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「討ちもらしは、まかせたぞ」
こちらへ殺到する巨大氷狼たちを見据え、ロジ・マジがのんびりと、振り返りもせずにアリッサとブン・ラッハに声をかける。
「仕方ないねえ」
アリッサが一見すると不承不承といった体で返事をしたが、ブランだけは、彼女が実はかなり乗り気であることを感じ取っていた。
「さて……」
雪の中に杖を突き立てたロジ・マジが、素早く聞き慣れない呪句を唱えた。
途端に、地面のあちこちから大量の湯と蒸気が吹き上がり、氷狼達を包みこんだ。
「これは……??」
「間欠泉だよ」
ブランの問いに、アリッサがそっけなく答える。
高い熱と圧力によって、氷狼達は行く手を阻まれ、次々に溶けていった。
「あ、こっちに!!」
直撃を逃れた一頭が、体の半身を溶かしながらも、こちらに向けて突進してきた。
「……………」
無言でロジ・マジの脇に進み出たアリッサは、印を切りブツブツと口を動かすと、右手を迫り来る魔物に向けて突き出した。
ドォォォン!!!!!
激しい衝撃波のようなものが打ち出され、氷狼の前足は粉々に打ち砕かれたため、敵はバランスを崩し、そのまま地面に横倒しになって動きを止めた。
「すごい、アリッサさん…」
「ああ…今のは、よくあんたの頭をひっぱたく魔法だよ」
出力を上げたスリッパ魔法がここまでの威力とは、自分をなぐる時には、くれぐれも力加減を気をつけて欲しいなと願うブランであった。
「ヴィシュメイガよ。使い魔ごときでわしを滅せると思うたか」
乾いた笑い声を上げ、衣をはためかせながら浮かびあがったロジ・マジは、空中でヴィシュメイガに対峙した!!




