↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
63/66

俊蔭の娘(その40)

 言うだに恐ろしい山を越え、洞窟《うつほ》の木のもとにいらっしゃり、兼雅殿は、咳ばらいをされました。子は、出てきて、兼雅殿を見て、

「前にいらっしゃった方が来られました。」と、わたくしに告げました。


「まあ、恥ずかしいこと。どういう方なのでしょう。こんな劣った姿でまたお会いするとは。」と言いながらも、

「このようにわざわざ来てくださったのに、隠れていては申し訳ないことです。」と言って、出ていきました。お供の人はそのままにして、兼雅殿だけ、洞窟(うつほ)の中に入って来られました。


「あなたは知らないことです。あなたの母君にお話ししましょう。」と言われたので、子は、そのままわたくしに伝えました。それを聞き、『まさか、あのときの一度だけお会いし、そのままいなくなってしまった人ではないのかしら。何をいまさら話すことがあろうか。』と思うのですが、どうしようもありません。


 兼雅殿は、奥に入って来られ、

「前に来た時も、お話ししようかと思ったのですが、すぐにお話ししたのでは、誤解されて拒まれると思いまして。わたしが、賀茂詣でのお供をしてあなたにあった者なのです。」とおっしゃいました。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。