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俊蔭の娘(その41)
兼雅殿は、続いて詳しく話されました。
「賀茂詣でのときは、お伝えしていましたように、父母がわたしを探して大騒ぎをしていたので、帰参いたしましたら、ひどく怒っており、親の在世中は片時も目を離されず、『秘密を持っている者である。逃がしてはならぬ。』と言われ、少しでも親の傍を離れるときは人をつけて守らせていらっしゃいました。
どうにかしてあなたのお屋敷まで行きたいと思わぬ時はなかったのですが、私自身以外はお屋敷の場所を知らず、使いを送ることもできなかったのです。父母が亡くなってから、お屋敷を見に行ったのですが、もう野原のようになっていて、行方をお探しすることもできず、どうしていらっしゃるのか分からないことを嘆きながら過ごしていたのです。それが、ここにこうしていらっしゃるとは。」と、泣きながら話されたのでした。
わたくしは、恥ずかしく思う事は言いつくせないほどでありましたが、何も答えないのも幼いようので、苔の簾のもとによって答えました。




