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俊蔭(その7)

 阿修羅に食われると思ったその時、大空がかき曇り、車輪のごとき大雨が降り、雷が鳴り響き、龍に乗った童(わらわ)が閻魔の黄金の札を阿修羅に渡してから天に登って行ったのです。


 その札には、『三つに分けた下の品は、日本の人間、俊蔭に施す』と書いてあったのです。阿修羅はたいそう驚いて、この俊蔭を七度(ななたび)臥し拝みました。阿修羅は、

「ああ、尊いことだ。あなた様は、天女の子孫でいらっしゃったのか。」と言いました。そして、

「この木の上中下のうち、上中の品は、大福徳(大きな福をもたらす)の木だ。

その一寸のかけらを持って何もない土を叩くと、一万粒の宝が湧き出る木である。下の品は、その声を以って、永き宝となる木である。」と言うのです。


 そう言って、阿修羅が木を取り出して割る音がすると、天稚御子(あめわかみこ)が天から下っていらっしゃり、琴を三十つくって天に上って行かれました。それから、音声楽(おんじょうがく)が鳴り響き、天女が下っていらっしゃり漆を塗られ、織姫が緒をすげられてまた天に上って行かれたのです。

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