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仲忠(その9)
常の例では、舎人や力士には、信濃の布を贈るのだが、今年は特別に、陸奥の国の絹の布を贈りました。その絹は、蘇芳の脚のついた台に乗せ、父兼雅の前に置いてから、家の政所に勤める家司が、正装して出てきて、名前を呼び渡しました。近衛府の番長、力士の大関には四疋、ただの舎人、力士には二疋与えました。また、中将や少将の御随身(近衛府から派遣される警護の役人)には、一疋ずつ与えました。
被物は、親王たちには、赤朽葉に花文綾の小袿、菊の摺り裳、綾掻練りの襲、合わせの袴を、宰相をはじめ中将までは、綾の摺り裳、黄朽葉の唐衣ひと襲、袷の袴を、少将はじめ部下にあたる者たちには、薄色の裳、黄朽葉の唐衣ひと襲、色合いの薄い袴、従五位や従六位の者には、白い綾の単襲、袷の袴、お供できた官職のある者には、白張りの袴、近衛の府生には白い単襲を贈られました。今日来たもので、禄を贈られぬ者はおりませんでした。
(豪華絢爛の贈り物です。令和生まれの私には、よくわかりませんが、平安の姫君は感嘆のため息をついたと思われます。)




