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平正明(その2)
平の中納言正明殿から、文が届きました。
「なんとか、文を差し上げましたが、御返事がなく、不安ではございますが、懲りもせずにもう一度差し上げます。
山深み もの思う沼の 水多み 八重のいわ垣 越ゆるころかな
(あて宮様を思って流す涙が、山が深く、水が多いので、八重にもなっている岩垣を、いわずにいるわたしの涙が越えてしまう頃です)
と書いてありました。
もちろん、わたくしは、まったくお返事申し上げませんでした。
(正明殿は、実忠殿に比べて、執念?も、贈り物の工夫も、足りません。)




