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俊蔭(その16)
このようにして、わたしは自分の運命を知り、今は日本に帰ろうと思いました。
山の七人の人に、琴を一つずつ差し上げました。七人は血の涙を流して別れを惜しみました。わたしも、また、去りがたい思いでした。七人の人は、音楽を奏でながら孔雀が渡してくれた川のほとりまで送って、ここから帰ると言って、こうおっしゃいました。
「われらは、汝を日本まで送っていきたいのだが、この山の口からさえ出たことのない身なのだ。それなのに、別れの悲しさに、川のほとりまで来てしまった。ここで、日本まで送るべき人を着けよう。」と。それから、何かのまじないをおこなったのです。
日本まで持って帰るべき琴に、手首をきり、その血で名前を書き付けてくれました。
一つは、りゅうかく風です。
今一つは、ほそお風です。
今一つは、やどもり風です。
四つは、やまもり風です。
五つは、せた風です。
六つは、はなぞの風です。
七つは、かたち風です。
八つは、みやこ風です。
九つは、あわれ風です。
十は、おりめ風です。
それぞれ書き付けて、七人の人は帰って行きました。




