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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
新たなる出会い
64/206

警察署6

 警察署の最上階。大阪の町を見渡せる景色の良い部屋。以前は署長室であったが、今は、辰馬等によって監視所として使われてる。

 そこで、辰馬達が交代交代で双眼鏡を手に監視している。何かがあればすぐさま、トランシーバーて報告する。といったシステムになっている。

 そこからの連絡で、辰馬等は駆けつけた。


 「ここだ!」

 「ここって、署長室じゃないですか!」


 正一が署長室と書かれたプレートを見て発した。


 「ああ、元な!最上階でなおかつ見晴らしがいいんでな、監視所にしたんだ。」

 

 そういうな否や辰馬はドアをノックし、向こうからの返事を待つ間もなく、ドアを開けた。


 「俺だ、入っぞ!」

 「辰馬さん!待ってたっす!」


 そこでは複数人の男がいた。床には、彼等が食い散らかしたであろう、スナック菓子のゴミと、空のペットボトルが散乱している。辰馬は、それ等が一瞬目に入った。普段なら散らかすな等と注意の一言も言うところだが、今は、それどころで無かった。


 「蚊の様子がおかしいと聞いたぞ!」

 「そうなんすよ、蚊共が1箇所に集まりだしてるみたいっす⁉」


 そう言うと1人が辰馬に双眼鏡を渡した。

 それを受け取り辰馬は、男が指す方向に双眼鏡を向けた。


 「なる程な、確かに蚊が集まってんな。今までそんな動きはなかったよな、ラン?」

 「あぁ、どの蚊も、大阪中を宛もなく飛び回ってるって感じで、獲物を見つけた時以外、これと言った変化は見られないからね…」

 「だよな…待てよ、確かあの辺りは…」


 辰馬は、双眼鏡の倍率を上げ、蚊が集まるポイントを確認した。


 「やっぱり、あそこは難波の百貨店だ!」

 「百貨店⁉なんだってあんな所に…」

 

 辰馬等が疑問を感じていると、走が、


 「難波の百貨店!!おいよっちゃん、剣持さん!!そこってまさか…」

 「ああ、確か今あそこでは…」


 3人が顔を青くした。それを見て辰馬は、


 「どうしたんだ?何か知ってんのか?」


 と、聞いてきて。が、走は答えず、別の男の双眼鏡を奪い取るように取り、辰馬と同じ所に照準を合わせた。そして、


 「どうだ走?」

 「あぁ、間違いない…食料調達班がいる所だ!」

 「食料調達班⁉どういう事だ?」


 走達は、辰馬達に食料調達班の事を話した。


 「おいおいまさか蚊共は、その食料調達班を獲物にしようと集まったとでも言うのか?」

 「俺等だって考えたくないっすよ!でも…」


 そこまで言うと、走は不安で言葉が出なくなった。

 そうこうしていると、蚊を見ていた嵐子が叫んだ。


 「辰馬!百貨店に蚊が入ってくよ!」

 「本当かラン!」


 辰馬と走は再び双眼鏡を向けた。そこには、割れた窓等から蚊が内部に入るのが見えた。


 「まっ、マズイ!カエデ達が危ない…」

 「どうする?」

 「どうするもこうするもねーよ!助けに行く!」

 「待て、あそこまで結構な距離だぞ。間に合うわけないぞ。それに、着く前に蚊の餌食になるのがオチだ!」


 正一が止めた。


 「だからってここで指くわえて見てろってのか⁉」

 「そっ、それは…」


 走の言葉に正一は言い返せなかった。


 「と、兎に角、俺は行くぞ!」

  

 走が部屋から飛び出そうとした。それを辰馬が制止した。


 「止めないでくれよ、辰馬さんよ!」

 「落ち着け。それよりも山口だったな⁉」

 「あぁ…」

 「山口、彼等を助けたいか」

 「あぁ、勿論だ!」


 そう言った走の顔を辰馬はじっと見つめ、


 「いい目だな。よし、良いだろう。手を貸してやるよ!」

 「えっ…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 時と場所は戻り、地下隠れ家。


 「と、言う訳でだ…辰馬さんが力を貸してくれることになってな、まーいろいろあって、あの大所帯で救出に駆け付けてくれたって訳だ。」


 走の長い話が終わった。それを聞いていたカエデ等食料調達班のメンバーは、


 「そ、そんなことがあったの…」

 「あそこにも生き残った人達がいたんですね。」

 「いやしかし、いきなり警察車両が大量に来て逆に焦ったぞ…」

 「確かに、まるで大事件が起きたみたいだったぞ…」


 と各々が、感想を口にした。

 それから最後に皆が皆、口々に辰馬に礼を言った。

 それを辰馬は、


 「いっ、良いってことよ!」


 と言いつつ、注目されテレ顔をしていた。

 


 

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