴が用意してくれたのだ!サバゲーやっているうちに、無線機とかにも詳しくなったとかでさ…そのモニターもヤツの品さ!」

 「そういえば、詳しい人がいるって聞いてましたけど、それって…」

 「そっ、アイツの事さ…」

 「でも、そのおかげで助かってるわけじゃないですか、結果的には良かったじゃないですか!」


 と、有希子が顔も知らない人物を庇うように言った。


 「まぁね…まさかこんな感じで役立つとは、アタイも辰馬も予想打にしなかったよ…とわいえ!」

 

 嵐子は急に語気を強めた。


 「見張りそっちのけにしていい理由にはならないよ!例の戦車あるのって1階だっけ?」

 「えぇ…ホールの端の方に停めてあった筈です…」

 「チョイと行ってくる!悪いけど、案内はここまでだ!アンタ達、引き続き見張り頼んだよ!!」


 嵐子はその場にいる人間全員に、檄を飛ばすかの様に言った。


 「「「はっ、ハイ!」」」


 皆が練習したかのごとく、声を揃えて返事した。

 次の瞬間、嵐子は1階へと降りていった。

 あまりの迫力に一同は暫く、その様子を黙って見届けていた。

 鹿川は、元々は単に無線機類好きな人物という設定でしたが、書いてる途中で、本編通りのキャラに広げました。

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