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俊蔭の娘(その2)
世の中というものを知らず、若く幼い心には、すべてとても悲しく、花や紅葉を眺めるだけの暮らしをしておりました。ただ一人使っている嫗が食事を食べよと言えば食べ、食べよと言わねば食べずにいました。自分一人が隠れているための屏風、几帳、着るものだけはありました。父は、学問をおさめ才知もあったので、屋敷の敷地は広く、植木も美しく配され、草木のあり様や庭のたたずまいなどは、趣のあるものでした。とはいえ、手入れをする者がいないので、夏には蓬などの雑草が一面にはびこっていきました。それを眺めていると、秋になり、草木も、雑草も、色を変えていき、庭もうら寂しくなっていきます。言いようもなく悲しくなってしまい、
わび人は 月日の数ぞ 知られける 明け暮れ一人 空を眺めて
などとひとりごとを言っては物思いにふけっていたのでした。




