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俊蔭の娘(その20)
早朝、近くの河原を歩いていると、釣りをしている人がいて、魚を釣っていたそうです。子が、
「何をしているの。」と言うと、
「親が病になって、何も食べないので、これを上げようと思っているのだ。」と答えたそうです。なるほど、これを食べさせるのか、と思って釣り針を用意して釣りをしていると、とても小さなかわいげな子供がこんな風に出歩いているとは、いったいどうしたことだろう、親はなぜこんなことをさせるのか、攫われたらどうするのだと思われたらしく、通りかかった人が、
「なんのために釣りなどしているのだ。」と尋ねるので、親の恥になるようなことは言わず、
「遊んでいるのです。」と答えたそうです。
人は、子をかわいいと思って、
「それなら、我が釣ってやろう。」と言って、たくさん釣って持たせてくれる人もいて、それを持ち帰り、わたしに食べさせてくれるのです。わたくしは、
「そんなことはしなくてよいのです。物を食べなくても、苦しくはありません。」と言いますが、聞きません。容貌がかわいらしいので、この子を見た人は、抱き上げてかわいがって、
「親はいるのか。わが子にならないか。」と言うけど、
「いいえ、母がいます。」と言っていました。わたくしは、こうして子が持って帰るものだけ食べて過ごしていました。




