42/72
俊蔭の娘(その19)
こうしているうちに、この子はすくすくと、まるで引き伸ばしたように大きくなっていきました。成長するにつれ、本当にかわいらしく、ちょっとでも見聞きしたことは決して忘れず、心が聡く賢いことといったら、限りないほどでした。このように幼い時から、わたくしが困るようなことは全くしないで、わたくしをいたわってくれました。
この子が五つになる年の秋、嫗が亡くなりました。わたくしたち親子は、少しも物を食べることができなくなりました。何日も、ただ所在なく暮らしていました。
この子は、屋敷を出入りして歩き回っていましたが、わたくしが何も食べないでいるのを見て、たいそう悲しく思い、どうにかして母を養おうと思ったようですが、なにぶん、幼くて、どうしようもないようでした。




