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俊蔭の娘(その16)
こうしているうちに、わたくしはますます心細く感じられて、子の親になったというのに、父母を恋しく思い、子が玉のように光り輝いて育っていくのを見るにつけ、おじいさまがご存命ならどんなに大切にかわいがられることであろうと、思うのでした。嫗も、
「故おとどがいらっしゃいましたら、綾や絹に包まれて育っておられることでしょうに。」というので、
「ええ、そうでしょうとも。思い出すと、格別の思いがします。親がわたくしをかわいがって育てていらっしゃったとき、わたくしがこのような有様になるとは、思っても居られなかったことでしょう。」といって、ひどく泣き、
「わたくしの運命から逃れることができなかったことを、父の魂が天を翔けてご覧になって、どんなに甲斐のないことと思っていらっしゃるのやら。父母がいらっしゃるうちに、先に死んでしまいたかった。」と言ってしまいました。嫗は、
「まあ、とんでもないことを。もう、そんなことは思わないで下さい。今は、心が落ち込んでいますが、このような宝であるお子を持っていらっしゃるのに、何を思い悩んでいるのですか。
実は、この夜の丑三つ時に、嫗は、姫君のゆめをみたのです。」と言いました。




