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俊蔭の娘(その22)
そうこうしているうちに、年が変わりました。
この子は、ますます大きく成長し、聡く賢くなりました。子どもなのに、大人のようになっていました。(実は山の七人兄弟のうち一人の生まれ変わりで、変化の者です。『敏蔭(その15)』で仏に予言されていました。その文が抜けていたので、改訂しました。)
この河原のあたりを歩いていると、
「どなたの子か。」
「親の名は何か。」
「このあたりに住んでいるのか。」
と聞かれるので、屋敷まで尋ねて来られるかもしれぬ、人に見られたり、知られたりしたくない、と思ったそうです。そこで、この川だけに魚がいるのではないだろうと、川を渡り、北の山に入って行ったそうです。
その山には、大きな童がいて、土から何かを掘りだし、火を焚き、また、大きな木の下で椎、栗などを取っていました。そして、
「何をしに、この山にいるのか。」と問うので、
「魚を取りに来たのだ。母に食べさせようと思って。」と答えたそうです。すると、その童は、
「山に魚はいない。また、生き物を殺すのは、罪だ。これを拾って食せ。」と言い、自分が拾い集めたものを受け取らせ、去っていったそうです。子は、うれしく思って、持ち帰り、わたくしに食べさせてくれました。




